規制改革推進会議

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規制改革推進会議

第9回

○川村参事官 それでは、事務局から資料1に基づきまして、当面の規制改革の実施事項の概要について、御説明をさせていただきます。 書面・押印・対面の見直しでございます。

 行政手続の書面・押印・対面の見直しにつきましては、押印を求める行政手続のうち、83手続を除く全ての手続について、押印がなくても手続をできるようにする。原則として、年内に政省令、通達の改正を行います。見直しに必要な法改正案を次期通常国会に提出するものでございます。

 オンライン化でございますけれども、性質上、オンライン化が適当でないとされる手続を除く95%超を5年以内にオンライン化するものでございます。地方公共団体が行う手続の標準化に取り組んでいくということでございます。

 単にオンライン化ができるだけではなくて、オンライン利用率を大胆に引き上げる目標を設定し、速やかに必要な取組を行う。

 さらには国及び地方公共団体との契約について、クラウド型の電子署名が利用できるように、必要な省令改正等を行うということでございます。

 右側、民間の手続の書面・押印・対面の見直しでございます。

 税の関係でございますけれども、電子帳簿保存法に基づくスキャナ保存に関する緩和をしていくものでございます。

 加えまして、民法の受取証書についても、データ請求を可能とする改正措置を講じていくところでございます。

 株主総会についても、今までハイブリッド型株主総会は開催可能でしたが、バーチャルオンリー型株主総会も開催可能にするところでございます。

 書面交付でございますが、不動産の賃貸、売買時の際の書面交付の見直しを行うところでございます。

 これら押印・書面の見直しに係る一括法を次期通常国会に提出していくところでございます。

岩下委員 どうもありがとうございます。岩下でございます。

 当面の規制改革の実施事項の概要につきまして、お取りまとめをいただきまして、ありがとうございました。

 内容については、この方向で進めていければよいと考えますが、私自身は、この後の議論になるのかもしれませんけれども、この議論の中から、その先を見据えたことをぜひやっていく必要があると感じています。

 例えば国及び自治体の契約において、クラウド型の電子署名が利用できるようにすること自体は、目先の課題として一つやらなければいけないことだと思います。それはそれでやる必要があるのですが、この議論をしているときに、そもそもなぜ電子署名が必要なのですかとお尋ねすると、多くのそこにいた方々が、会計法で記名・捺印と書いてあるからとおっしゃるわけです。

 なぜ会計法で記名・捺印が必要なのですかという話になると、それはそう決まっているからという話になってしまう。電子署名を普及させることは、私はいいことだと思うのですけれども、そもそも最初に、契約にはんこを使っているという民間の制度を国が法律の中に取り入れてしまったという経緯があるのです。そういう部分を根っこから変えていかないといけない。

 ところが、根っこを変えるのは大変なので、取りあえず目先を電子署名に変えましょうという話になっているのです。だから、別に電子署名はそんなに厳格なものでなくてもよくて、認印ぐらいの電子署名はありませんか、みたいな話になるのですが、それは本末転倒だと思います。そもそもの部分を変えるのは非常に難しくて、それに真っ先に取り組むのは適切ではないと思うのですけれども、そこを変えていくことを一つの目標としながら、手前のこともやっていくし、先のことも見ていくべきです。

 当面、時間がないのは、2023年のインボイス義務化があって、このときに様々な領収書とか、請求書などの民民、あるいは官民、何でもそうですが、電子化されていないと、日本全体が物すごいペーパークライシスになりますので、そうなる前に何とか手を打たなければいけないという意味で時間が限られているということを申し上げたいと思います。

私からは以上です。

髙橋滋委員 どうもありがとうございます。

 昨日の議長・座長合同会議でも申し上げたのですが、例えば主要な手続についてのオンライン利用率を引き上げるという計画を出していただいています。各省が我々のひな形をそのままなぞって書いていたような感じで、目標はあるのですけれども、ほとんど中身がありません。

 これは、担当が現場を知らないのではないか。つまり手続がどういうふうに現場で動いているのかということが分からないので、デジタル化をしようと思っても、知恵が出てこないという状況があるのではないかと思っていて、これは変えてもらう必要があるのではないかと思っています。現場をしっかり見ながら、この問題に取り組んでいただくことが必要で、これを実行していきたいと考えています。

 主要な手続がこの状態でございますので、残りのオンライン化できる95%の手続も、きちっとチェックしていかないと動かないのではないかという気がしていますので、そこはかなりハードな仕事になるのではないかと思っています。

 さらに申し上げると、計画の中にもちらちら見え隠れしていますが、許認可を与えるのだから、役所に来るのが当たり前だとか、手間暇がかかっても当たり前ではないかみたいな意識が透けて見えています。そういう意識を変えていただくことが極めて重要なのではないかと思います。

 最後、どうしても本人確認が必要だという手続がまだ残っています。例えば、本来肉眼で、とにかく対面でやらなければいけない。本人の挙動をチェックして、おかしい申請者は排除しなければいけない、とお話しされるのですが、デジタルで本当に置き換えられないのか。

 例えば、マイナポータルで事前予約して、そのときに登録したパソコンでIPアドレスを把握して、海外から経由していないとか、さらにマイナンバーの写真を肉眼かつ顔認証で照合することで、そういう意味では、対面での挙動チェックとどこが遜色ないのかということを、各省にきちっと考えていただく必要があるのではないかと思います。

 このように、まだまだ実行すべき作業がいっぱいあるという感じがしておりますので、引き続き頑張っていきたいと思います。

 以上です。

議長座長会合

第1回(令和2年10月7日)

高橋座長 デジタルガバメントワーキングの髙橋から御報告させていただきます。

 行政のデジタル化は、行政手続にかかる負担の軽減のほか、効率化やデータ利活用を通 じた行政の高度化、災害に強い行政の確立などが国の発展に幅広く貢献する取組でござい ます。

 さらにコロナ危機の中、書面・押印・対面を前提といたしました行政の問題点が鮮明に なりました。感染拡大の防止及び新たな生活様式の確立に向けて、国民が全ての手続につ きオンラインで利用できるよう、迅速な改革が求められております。

 ただし、作業を確実に進めるためには、数値目標を単に掲げるのみならず、短期的、中 長期的な課題を見極め、効率的に取組を進める必要がございます。

 そこで、以下の3つの柱を立て、取り組んでまいります。

 第1の柱は、書面・押印・対面の見直しでございます。これにつきましては、河野大臣 のリーダーシップによりまして、押印の原則廃止に向けての取組が目に見えて早まりまし た。誠に心強い限りでございます。この成果を踏まえまして、取組をさらに加速させてい きたいと思っております。

 例えばシステム整備の費用対効果を懸念する声が各府省から上げられています。この点 につきましては、電子メールの活用など、簡便な形でのオンライン化が可能な手続がたく さんあると考えています。また、システム構築の際には、立案と調査、システムの設計、 システムの実装と、合計して3年の月日を費やしてしまうのでは、国民の求めに応えるこ とはできません。

 各府省に対しましては、可及的速やかなシステムの構築を追求するよう迫っていくこと も大事であると考えております。

 2つ目として、主要な手続のオンライン利用率を引き上げます。国民に実際に利用され るオンライン手続の構築が重要でございますが、件数が多い手続であってもオンライン利 用率が上がっていないものがございます。そこには手続の簡素化が不徹底であること、行 き過ぎた本人確認がされていること、使い勝手の悪いシステムであることなど、原因が必 ず存在しております。

 そこで各府省に対し、数値目標を設定し、課題を明らかにした上で、真に利用率を向上 させる取組を行うよう促してまいります。

 最後の柱が、地方の手続のオンライン化でございます。自治体ごとに書式などがばらば らであることが、事業者の負担になっております。

 国が主導して共通プラットフォームを整備し、デジタル化を前提に手続の標準化を進め るよう、作業をしてまいりたいと思っております。

 以上をもちまして、私からの報告とさせていただきます。

 ありがとうございました。

名簿

規制改革推進会議委員名簿.pdf
規制改革推進会議 委員名簿
議長 小林喜光 株式会社三菱ケミカルホールディングス取締役会長
議長代理 高橋進 株式会社日本総合研究所チェアマン・エメリタス
岩下直行 京都大学公共政策大学院教授
大石佳能子 株式会社メディヴァ代表取締役社長
大槻奈那 マネックス証券株式会社執行役員、名古屋商科大学大学院教授
大橋弘 東京大学公共政策大学院院長
佐久間総一郎 日本製鉄株式会社顧問
佐藤主光 一橋大学経済学研究科教授
菅原晶子 公益社団法人経済同友会常務理事
髙橋滋 法政大学法学部教授
武井一浩 西村あさひ法律事務所弁護士(パートナー)
竹内純子 NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員
谷口綾子 筑波大学システム情報系教授
中室牧子 慶應義塾大学総合政策学部教授
南雲岳彦 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社専務執行役員
夏野剛 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授
新山陽子 立命館大学食マネジメント学部教授
水町勇一郎 東京大学社会科学研究所教授
御手洗瑞子 株式会社気仙沼ニッティング代表取締役
規制改革推進会議専門委員名簿20210303.pdf
規制改革推進会議 専門委員名簿(令和3年3月3日時点)
■成長戦略ワーキング・グループ
落合孝文 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士
玉城絵美 H2L, Inc., 創業者、早稲田大学創造理工学研究科特任准教授
村上文洋 株式会社三菱総合研究所デジタル・イノベーション本部
ICT・メディア戦略グループ主席研究員
■雇用・人づくりワーキング・グループ
石戸奈々子 特定非営利活動法人CANVAS理事長、慶應義塾大学教授
宇佐川邦子 株式会社リクルートジョブズ ジョブズリサーチセンター センター長
島田陽一 早稲田大学法学学術院教授
■投資等ワーキング・グループ
石岡克俊 慶應義塾大学大学院法務研究科教授・産業研究所所長
井上岳一 株式会社日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト
鵜瀞惠子 東洋学園大学現代経営学部特任教授
落合孝文 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士
増島雅和 森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士
村上文洋 株式会社三菱総合研究所デジタル・イノベーション本部
ICT・メディア戦略グループ主席研究員
■医療・介護ワーキング・グループ
印南一路 慶應義塾大学総合政策学部教授
髙橋政代 株式会社ビジョンケア代表取締役社長
武藤正樹 社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役
安田純子 PwCコンサルティング合同会社シニアマネージャー
■農林水産ワーキング・グループ
青山浩子 新潟食料農業大学講師
有路昌彦 近畿大学世界経済研究所水産・食料戦略分野教授
泉澤宏 有限会社泉澤水産代表取締役
井村辰二郎 アジア農業株式会社代表取締役
大泉一貫 宮城大学名誉教授
澤浦彰治 グリンリーフ株式会社代表取締役
花岡和佳男 株式会社シーフードレガシー代表取締役社長
林いづみ 桜坂法律事務所弁護士(創立パートナー)
■デジタルガバメントワーキング・グループ
住田智子 フューチャー株式会社執行役員
田中良弘 新潟大学法学部教授
中林紀彦 ヤマトホールディングス株式会社執行役員
濱西隆男 尚美学園大学総合政策学部教授
林達也 LocationMind株式会社取締役
株式会社パロンゴ取締役
八剱洋一郎 株式会社ワークスアプリケーションズ取締役副社長、
株式会社Works Human Intelligenceエグゼクティブ・アドバイザー