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https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/seicho/20210324/gijiroku0324.pdf#page=7
 
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○農林水産省(信夫審議官) 信夫です。よろしくお願いいたします。
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○農林水産省(信夫審議官) 信夫です。よろしくお願いいたします。
資料1-3、農林水産省地理情報共通管理システム(eMAFF地図)による農地情報の一元 的管理と活用についてに基づき御説明をいたします。
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規制室のほうからこのeMAFF地図に向けた取組の内容や実施したいこと、直面している 苦労や課題について説明するようにとの御用命がございましたので、ベースレジストリの 整備の議論の参考になれば幸いでございます。
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 資料1-3、農林水産省地理情報共通管理システム(eMAFF地図)による農地情報の一元 的管理と活用についてに基づき御説明をいたします。
まず、eMAFF地図についてでございますが、3ページ目を御覧いただきたいと思います。
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左の図にありますように、農地情報は、地方自治体をはじめ様々な農政の実施機関で保 有されておりますが、機関ごとにばらばらに収集・管理されています。このため、農業者 が同じ情報でも都度申告しなければならない上、それぞれの機関で縦割りで収集・蓄積さ れ、相互の突合作業も十分行われず、入力や地図化も手作業、現地調査には別々の地図を 持っていくという手間暇のかかる実態となっております。
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 規制室のほうからこのeMAFF地図に向けた取組の内容や実施したいこと、直面している 苦労や課題について説明するようにとの御用命がございましたので、ベースレジストリの 整備の議論の参考になれば幸いでございます。
農業者や自治体職員の数が減る中で、このような状況を放置することは許されず、これ を抜本的に改めていくため、当省所管の行政手続のオンライン化を実現する農林水産省共 通申請サービス、「eMAFF」と呼んでおりますけれども、eMAFFの導入を契機に、現場の農 地情報を統合し、一元的に管理できるデジタル地図「eMAFF地図」の開発に着手いたしまし た。これが完成すれば、右の図にありますように、農業者による効率的な申請はもとより、 農地情報の管理業務の軽減、何よりも最新で正確なデータが反映された地図による現地業 務の抜本的効率化、さらには、将来的には右側にあるような様々な用途やサービスへの活 用が可能となり、農地の有効利用の実現に貢献するものと考えております。
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eMAFF地図の完成のためには、4ページ目に図示してありますように、様々なデータベー スや台帳を連携させていく必要があります。具体的には、5ページ目に整理してあります けれども、ベースレジストリとしてどの範囲のデータを言うのかというのは、今後の政府 全体の議論で決まっていくと考えておりますが、どの制度でも電子地図を活用することを 前提とした場合、区画、地番、緯度・経度といったデータが正確に整備される必要があり、 また、効率的に活用するためのデータ連携には、個別の台帳のデータをひもづけていく作 業やIDコードの整備が必要になります。しかしながら、実際にひもづけ作業などを行って いこうとすると、様々な困難に直面をいたします。
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 まず、eMAFF地図についてでございますが、3ページ目を御覧いただきたいと思います。
6ページ目でございますが、最初の大きな困難は、データのひもづけそのものが難しい という問題でございます。同じ土地であっても異なる表記がされている各台帳に共通キー がなく、ひもづけが難しい上、登記簿ベースと現況ベースのデータが必ずしも1:1対応
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 左の図にありますように、農地情報は、地方自治体をはじめ様々な農政の実施機関で保 有されておりますが、機関ごとにばらばらに収集・管理されています。このため、農業者 が同じ情報でも都度申告しなければならない上、それぞれの機関で縦割りで収集・蓄積さ れ、相互の突合作業も十分行われず、入力や地図化も手作業、現地調査には別々の地図を 持っていくという手間暇のかかる実態となっております。
をしません。また、7ページ目にありますように、地番の異体字・外字や表記ゆれの問題 があり、コンピューター処理をするにはデータクレンジングを行う必要があります。
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9ページ目をお開きください。 2つ目の大きな混乱は、個人情報の取扱いに差があることが挙げられます。 異なる行政機関の間で、それぞれが保有する地理情報を共有しようとする場合、個人情
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 農業者や自治体職員の数が減る中で、このような状況を放置することは許されず、これ を抜本的に改めていくため、当省所管の行政手続のオンライン化を実現する農林水産省共 通申請サービス、「eMAFF」と呼んでおりますけれども、eMAFFの導入を契機に、現場の農 地情報を統合し、一元的に管理できるデジタル地図「eMAFF地図」の開発に着手いたしまし た。これが完成すれば、右の図にありますように、農業者による効率的な申請はもとより、 農地情報の管理業務の軽減、何よりも最新で正確なデータが反映された地図による現地業 務の抜本的効率化、さらには、将来的には右側にあるような様々な用途やサービスへの活 用が可能となり、農地の有効利用の実現に貢献するものと考えております。
報が含まれていることがありますが、行政機関の間で個人情報の取扱いに差があったり、 地番等の地理情報が個人情報とされる場合もあることから、統一的で均一的な農地情報の データ整備が困難となっております。
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例えば、実務上、農地法に基づく固定資産台帳と農地台帳の突合とか、あるいは市町村 税部局が不動産登記簿の地図・公図を基に区画データ・地番データ等を整理する地番図を 農業委員会に共有していただいて、それと突合するようなケースがございます。一方で、 eMAFF地図の基礎データとして、不動産登記簿の地図、つまり地籍調査が終わった正確な地 図、いわゆる14条地図でございますけれども、その電子データの提供を法務局さんにお願 いしようとする場合、地番が個人情報に当たる可能性があることから、個別の行政作用法 に基づく具体的な法令の根拠が必要ですという説明を法務省さんのほうからこれまでいた だいております。この場合、他の用途に利用することは困難で、国による統一的な農地情 報の整備を進めにくい一因となっていると考えております。
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 eMAFF地図の完成のためには、4ページ目に図示してありますように、様々なデータベー スや台帳を連携させていく必要があります。具体的には、5ページ目に整理してあります けれども、ベースレジストリとしてどの範囲のデータを言うのかというのは、今後の政府 全体の議論で決まっていくと考えておりますが、どの制度でも電子地図を活用することを 前提とした場合、区画、地番、緯度・経度といったデータが正確に整備される必要があり、 また、効率的に活用するためのデータ連携には、個別の台帳のデータをひもづけていく作 業やIDコードの整備が必要になります。しかしながら、実際にひもづけ作業などを行って いこうとすると、様々な困難に直面をいたします。
また、市町村の税務部局が作成する地番図は、一部自治体でインターネット公表してい るケースがある一方で、自治体内でも共有を限定しているケースもございます。総務省さ んの協力を得まして、当方から情報共有が可能な旨、全国の農業委員会に通知を出してお りますけれども、約4割の市区町村で共有がなされず、農地台帳の更新への活用ができて おりません。
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3つ目の大きな困難といたしましては、10ページ目でございますが、農地情報の更新や 区画情報の確認に有用な不動産登記簿の地図そのものが電子データとして活用できないケ ースがあるということが挙げられます。
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 6ページ目でございますが、最初の大きな困難は、データのひもづけそのものが難しい という問題でございます。同じ土地であっても異なる表記がされている各台帳に共通キー がなく、ひもづけが難しい上、登記簿ベースと現況ベースのデータが必ずしも1:1対応をしません。また、7ページ目にありますように、地番の異体字・外字や表記ゆれの問題 があり、コンピューター処理をするにはデータクレンジングを行う必要があります。
オープンデータとして地図データを活用するには、XMLファイルになっている必要がご ざいますけれども、その中に14条地図ではない公図等を基にした位置情報が不明な任意座 標系のファイルが混在しておりまして、これを他のデータとひもづけて使うのは相当な困 難が伴います。
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左の図は公共座標系と呼ばれる位置情報と地番情報を持った地図のXMLデータですが、 これであれば同じく位置情報を持った筆ポリゴンなどとのひもづけ等が容易であります。 一方で、右の図のように、位置情報が不明な任意座標系のXMLデータを地図ソフトに表示 してみたところ、緯度・経度がゼロ度であるアフリカ大陸のギニア湾のあたりに土地デー
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 9ページ目をお開きください。 2つ目の大きな混乱は、個人情報の取扱いに差があることが挙げられます。 異なる行政機関の間で、それぞれが保有する地理情報を共有しようとする場合、個人情報が含まれていることがありますが、行政機関の間で個人情報の取扱いに差があったり、 地番等の地理情報が個人情報とされる場合もあることから、統一的で均一的な農地情報の データ整備が困難となっております。
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 例えば、実務上、農地法に基づく固定資産台帳と農地台帳の突合とか、あるいは市町村 税部局が不動産登記簿の地図・公図を基に区画データ・地番データ等を整理する地番図を 農業委員会に共有していただいて、それと突合するようなケースがございます。一方で、 eMAFF地図の基礎データとして、不動産登記簿の地図、つまり地籍調査が終わった正確な地 図、いわゆる14条地図でございますけれども、その電子データの提供を法務局さんにお願 いしようとする場合、地番が個人情報に当たる可能性があることから、個別の行政作用法 に基づく具体的な法令の根拠が必要ですという説明を法務省さんのほうからこれまでいた だいております。この場合、他の用途に利用することは困難で、国による統一的な農地情 報の整備を進めにくい一因となっていると考えております。
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 また、市町村の税務部局が作成する地番図は、一部自治体でインターネット公表してい るケースがある一方で、自治体内でも共有を限定しているケースもございます。総務省さ んの協力を得まして、当方から情報共有が可能な旨、全国の農業委員会に通知を出してお りますけれども、約4割の市区町村で共有がなされず、農地台帳の更新への活用ができて おりません。
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 3つ目の大きな困難といたしましては、10ページ目でございますが、農地情報の更新や 区画情報の確認に有用な不動産登記簿の地図そのものが電子データとして活用できないケ ースがあるということが挙げられます。
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 オープンデータとして地図データを活用するには、XMLファイルになっている必要がご ざいますけれども、その中に14条地図ではない公図等を基にした位置情報が不明な任意座 標系のファイルが混在しておりまして、これを他のデータとひもづけて使うのは相当な困 難が伴います。
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 左の図は公共座標系と呼ばれる位置情報と地番情報を持った地図のXMLデータですが、 これであれば同じく位置情報を持った筆ポリゴンなどとのひもづけ等が容易であります。 一方で、右の図のように、位置情報が不明な任意座標系のXMLデータを地図ソフトに表示 してみたところ、緯度・経度がゼロ度であるアフリカ大陸のギニア湾のあたりに土地デー
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タが配置されてしまいました。 あとは例外的なケースかもしれませんが、下のほうにあるように、ある自治体の14条地
 
タが配置されてしまいました。 あとは例外的なケースかもしれませんが、下のほうにあるように、ある自治体の14条地
 
図の電子データでは、公共座標系が2割弱、8割強が任意座標系となっており、これでは 8
 
図の電子データでは、公共座標系が2割弱、8割強が任意座標系となっており、これでは 8
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位置情報から整備をしなければならず、効率的な利用が困難な状況になってございます。 こういった現況を踏まえまして、11ページ以降に、誠に僭越ながらこうあったらいいと
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 位置情報から整備をしなければならず、効率的な利用が困難な状況になってございます。 こういった現況を踏まえまして、11ページ以降に、誠に僭越ながらこうあったらいいと思うことを3点ほど課題として整理をさせていただきました。 まず、共通の地番コードの整備の必要性があると思います。表記ゆれ等の問題を解決するには、地番の表記を統一することが考えられますが、なかなか難しくて相当な時間と労 力を要すると思います。そこで土地全体について、一意なコードのルールを作成して、電 子化するに当たっては、不動産登記法で個別の土地に付与された地番と一意なコードのリ ストを開示し、共通的に利用することで、表記ゆれがあったとしても台帳やシステム間の ひもづけが可能になるのではないかと思います。
思うことを3点ほど課題として整理をさせていただきました。 まず、共通の地番コードの整備の必要性があると思います。表記ゆれ等の問題を解決す
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るには、地番の表記を統一することが考えられますが、なかなか難しくて相当な時間と労 力を要すると思います。そこで土地全体について、一意なコードのルールを作成して、電 子化するに当たっては、不動産登記法で個別の土地に付与された地番と一意なコードのリ ストを開示し、共通的に利用することで、表記ゆれがあったとしても台帳やシステム間の ひもづけが可能になるのではないかと思います。
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 ただし、この場合でも、個々の台帳にコードを入力するのは手作業になり、かなりの労 力を要するという問題が残ります。ほかに方法はないものか、何かお知恵を拝借できれば 幸いであります。
ただし、この場合でも、個々の台帳にコードを入力するのは手作業になり、かなりの労 力を要するという問題が残ります。ほかに方法はないものか、何かお知恵を拝借できれば 幸いであります。
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12ページ目でございます。 2つ目は、個人情報についての統一的な見解の整備と運用の必要性でございます。 個人情報保護は当然行政機関に求められるものでありますけれども、行政データは可能
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 12ページ目でございます。 2つ目は、個人情報についての統一的な見解の整備と運用の必要性でございます。 個人情報保護は当然行政機関に求められるものでありますけれども、行政データは可能な限りオープンデータとして広く活用すべきということも、データ戦略タスクフォースの 第一次取りまとめでも指摘されています。特にベースレジストリに当たるデータの情報共 有は最低限必要なのではないかと考えております。
な限りオープンデータとして広く活用すべきということも、データ戦略タスクフォースの 第一次取りまとめでも指摘されています。特にベースレジストリに当たるデータの情報共 有は最低限必要なのではないかと考えております。
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今国会には、いわゆる2000個問題に対応して「個人情報保護」と「データ流通」の両立 に必要な全国的な共通ルールを設定するための法案が提出されていると承知しています。 農地あるいはほかの土地もそうでございますけれども、区画、地番、緯度・経度データ等 については、個別法や各政策の目的の達成のためには共通に必要なデータであって、統一 的な取扱いがなされるよう、統一的な考え方が整理されることを期待しております。特に、 市町村税務部局で作成されている地番図は、これらのデータが入ったものが多く、非常に 有用であり、広く活用がなされるように検討が進むと大変ありがたいと思っております。
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 今国会には、いわゆる2000個問題に対応して「個人情報保護」と「データ流通」の両立 に必要な全国的な共通ルールを設定するための法案が提出されていると承知しています。 農地あるいはほかの土地もそうでございますけれども、区画、地番、緯度・経度データ等 については、個別法や各政策の目的の達成のためには共通に必要なデータであって、統一 的な取扱いがなされるよう、統一的な考え方が整理されることを期待しております。特に、 市町村税務部局で作成されている地番図は、これらのデータが入ったものが多く、非常に 有用であり、広く活用がなされるように検討が進むと大変ありがたいと思っております。
最後、13ページ目でありますけれども、3つ目の課題として、広く農地関連の台帳整備 が抜本的に効率化されるような取組をお願いしたいと思っております。
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先ほど、市町村税務部局が作成している地番図について申し上げましたけれども、この 地番図も、大元は不動産登記簿でございます。市町村の農業委員会も、農地台帳の正確性 の確保に必要なデータを不動産登記簿から得られれば、税務部局にお願いする必要もござ いません。
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 最後、13ページ目でありますけれども、3つ目の課題として、広く農地関連の台帳整備 が抜本的に効率化されるような取組をお願いしたいと思っております。
難しいのは承知の上で申し上げますが、地籍調査や登記所備付地図整備事業、あるいは これに代わるような方法があれば、ぜひ強力に進めていただいて、あわせて、既に調査等 が終了した地域も含めまして、公共座標系の電子データを整備していただき、行政作用法 の根拠など特段の条件をつけずに御提供いただければ、農地の有効利用につながる精緻な 地図情報の整備が可能となるため本当にありがたく思います。これが進んで行政機関間で
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 先ほど、市町村税務部局が作成している地番図について申し上げましたけれども、この 地番図も、大元は不動産登記簿でございます。市町村の農業委員会も、農地台帳の正確性 の確保に必要なデータを不動産登記簿から得られれば、税務部局にお願いする必要もござ いません。
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 難しいのは承知の上で申し上げますが、地籍調査や登記所備付地図整備事業、あるいは これに代わるような方法があれば、ぜひ強力に進めていただいて、あわせて、既に調査等 が終了した地域も含めまして、公共座標系の電子データを整備していただき、行政作用法 の根拠など特段の条件をつけずに御提供いただければ、農地の有効利用につながる精緻な 地図情報の整備が可能となるため本当にありがたく思います。これが進んで行政機関間で
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 最新のデータが自動的に共有できるようになれば、自治体の負担も軽減し、農業者も最新 の情報を取得ができ、eMAFFでの申請も楽にできるようになると考えております。
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最新のデータが自動的に共有できるようになれば、自治体の負担も軽減し、農業者も最新 の情報を取得ができ、eMAFFでの申請も楽にできるようになると考えております。
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 以上、お願いばかりで恐縮でございますけれども、御協力をお願いする次第でございま す。ありがとうございました。
以上、お願いばかりで恐縮でございますけれども、御協力をお願いする次第でございま す。ありがとうございました。
   
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