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 データ駆動型社会と言われ、あらゆる社会活動でデータ活用がされる中、社会の基盤となる情報をデータで整備し、連携・活用を図ることが一層重要となっている。
 
 データ駆動型社会と言われ、あらゆる社会活動でデータ活用がされる中、社会の基盤となる情報をデータで整備し、連携・活用を図ることが一層重要となっている。
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 特に、人、法人、土地、建物、資格等の公的情報基盤(ベース・レジストリ 2を含む)については、社会の基本データとして、正確性や最新性が確保されたデータベースを整備するとともに、そのデータについて適切なアクセス・コントロールを設定し、できるだけ広く連携・活用を図ることが必要である。その際、各情報の個人情報保護に係る取扱い(※)について整理を行うことが重要な課題の1つとなる。
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 特に、人、法人、土地、建物、資格等の公的情報基盤(ベース・レジストリ<ref>2 ベース・レジストリ・ロードマップ(令和2年12 月21 日デジタル・ガバメント閣僚会議決定)において、IT室が指定することとされている。</ref>を含む)については、社会の基本データとして、正確性や最新性が確保されたデータベースを整備するとともに、そのデータについて適切なアクセス・コントロールを設定し、できるだけ広く連携・活用を図ることが必要である。その際、各情報の個人情報保護に係る取扱い(※)について整理を行うことが重要な課題の1つとなる。
    
(※)保有個人情報に該当するか否か、該当する場合、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15 年法律第58 号。以下「行個法」という。)第8条<ref>デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律による改正後の個人情報の保護に関する法律(平成15 年法律第57 号)第69 条</ref>の規定に基づく目的外利用又は提供が可能か否かを始めとする各種個人情報保護法制における取扱い。
 
(※)保有個人情報に該当するか否か、該当する場合、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15 年法律第58 号。以下「行個法」という。)第8条<ref>デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律による改正後の個人情報の保護に関する法律(平成15 年法律第57 号)第69 条</ref>の規定に基づく目的外利用又は提供が可能か否かを始めとする各種個人情報保護法制における取扱い。
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<基本的考え方>
 
<基本的考え方>
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 デジタル時代において、国際的な競争が加速する中、より速いスピードでシステムやソフトウェアの開発、提供が求められており、計画、設計、実装、テストを繰り返すアジャイル型のシステム開発が注目されている。開発に携わる企画者、設計者、プログラマー、テスター、運用者等は、通常、発注企業と受注企業、さらに受注企業の委託先等にそれぞれ属しているが、アジャイル型のシステム開発においては、ノウハウやアイディアを共有する観点から、上記関係者間において、綿密な意思疎通の下で協働することが不可欠となる。しかし、現行法制下では、これが直接2 ベース・レジストリ・ロードマップ(令和2年12 月21 日デジタル・ガバメント閣僚会議決定)において、IT室が指定することとされている。
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 デジタル時代において、国際的な競争が加速する中、より速いスピードでシステムやソフトウェアの開発、提供が求められており、計画、設計、実装、テストを繰り返すアジャイル型のシステム開発が注目されている。開発に携わる企画者、設計者、プログラマー、テスター、運用者等は、通常、発注企業と受注企業、さらに受注企業の委託先等にそれぞれ属しているが、アジャイル型のシステム開発においては、ノウハウやアイディアを共有する観点から、上記関係者間において、綿密な意思疎通の下で協働することが不可欠となる。しかし、現行法制下では、これが直接的な指揮命令として、労働者派遣法(昭和60 年法律第88 号)5が禁止する「偽装請負」に該当すると判断される可能性がある。この点について、法的リスクがあるためにアジャイル型のシステム開発に踏み切れない、あるいはアジャイル型でシステム開発を実際に行ったとしても、偽装請負に該当すると判断されないようリスク回避のための管理コストや時間をかけており、速いスピードでの開発というアジャイル開発のメリットを十分に享受できない、といった声が上がっている。厚生労働省においては、こうした実態を踏まえ、早急に検討を行い、環境整備に努めることが求められる。
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 なお、労働者の過重労働や下請事業者の不当な取扱いが是認されることを求めるものではなく、また、アジャイル型開発であれば、全て指揮命令に当たらないとの解釈を求めるものではない。
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 以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。
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<実施事項>
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  <li>厚生労働省は、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61 年労働省告示第37 号)に関する疑義応答集6が、「システム開発」の現場にも適用され得る考え方であることを明確にし、周知を図る。
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  <li>厚生労働省は、関係府省とも連携の上、アジャイル型開発の環境整備に向け、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準の具体的当てはめの明確化について、新しい開発手法を活用するベンチャー企業等を含めた実務者会合を早期に立ち上げ、システム開発の実態を踏まえつつ検討を行う。その結果に基づいて疑義応答集等で考え方を明らかにし、広く周知を図る。

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