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第1回(R2-10-12)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201012/agenda.html

3つの柱

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201012/gijiroku1012.pdf#page=3

髙橋座長 どうもありがとうございました。
(略)
 第1の柱は、そこにございますが、書面・押印・対面の抜本的な見直しでございます。 これにつきましては、先ほど藤井副大臣からも御言及がございました。河野大臣のリーダ ーシップにより、押印の原則廃止に向けた取組が目に見えて早まりました。誠に心強い限 りでございます。この成果を踏まえまして、書面に書いてありますように進めてまいりたいと思います。例えば、システム整備の費用対効果を懸念する声が各府省から寄せられて います。この点については、電子メールの活用など、簡便な形でオンラインが可能な手続 が多数あると考えています。また、システム構築の際には、立案、調査、システムの設計、 システム実装と、来年の3月から3年もかけて費やしてしまうのでは、これは国民の求め に応えることはできないと思っています。そういう意味では、各府省に対しましては、可 及的速やかなシステムの構築を追求するように迫っていくことも大事であると考えています。
 2つ目として、主要な手続のオンライン利用率を引き上げていきたいと思っています。 国民に実際に利用されるオンライン手続の構築が重要でございますが、件数の多い手続で あってもオンライン利用率が上がっていないものがございます。そこには、手続の簡素化 が不徹底であること、行き過ぎた本人確認がされていること、使い勝手の悪いシステムで あることなど、原因が必ずあると考えています。そこで、各府省に対して、数値目標を設 定し、課題を明らかにした上で、真に利用率を向上させるという取組を行うよう促してま いりたいと思います。
 2ページ目にまいりますが、最後の柱が、地方公共団体のデジタル化、オンライン化で ございます。自治体ごとに書式などがばらばらであることが事業者の負担となっておりま す。国が主導して、共通プラットフォームを整備し、デジタル化を前提に手続の標準化を 進めるように、具体的に書いてあるような作業を進めてまいりたいと思います。
 この資料1に基づきまして、御意見、御質問等があれば、御発言を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
 岩下代理、お願いいたします。

本人確認

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201012/gijiroku1012.pdf#page=4

岩下座長代理 お時間いただき、どうもありがとうございます。
 簡潔に、今回の3つの方針について、いずれも強く賛成するものであります。
 とりわけ、1番の書面・押印・対面の見直しについては、副大臣からも御発言がありま したとおり、それ自体が目的というよりは、それによる様々な国民生活の向上、行政の効 率化あるいは産業や業界の効率化に伴って国民生活が向上するということに資することが 期待できますので、これを強力に推進していくことが非常に大事だと思いますし、その場合は、ただ今座長からもお話のありましたとおり、行き過ぎた本人確認というか、別に本 人認証をきちんとやること自体は決して悪いことではないわけですが、むしろ、これまで、 例えば、婚姻届や離婚届のように、本人がちゃんと同意しているかどうかもよく分からな いままに受理していたような書面手続はいっぱいあったわけで、そういうところからもう ちょっとちゃんと本人を確認した方がいいのではないかという議論は、もしかしたら、む しろこれから持ち上がってくるのかもしれませんが、一般論として言うと、今、世の中で 電子メールを送るときに一々電子署名つきのメールを送ってはいなくて、それでも事務が 進んでいるのと同じような水準で、申請手続も進んでいくということが当然に期待できる ことでもありますし、そういうふうに変わっていけばいいと思います。
 私は、2点目について賛成でありまして、賛成なのですが、1点だけちょっと注意を要 するのは、プラットフォームを国が統一的に整備という部分について、具体的にどこまで を、当グループ、あるいは、もっと言うと、このデジタルガバメントのスコープとして考 えるのかというところについては、自治体によって様々な希望があると思います。例えば、 全部国にお任せしたいという中小自治体もあるでしょうし、これまでやってきたことをベ ースに何がしかの標準化だけにとどめたいという方もいるでしょうし、そういう部分につ いてのメッセージ性をどのように打ち出していくかについては、今後、若干アクセントの 置き方に注意が必要かなと思います。そこについては、ある程度可変的なものであるとい うことを前提にお話しすることが、この部分については、ちょっと慎重な取扱いですけれども、必要かもしれません。
 私からは、以上です。

士業がオンライン利用率を上げること

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201012/gijiroku1012.pdf#page=12

岩下座長代理 (略)
 ただ、私がちょっとだけ気になるのは、果たして全ての取引がオンライン化率100%をどういうタイミングで求めるべきものなのだろうかと。例えば、今すぐ100%に上げるのが望ましいものなのか、これはできるだけ早く100%に上げた方がいい、これはそうでもないか なというものが、政府全体の目的としては多分いろいろあって、片や、各府省庁的には上げやすいみたいなものがあって、例えば、士業に任せるものなどは上げやすいのですよ。 だから、士業にお願いしますということでやると、士業は一生懸命オンライン化をしますから、それの結果、オンライン率が上がったとしても、もしかしたらそれは国民からする とそんなにうれしくないものなのかもしれないという感じがします。その意味では、最終的にこれで進めることはいいとして、デジタルガバメントのあるべき姿として、最終的に どうなっているのがいいのかという我々自身のPDCAというべきものでしょうか、それを考える必要があるかなという感じがします。
(略)

第2回(R2-10-28)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201028/agenda.html

GISとUI/UXとLGWAN

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201028/gijiroku1028.pdf#page=8

岩下座長代理 ありがとうございます。
 岩下から、3点、簡潔に質問させていただきます。
 最初に、先ほど信夫審議官からベースレジストリという言葉が出てまいりました。これは非常に大事な概念だと思います。各自治体ベースでGISの構築をやってから、かれこれ十数年になると思いますが、それらが有効に活用されているという話を寡聞にして聞きませんので、農地のみならず、様々な部分においてこのGISの情報をもっと活用していくべきだ と思いますし、そのためには、先ほども御説明があったとおり、何度も情報を取るのではなくて、きちんとした政府の所管するベースレジストリとして整備していくべきだと思いますが、そうはいっても当面はないので、その間はどうされますかというのが質問の第1点です。その間、先ほどの50センチの資料のかなりの部分は土地利用関係で、地図とかの図面が入っていそうな感じがするのですけれども、GISがあるからそれを変えますと当面は言えないはずなので、そうすると、50センチが40センチぐらいになるのかなという感じもしてしまうのですけれども、そうではなくて50センチを本当に0センチにするためにはどうすればいいのかということと、逆に、当面こういう方法によってまだベースレジストリがない状態でどうするかということについてお教えいただきたい。
 もう一つは、UI/UXの改善がお話にありました。私は、農業関係のIT化については随分昔 から取り組んでいるのですけれども、そういうものに積極的な農家の長男坊が自宅でパソ コンをやっていたところ、農協の協会長であったおやじさんから怒られてパソコンを田ん ぼに投げ捨てられたという逸話を聞いたことがあります。それぐらいIT大嫌いな人たちだ と。この話自体は10年ほど前の実話でございますので、それは決してオーバーなことを言 っているわけではないのですが、その状態でスマホのUI/UXを改善したことによってエン ドユーザーがそれについてきてくれるだろうかというのは、率直に不安であります。これ についての方針、見通しについて、お教えいただきたい。
 3点目は、先ほどLGWANをお使いになるという話で、これは確かに自治体の気持ちは分か るのですけれども、インターネットを使っていかなければいけないというのもよく分かり ます。信夫審議官は、サイバーセキュリティーの御担当だというお話ですので、一方で、 当然インターネットを使うとなればサイバーセキュリティーの問題について相当深刻な対 応を取らなければいけない。方々、エンドユーザーのリテラシーが低い。そういう中で、 どうやってインターネットを使った上でのサイバーセキュリティーを確保していくのかと いう点についての方策をお聞かせいただきたい。
 以上、3点でございます。どうぞよろしくお願いします。

交通規制情報の提供

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201028/gijiroku1028.pdf#page=22

中林専門委員 これは、前段の農水省のベースレジストリにもつながる話で、グーグルマップにも関連すると思うのですけれども、交通規制の情報は、受付だけではなくて、それを実際にカーナビとかに提供したり、そういったところにも応用できると思いますので、 オンライン化されるに当たってデータの持ち方とかため方を是非御検討いただきたいとい うのと、やはり国としてベースレジストリみたいな地図の情報や道路情報も含めてベースのものを持った上で、各府省庁がそれを利用できるというところも多分改めて考えなけれ ばいけないかなと思いますので、繰り返しになりますけれども、そういったところを、警察庁の方と、国として、規制改革推進会議を通じていろいろな共通化という働きは改めて 重要だと思いますので、意見として述べさせていただきます。
 以上です。

第3回(R2.11.17)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/agenda.html

電子契約と立会人型電子署名サービス利用のために法改正は必要なのか

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=3

河野大臣 (略)
テレワークの推進、あるいは行政における押印の見直しを進めてきておりますが、この契約事務を効率よく実施するためのツールとして、次は電子契約をしっかりやっていかないといけないと思います。今度の押印の見直しでも、例えば印鑑証明や登録印は残すこと になりましたが、電子契約をやはりしっかりとやっていくというのがこの次の段階なのだろうと思います。
 令和元年度、電子入札が可能な案件、3万1000件あったそうですが、そのうち319件が実際に国の調達における電子契約。割合で1%ちょっとと極めて低い水準になっております。 近年、利便性の高さから立会人型あるいはクラウド型と呼ばれる電子署名サービスを利用した電子契約が民間で広がっております。この電子署名サービスは国、自治体でも当然使いたいということなのだと思いますが、この契約手続に関する電子署名法や地方自治法の規定がこの立会人型の電子署名サービスに対応しているかどうかが曖昧で利用に踏み切れないというふうに言われております。
 これは、菅内閣として一生懸命規制改革をやろうという中で極めて大きな障害になっていると言わざるを得ませんので、これを管轄する総務省その他が、きちんと明確にするか、あるいは次の通常国会で明確にするための法改正をするか、いずれかをやっていただかな ければなりません。
 今回、法改正が必要なのかどうかを明確にしていただいて、利用がちゃんと進むように 御判断をいただきたいと思います。生産性の高い社会になるようにスピード感を持ってや っていかなければいけないと思いますので、この曖昧さを改革できないなら、次の通常国 会できちんとやる準備を今日からでも始めてもらわないといけないと思います。どうぞよろしくお願いします。

地方自治体ではクラウド型電子署名を使えない

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=6

東京都(宮坂副知事) (略)  そういった中で地方自治体、国は今、強力にクラウドバイデフォルト宣言で進めていますけれども、正直、私の解釈不足かもしれませんけれども、地方団体ではまだクラウドバイデフォルトを本当にどこまでやっていいのか、ちょっとまだ曖昧なのかなという認識をしております。絶対にやってはいけないというわけでもないけれども、どんどんやれというわけでもないような感じがしていまして、ここがクリアになるとすごくいいのかなと。
 場合によっては一部、法律に引っかかってしまっているところもありますので、とにかく クラウドバイデフォルトは日本中でやろうという力強い方針が出ると、かなり物事が進む のではないかなと思っております。
 特に、今日の大きな論点であるクラウド型の電子署名については、法令等で認められていない状態になっておりますので、ここはぜひ地方自治法の施行規則の方で電子契約に求められていない電子署名要件が限定されておりますので、ぜひここの改善があるとありが たいなと思っています。
 これがないと何が起きるかというと、都としても「はんこレス」をやろうとかやってい るのですけれども、全部スクラッチで電子契約のサービスをつくることになります。これは本当にお金ももったいないですし、本当にすばらしいUIができるか正直、自信のないところもありますので、ぜひ使えるといいなと思っています。

地方自治体においてどの立会人型電子契約サービスが利用可能なのかが分からない現状にある

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=8

茨城県(菊池参事) (略)  また、中段の右側の※にありますように、2020年7月17日付での3省連名のQ&Aで、民間 での契約において立会人型が法的に認められて以降、普及の流れは加速化しております。 茨城県がこの立会人型の導入を進めるにあたりまして、2つの法令上の課題に突き当たりました。1つは地方自治法の関係、もう1つは電子署名法の関係でございます。
 おめくりいただきまして2ページ目、1つ目は説明資料2にありますように、立会人型電子契約サービスの利用が地方自治法上認められているのか不明確であるという現状にあることです。具体的には、中段囲みの(参考)にありますように、地方自治法の条文中に 赤字の「契約の相手方とともに」という規定がありまして、契約の当事者双方が電子署名 を行う当事者型しか認めていないと解釈でき、新たに登場してきた立会人型を認めていないおそれがありまして、地方自治体において利用に踏み切れない現状にあります。
 このため、茨城県では立会人型が地方自治体でも利用が可能となるように、地方自治法 234条5項に関連する解釈を明確化し、地方自治体に対して通知や立会人型電子契約を認 めるQ&Aをホームページ等で公表すること、または法令の改正を国に要望しているところでございます。 2つ目は3ページ目、説明資料3にありますように、電子署名法第2条の要件を満たし た電子署名が明確でないために、地方自治体においてどの立会人型電子契約サービスが利用可能なのかが分からない現状にあります。
 囲みにございます(参考)右側の地方自治法施行規則の条文中に赤字で記載しております「2 その他総務大臣が定める電子証明書」と書かれている部分がございますが、例えばその下のピンクの枠内、詳しくは5ページ目、参考資料2にありますように、法務省が商業・法人登記のオンライン申請のホームページにおきまして、利用可能な民間の電子証明を公表しておりますように、どの立会人型電子契約サービスの電子署名であれば利用可能なのか、告示等で明確にしていただきたいと考えているところでございます。
 説明は以上でございます。

通知を出すか法令的に難しいなら法改正の準備を進めてください

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=9

河野大臣 すみません。途中で国会に行かなければいけないもので失礼しますが、今のお話を伺っている限り、割と問題は簡単で、総務省が地方自治法の解釈を明確にするか、あるいは法改正が必要なら法改正をしてもらえばいいだけの話だと思いますので、総務省、11月の終わりまでにこの明確化はできるでしょう。
 今月中にも明確に何らかの形で通知を出すなりホームページでその旨をはっきりするなりやっていただいて、いやいや法令的に難しいと言うなら、通常国会の法改正をやりますということを今月中にもはっきり言ってもらって法改正の準備を進めてください。
 行政の押印の見直しをやった1つの趣旨は、電子契約の推進というところにあるわけで、 そのことをみんな政府共通認識でやっているわけですから、総務省がこのデジタルトランスフォーメーションを止めているということにならないよう、待ったなしでやってください。

クラウド型は肯定的に理解されている

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=26

髙橋座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等がございましたら、お願いしたいと思います。
 まずは整理の関係で、財務省から御質問を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
 すみません。では、私の方から。前向きに御対応いただけると拝聴したのですが、そうしますと、基本的にはクラウド型電子署名サービスが可能になるような形、ある種の要件 は満たしたという話だと思います。ただ、そのようなものが可能になるだけではなくて、 電子メールでのやり取りも可能になるということでよろしいでしょうか。
財務省(森田課長) 先ほどの御説明の最後の部分ですけれども、請書などについては 業者から一方的に受ければいいものでございますので、GEPSのようなシステム、あるいは クラウド型の契約サービスのようなものにすら載せる必要はないということで、メールのようなものを可能にするという形に今回併せて措置をしたいと考えてございます。
髙橋座長 すみません。そうすると、請書だけでしょうか。
財務省(森田課長) 契約書本体につきましては、現在はGEPSに限っている現行の法令を通常のクラウド型のサービスでの電子契約をもってそれの活用でできるような形にするという改正を考えてございます。
髙橋座長 すみません。そうすると、要件はどんなものを考えていますか。一般的なクラウド型署名サービスなら大丈夫みたいな形でお考えでしょうか。
財務省(森田課長) 先ほど御覧いただいた条文ですけれども、28条の2項に総務省に設置されている端末と業者側の端末がネット空間でということを限定的に書いてございますけれども、いわゆるネット空間で結ばれるようなものであればいいという形に簡素に書くことによって、基本的にクラウド型のようなものが読めるようになるということを考えております。
髙橋座長 どうもありがとうございました。 では、もう1点だけ、いろいろなクラウド型サービスがあるというお話があるのです。
 例えば2条1項の電子署名についてはかなり厳しい要件なのですが、今言ったように、金額によっては請書だけ済ませている契約もある。そういう意味では、2条1項に厳密には満たないようなものでも、例えば契約金額が低ければ可能になるということのお考えもあ りますでしょうか。その辺について、お考えを頂戴したいと思います。
財務省(森田課長) 2点ほどあると思いまして、現在、契約書の作成義務、御覧いただいた条文の後ろに契約書を作成しなくてもいいという場合が各省庁の方に委ねられている部分がございます。正にそういったものが少額のような場合がございますので、その場合は元々契約書の作成義務がないので、契約書の作成に代えてというオンライン化に進む必要もないという世界があるということが1点。
 2点目は、現行のQ&Aが出てからの我々の検討ですけれども、いわゆる立会型のようなサ ービスであっても電子署名がなされているというふうに、2条の電子署名に当たるということについてQ&Aでかなり具体的に示されたことをもちまして、そうであればそういったクラウド型のサービスも問題ないだろうという思考回路でございますので、現在のまずは 1歩目の見直しとしては、クラウド型のサービスも電子署名法上の2条の電子署名を満た すことを踏まえて、そういったものも取り込めるような規則改正を行うということでございます。

電子署名を使わないという選択肢もあるのではないか

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=28

岩下座長代理 岩下でございます。
 財務省さん、大変前向きな、クラウド型の電子署名サービスを利用可能にするような改正を御検討くださっているということで、これ自体はとてもいいことかと思います。
 ちょっとそもそも論になってしまうのですけれども、私は実は今の電子署名法をつくるときの議論からいろいろと関与していまして、例えば今の電子署名法上の、特に政府が利用する場合は電子署名アルゴリズムに何を使うかということ、CRYPTRECという総務省と経産省の共同で設置した委員会で技術評価を行って、大変精緻な評価書を書いた上で認定しているという実態があります。一応、私はそのCRYPTRECの創立メンバーの一人で、10年間 やりましたので、ある意味では電子署名のセキュリティーとか、なぜ電子署名を使うかと いうことについてはかなりのこだわりがあります。
 そういう視点で見させていただくと、今回の会計法の29条の8の中に記名押印をしなけ ればならないと書いてあることと、その後の説明というのがあまり合っていない感じがするのです。記名押印を何のために求めていたのかというのは多分、過去の取引の実務の実 態だと思うのです。世の中でみんな契約書というのは記名押印するものだということだっ たと思うのですけれども、ただ、今の世の中においても本当にそれはそうなのかというの は、最近はもう民民の取引だと記名押印はしなくなってきていますね。にもかかわらず会計法には記名押印と書いてある。だから、何かしなくてはいけないということでいろいろと皆さんが苦労されているのだと思うのですけれども、そもそも、この記名押印ということ自体が様々な行政の非効率、ひいては例えば財政資金が無駄な目的で浪費されるという ことにつながって、財務省さんにとっても大変マイナスかと思うので、そこのルールを変えることというのはできないのでしょうかというのが、ちょっと私がそもそも根源的にお聞きしたいことです。
 というのは、どうしてかと言うと、この49条の2とかそれに基づく取扱規則の改正の話 を聞けば聞くほど、要するに本来、電子署名の求めている相手認証、否認防止、それから、 真正性の担保といった目的をあまり考えていないみたいに見えるので、だったら、電子署 名を使う必要などないではないかというふうに私には見えるのですが、これは本当に電子 署名を使う必要はあるのですか。
 すみません。私の質問は以上です。
高橋座長 財務省、いかがでしょう。
財務省(森田課長) 29条の8の正に2項ですけれども、今回こういった議論がありましたので、我々も遡って29条の8の2項の創設の趣旨なるものをいろいろ確認してはみたのですけれども、正に実務の慣行によるところがかなり大きいのかなと思っています。したがって、今般のような形でコロナ後の社会のオンライン化に向けてデジタル化を見直していくと、ともすると、原則とデジタル化した後の規制の強さが若干ねじれてくるような 話がございまして、その辺りがあるものですから、岩下先生も正に違和感を持たれたと思うところがございます。
 さはさりながら、歴史的に元々実務があって契約書に実印をこれは押しているような実態がございますので、その実務、今回の取りあえずの現時点で考えているターゲットは、 規則をまずはクラウド型の契約サービスを読めるようにするということがまず一義的には直面する課題ですが、先ほど総務省さんからも御説明がございましたように、自治法の方にも同じような規定がございますので、総務省などとも、ちょっとこういったところの、そもそもの見直しのようなことができるだろうかというところも視野には入れて、また、裁判手続のことに実務上絡んだことがあったのかどうかみたいなことは、場合によっては 法務省さんのサポートも頂きながら、少し、今日御指摘も頂きましたので、検討させていただければと思います。

EUで使えるの?国際的な整合性を診たほうがいい

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=31

総務省(田原統括官) 総務省でございます。
 電子署名法の所管省庁、3省庁で整理しているわけでございますけれども、基本的に電 子署名はいろいろなケースで使われるということがございますが、私どもとしてはこの電 子署名を含めてトラストサービス、資料も配らせていただいていますけれども、電子政府 あるいは政府全体のデータ戦略という中でトラストサービスの位置づけを整理していくと いう議論で進んでいると認識しております。そういった議論の中で、国際的な整合性も含 めて、いろいろ日本としてのトラストサービスはどういうものにすべきなのかということ を検討していくべきだという議論で進んでいると理解しております。
 そうする中ですけれども、こういったクラウド型の電子署名、利便性というのは非常に いいというのは私どもも認識しているところでございますけれども、それが電子署名法上 の署名であるべきなのか。先ほど財務省さんのところの議論もありましたけれども、そこ までいかなくても必要な何か保証をするというサービスに活用するという意味でこういっ たものはどんどん使われてもいいのかもしれませんけれども、きちんとした制度を考える ときにはやはり国際整合性を見た方がいい。そのときにこういうクラウド型サービス、多分、EUで言うとこういうサービスは多分使えないという形になりますので、そういったところとの整合性も気にしながら検討していくべきものだと考えています。
 以上です。

文書の真正な成立の推定

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=32

法務省(堂薗審議官) 法務省の堂薗でございます。
 御質問の点でございますが、まず電子署名法の2条あるいは3条についての解釈、これは所管省庁でできるだけ疑義が生じないように明確にすることは必要だろうと考えておりまして、そういった観点からQ&Aなどをつくらせていただいたところでございます。
 ただ、最終的な当てはめ、一定の解釈を前提として個別の事案にそれが当てはまるのか どうかというところにつきましては、基本的には個別の事案ごとにそれぞれの事情を総合的に考慮して裁判所の方で判断をするところがございますので、その当てはめも含めて明 確にすることにつきましては、なかなか難しい点もあろうかと考えているところでございます。
 それから、民事訴訟法228条4項につきましては、基本的にはこの条文の趣旨が、裁判所に証拠として提出するもの、例えば書証であれば、その書証がある特定の人の認識などを書いたものだということは当然、証拠を提出する人が証明をしなければいけないわけですが、書面全体について、この特定の人の認識が書かれたものだというのを立証するのは難しいところがあるので、その立証の負担を軽減する観点から署名または押印があれば全体としてその人の認識が表れているものとして推定することとされているところがございます。
 これにつきまして、何かほかにそういった立証の負担を軽減するような方策があるというのであれば検討の余地があるのだろうと思いますが、現時点では、この規定による立証の負担の軽減が必要ではないかと考えているところでございます。いずれにしても、現行 の規定の解釈の明確化には引き続き努めてまいりたいと考えているところでございます。
 私からは以上です。

弱くてもいいというものを選ぶのは何か変な感じがする

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201117/gijiroku1117.pdf#page=34

岩下座長代理 何度もすみません。手短にですね。
 基本的に電子署名法の2条というのは定義規定なので、電子署名である以上、電子署名 法2条に該当するかしないかという議論はあまり意味がないような気が僕はするのですが、ただ、そうは言っても一応、本人がと書いてあるので、そこについて何がしかのセキュリティーを担保するようなものであってほしいという希望は僕も持っていますから、そういうために何がしかのリストアップをすること自体は、もう既に事実上リストアップ的なことはされているように私は思っていますし、それはやられるとよいのではないかと思いますが、ただ、私自身すごく違和感があるのは、電子署名アルゴリズムの選定を20年前にし たときに、その後も政令改正のたびにCRYPTRECに確認をしているはずですが、そのたびに 都度、RSA暗号の強度がどうとかという話を物すごい学者の力を使って一生懸命分析する 割に、これについては各社がどんな仕様をしているのかということすら検討していないような気がするのです。
 それは所詮が2条だからいいのだということなのかもしれないし、あるいはそもそも判子の代わりなので、それは別に改ざんの検知であるとか本人認証などはなくていいということなのかもしれないのだけれども、だったら要件の方を変えるべきだし、弱くてもいいというものを選ぶのは何か変な感じがするので、強いか弱いかという表現も適当ではないかもしれませんけれども、本当に適切なものなのかどうなのかということは何かの形で誰かが見た方が、使うのだったらやはりいいような気がするのです。一応、これも電子政府 というか、デジタルガバメントは国の一部ですから。
 すみません。そういうコメントでした。以上です。

第4回(R2-11-24)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201124/agenda.html

国家資格等管理システム

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201124/gijiroku1124.pdf#page=4

○内閣官房(奥田情報通信技術(IT)総合戦略室参事官) 内閣官房IT室奥田でございます。
 私から「国家資格等管理システム」の基本イメージを説明させていただきます。
 先ほど厚労省から説明があったように、基本的なコンセプトは同じでございます。ただ、 厚労省の資格だけではなくて、大体300の国家資格がございますので、一元的な管理システムを構築して、それを運用していただこうと思っています。その点、データの方は資格の 管理者ごとにそれぞれ管理していただくことになりますが、そのデータベースなどもクラ ウド上に構築した上で、運用・管理が簡易な形で、効率的にできるような形で考えております。
 システムについては、先ほども厚労省からあったように、マイナポータルを介して申請・ 紹介、データの受送信、添付書類・手続の撤廃といったことをマイナンバーを活用した形 で実現したいと思っております。ただ、資格については、厚労省についてはマイナンバー 活用業務となってございますので、マイナンバーを活用する方向で考えておりますが、資格によって、マイナンバーの業務範囲外のものがございます。こちらについては、住基システムと直接連携しながら、マイナンバーを介さない形でも連携が可能ではないかという ことで、そういった方向でも検討してございます。
 そういった形で整理をしつつ、先ほどありました番号法とか住基法、また、個別の資格 法の改正を踏まえながら、まずは厚労省の31資格を先行的にやらせていただいて、視野としては300の資格を目指してやっていきたいと思っております。
 また、資格証のデジタル化も念頭に置きながら、マイナンバーカードをスマホにかざし て、スマホで資格証を出すというようなこともAPI連携でできないかということも検討し ながら進めていっております。先ほど申しましたように、31資格についても、令和6年度 のシステムの運用開始に間に合えば追加しながら、300の資格についてどんどん拡充をし ながらやっていきたいと思っています。
 繰り返しになりますけれども、資格管理をそれぞれの資格ごとにつくるのではなくて、 一元的なシステムをつくって、データを管理しながらやっていければということで、厚労 省のものを先行しながら今検討しているというところでございます。法改正もございます ので、令和6年度の開始を目指して、今準備を進めているところでございます。
 簡単でございますが、以上となります。

なりすましの防止

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201124/gijiroku1124.pdf#page=9

岩下座長代理 手短にですね。 厚生労働省の資料には、マイナンバーとの連携という表現が何度か出てきます。すなわち、マイナンバーを各資格取得者の方に登録していただいて、どのマイナンバーの方がどういう資格を持っているということをデータベース化するというか、見えるマイナンバー ということですよね。
 これに対して、どうも内閣官房の方はマイナポータルを利用した情報の共有みたいな話 というか、例えばマイナポータルであれ、マイナンバーカードの中で使っている公的個人認証の仕組みを使えば、別にマイナンバーという見える番号を使わなくても、様々な形で の電子的な登録や証明ができるはずのように思うのですけれども、マイナンバーは必須ですか。これを付けるということは、特定個人情報なので、必然的に扱いが結構大変になるのかなというのが一つです。
 もう一つは、厚生労働省のサイトを見ますと、例えば医師については「医師等資格確認 検索」というサイトが既に稼働されておりますし、もともと偽の医師の資格証を利用して 云々という話があったかと思いますけれども、そのシステムとこの新しいシステムとの関 係はどうなるのかなという話と、もう一つは、先ほどの議論を聞いていて、デジタルだと コピーしやすいけれども、紙はコピーしにくくて安心という形の認識のような気がするの ですが、実質はむしろ紙で偽造されているケースが結構あるように私は思います。デジタ ルはちゃんと造れば偽造防止がちゃんとできますから、そこの部分をちゃんと造るという ことが大事な気がするのですけれども、そこに対する取組はどうなっているのか。
 以上の3点をよろしくお願いいたします。
髙橋座長 よろしくお願いします。
 まずは厚労省ですね。
○厚生労働省(度山大臣官房審議官(総合政策担当)) 今の御指摘ですが、まず、マイナンバーとの連携というのは、やや便宜的に言葉を使っています。実際にはマイナンバーそのもので情報を紐づけているのではないということは重々承知をした上で、いわゆるマイナンバーをキーにして、様々な情報を紐づけて連携が取れるようにしようということを、全体として表現しているとお考えいただければと思います。ただ、兎にも角にも、最初に資格を登録する時に、その人のマイナンバーも併せて登録いただくということは必要なのではないかと考えているところです。
 2つ目の医師の資格の検索システムですが、御指摘があったとおり、いわゆる医師への成り済ましのような行為が時々起こりますので、そういうことを防止する一つの方策として検討されているところでございます。 病院などで医師を雇用する時には、免許証の原本を持ってきていただいて、その他に例えば戸籍とか住民票とか、いわゆる本人でないとなかなか容易には取得できないものを併せて取っていただいて本人確認をしなさいとしているので、それがきちんと行われていればかなりの確率で防げるだろうとは思いますが、医師の成り済まし行為はいろいろな面で影響が大きいので、二重にも三重にも防波線として、その人が本当に医師資格を持っているのかというのをサイト上で確認できるようにと構築しているというものです。
 医師の資格の確認が今回の仕組みを通すことで、例えば電子情報として提供できるよう にするということであったとしても、何重かの確認のうちの一つの手段ということで、検索できる仕組みを整備しておくということは必要なのではないかと考えてございます。
 3つ目の紙の偽造は御指摘のとおり、実際に医師の成り済ましケースは幾つかの方法がありますけれども、その中には、他人に成り済ますというのもあるのですけれども、自分が免許証を偽造した上で医師であるということを詐称するというケースもございます。これらを防止するために、確認手段の取れる、できるだけ真正な情報をきちんと得ることの できる環境整備をすることが必要かと思っております。
 ただ、マイナンバーカードとか取得したマイナンバーの自己情報ということに関して言えば、本人確認はかなり厳重に行われると思っておりますので、成り済ましの防止ということに関しては寄与するのではないかと考えているところです。
 以上です。

マイナンバー登録の強制

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201124/gijiroku1124.pdf#page=12

髙橋座長 この点に関して、例えば5年の経過措置で、どこかで既存の方にも登録してもらうみたいなものは駄目なのでしょうか。
○厚生労働省(度山大臣官房審議官(総合政策担当)) どうやって全員の登録を担保するかということになりますので、マイナンバーを登録しなかったからといって、例えば資格を剥奪してしまうみたいなことが現実的かというと、そこまでは非現実的かなというのが現段階における我々の整理であります。
髙橋座長 資格の剥奪は難しいと思いますけれども、例えば過料とかです。
○厚生労働省(度山大臣官房審議官(総合政策担当)) マイナンバーを登録しなかったからといって、何か刑事罰や行政罰がある仕組みは、たしか今はなかったと思うのです。
髙橋座長 分かりました。
 そこはよく御検討ください。
○厚生労働省(度山大臣官房審議官(総合政策担当)) はい。

資格証のデジタル化

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201124/gijiroku1124.pdf#page=12

髙橋座長 あともう1点、偽造の話は住民票と一緒で、免許証は原本の写しの位置づけにしてしまう。要するに求める人だけ免許証の写しを交付するという仕組みでは駄目なのでしょうか。紙が残ってしまうと、それがまた民間で流通してという話になる。このような資格は戸籍と一緒で、要するにシステムに入っていて、それが資格証である。写しの交付が必要な人だけそれの写しを交付する。先ほどチップに入れることを考えていないとおっしゃったのですが、例えばチップに入れ、写しを変造困難な形で電子的に入れれば偽造がないのではないかと思うのですけれども、そういうことは無理なのでしょうか。
○厚生労働省(度山大臣官房審議官(総合政策担当)) これは世の中のデジタル化がどこまで進むかということによると思うのですけれども、今の段階では、紙の免許証は紙の免許証で色々な用途があるものですから、今の検討は、基本的には免許証は発行するけれども、今、免許証を使っている様々な機会の中で、基本的にはデジタルで対応できるという形を取ることによって、事実上、紙の免許証を使う機会を現実的に減らしていって、今、先生がおっしゃったことをどうするかというのは、次のステップの課題と整理した方がいろいろな関係者の理解も得られやすいのかなというのが1点です。
 もう一つは、資格によってはちゃんと資格を持っているのだということを提示しなければいけない局面があったりもするということで、もちろんデジタルで対応できるということもあるかもしれませんが、局面として例えば非常時、緊急時、あるいは災害のように通信が遮断した場合においてみたいなこともあり得ると考えると、現時点の整理としては、一応、紙の免許証を出すのは出すとした方が現実的かなということが、今の段階の我々の考えであります。
髙橋座長 よく御検討ください。
 紙が残ると、なかなか徹底しないので、要するに紙の写しの交付を求めた人はその紙を出せばよくて、現状の紙の免許証の効力も否定する必要はない。そういう意味では、これからはデジタルの情報が原則ですと変えていただいた方が、このシステムが円滑に稼働するのではないかと私は思います。その辺はよくお考えください。
 あと、IT室にお聞きします。令和6年度までには300を目指していただくということでよろしいでしょうか。
○内閣官房(奥田情報通信技術(IT)総合戦略室参事官) 300がここに入るような形で目指して進めていきたいと思っています。
 また、先ほどの資格証ですけれども、厚労省とも相談ですが、私どもの考え方は、なるべく必要な人が紙を打ち出すという方向でシステムなんかを構築していきたいと思っていますし、考え方もそういった形で整理できればと思っております。
 当然、紙がメインというところはまだしばらく残るとは思いますけれども、方向性としてはデジタルがメインで、資格証についても必要な方が打ち出して、貼っておくのだったら貼っておくという形で、必須の交付ではなくて、必要な方々が取っていくという形はありかと思っていますので、そんな形で検討したいと思っております。

資格証のデジタル化に伴うマイナンバー法の改正

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201124/gijiroku1124.pdf#page=13

髙橋座長 心強い御説明をどうもありがとうございました。
ほかの方はいかがでしょう。まだ若干時間が残っておりますが、残る論点がありましたら、御指摘を頂戴したいと思います。
では、厚労省、来年度の通常国会にはマイナンバー法等の改正案を御提出いただけるということでよろしいでしょうか。
○厚生労働省(度山大臣官房審議官(総合政策担当)) マイナンバー法は内閣官房の方になりますけれども、最低限やらなければいけないのは、番号法を改正して、この関係の事務にはマイナンバーでの情報連携ができるという根拠づけをしなければいけないということと、様々な諸手続上で、各資格法の手続上で見直さなければいけないものがありますので、それらを併せて法改正という形で対応することを考えてございます。
髙橋座長 では、次期通常国会ということでよろしいですね。
○厚生労働省(度山大臣官房審議官(総合政策担当)) はい。

第5回(R3-01-20)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210120/agenda.html

利用者が窓口に来ない仕組み

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210120/gijiroku0120.pdf#page=17

髙橋座長 どうもありがとうございました。
 すみません。あと5分なので、私のほうから最後に追加でお願いしたいことがあります。 1つは利用者と言うとこの場合、最終的に申請するのは保護者なので、保護者のニーズも きちんと取ってシステム化の設計をしていただかないと困ります。先ほどのご説明では保 護者という言葉が1個も出てこなかったので、保護者がぴったりサービスを使いたくなる ようなシステム上の障害は何かを問題にして下さい。
 例えば、実際上、窓口に行って色々聞きたいという人はいっぱいいると私は思うのです。 そして、窓口で色々聞いたら、もうそこで申請書を出してしまえばそれで済むという人が 多いと思います。したがって、そこは、しっかりした相談システム、民間がやっているよ うなチャットボットとか、テレビ電話で相談できるような機能とか、そういうシステム構 築を自治体とよく相談して、あと保護者に聞いて制度設計していただいて、使えるシステムにしていただきたいということがお願いです。
 それから、最終的には電子でやり取りできるところを目指していらっしゃると思うのですが、先ほどの子ども・子育て本部に対しての説明は将来的にはという表現がパワーポイ ントでは使われていました。ただし、そういうシステムを構築することについては2025年 までに実施していただけるということでよろしいのですよね。それが第2点だということ になります。
 その辺、まだ色々とお聞きしたいこといっぱいあったのですが、時間の関係上、もう最 後ということなので、追加で事務局を通じてお願いすることがありますので、それについ ては文書で回答してください。
 今の点についてだけ、簡潔に御回答いただいておしまいにしたいと思います。
 よろしくお願いします。

第6回(R3-02-02)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210202/agenda.html

内外の視点から見た行政手続のオンライン利用促進における課題

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210202/gijiroku0202.pdf#page=2

林専門委員 では、進めさせていただきます。林達也と申します。よろしくお願いいたします。
 今回はこのタイトルで、10分という中でかなり詰め込みなので駆け足になってしまいますが、お話しさせていただければと思います。
 プロフィール等は流用なので端的になのですけれども、テック系のセキュリティーやデ ータ解析のスタートアップに在籍させていただいております。もともとレピダムというR&Dの会社を創業してやっておりました。現在、経済産業省の情報プロジェクト室でデジタル化推進マネージャーという役職を非常勤で週2日ほどやらせていただいております。また、慶應義塾大学のほうで社会人博士課程、あとは研究所のリサーチャーをさせていただいております。委員等、本WGも含め幾つかさせていただいたり、また、いわゆるコミュニティーワークというところもやらせていただいております。
 この辺は割愛させていただいて、今回経営者としての視点、もう一つは専門家・コンサルタント、こちらはITシステムやID、認証・認可、セキュリティー、プライバシーですね。 あとはソフトウエアのエンジニアとしていわゆる学術研究、私のテーマはトラストというものなのですけれども、それですとか、国際標準化をずっとやっておりましたのでインタ ーネットの国際標準といった視点と、公務員として官公庁の内側でデジタル化推進マネージャーというお仕事、あとはこちらの専門委員ですとか、何より一市民としての視点で今 回5回ほど参加させていただいた中で感じたこと、課題感を御共有させていただければと 思います。
 私の認識なのですけれども、本WGの前提と課題、有用性と範囲というところがあると思 っているのですが、前提としましては、やはり規制改革推進会議はトップダウンの「強い 指示」ができるというのが非常に重要な項目かと思っております。これはベースラインを 割ったある意味「ひどい」ものを改革するところが目的なのではないかと認識しておりま して、うまくいっているものに改革は不要でしょうというところも含めて、ですから、このワーキング・グループがあるということは、デジタルガバメントは「イケてない」とい うことは何となく分かるところでございます。
 有効性として、例えば「押印廃止」や「エンド・ツー・エンドデジタル化」みたいな形 のものは非常にトップダウンでの「最低限のこと」を「効率的に」「短期的に」推進する ための手段として有効なのではないかと感じております。まずそれをやれば確実に総体で はベターになるというアプローチだと認識しています。
 一方で、ここには課題もあるかと思っておりまして、取組の煮え切らなさみたいなもの もあって、令和5年や令和6年の話を今しているのですけれども、ITの分野の速度感で言 うと非常に遠い話でなかなか難しいと。もう一つは、現状がひどいということがあえてあ る前提で言いますと、短期的な解にフォーカスしていますが、長期的にはこれは理想的な ものではないかもしれない、間違った方向に行ってしまう可能性があるかもしれないとい う認識がございます。
 端的に言いまして、もうほぼここが要点なのですが「ひどいと言われたから直す...」と いうマインドセットから「最高のサービスを提供しよう!」というものに至るギャップを どうしたら超えられるかということが課題になるのかと思います。
 これは内部の話、しかも本来規制改革推進会議から叱られる側のポジションで大変恐縮 なのですけれども、経産省情プロ室の取組も御紹介させていただきたいと。民間から「デ ジタル化推進マネージャー」というものを人材としてプールしています。1月末で12名だ と思います。経産省内外の取組をデジタル化、オンライン化、システム化してきておりま して、そのナレッジが「失敗も含めて」共有されています。分かりやすい何をやっている かの例なのですけれども、こちらのWGでも何度も御紹介いただいているGビズID、法人認 証基盤ですとか、Gビズフォームと言われる一般的な申請実務を可能な限り汎用的にカバ ーできるものですとか、GビズコネクトというAPI連携を内外で容易に行えるようなミド ルウエアの開発などをさせていただいております。
 それらの取組の知見を「Digital Service Playbook」という形でGitHubのほうで今公開 させていただいております。この中では、特にサービスデザインやBPRの部分は参考にして いただけるかと思っています。良し悪しあった「jGrants」という取組もあるのですけれど も、私が入ったときにはもう既にあったものなのですが、こちらの課題や反省点などもこ ちらのPlaybookに反映されています。
 このPlaybookのBPRの章は私もすごく参考になったのですけれども、「ECRS(イクルス)」 という考え方で、Eliminate(エリミネート)・排除、Combine(コンバイン)・結合、Rearrange (リアレンジ)・交換、Simplify(シンプリファイ)・簡素化といったことをBPRのプロセ スで考えるというところを参考にできればと思っています。
 こちらは既に共有されているお話ではありますけれども、BPRにおいて変えるべき考え 方の一例として、ここはすごく重要で、虚偽の申請を防ぐために各種証明書類を出してく ださいということがあるわけですけれども、それは本来は法に基づいて罰せられる内容なのです、なので、誓約だけを行ってくださいと。これはMAFFさんの事例ですごくよいなと 思って、省内でも展開させていただいたのですけれども、こういう例外処理(プロセス) のタイミングを制御することで、双方の不要な作業を削減するというのは、非常にBPRにお いては重要かと思っています。
 また、最近サービスですと、止まってはいけないがメンテナンスはしないといけないの で予告して定期的に止めますという話があって、e-Govさんなどが1週間止まったのが話 題になりましたけれども、本来であればパブリッククラウドですら最近は不定期に全世界 的にたまに落ちてしまうわけです。クラウドファーストと言っている我々においては、落 ちることを前提にして、問題の検出をなるべく早くやって、常にメンテナンスを可能にす る。そういったレジリエンスを高める行為、ツイッターは鯨を出すというのを昔やってい たのですけれども、こういうことができるようにならないと前に進みにくいのかなと思っ ています。
 事例をなるべくしゃべってくださいというお話だったのですけれども、なかなかまとめ づらいので、境界線はどこだったかということをまとめてみました。これは官民関係なく 経験上言えることなのですけれども、一緒に作成したベンダーに恵まれたかどうかという のは完全に間違いなく有効だったと思います。一緒にチームとして働けたものは成功しま した。あと、意思決定者に専門性に対するリスペクトがあったか。あると任せていただけ るのでアジリティが向上するということがございます。必要なリソースが分かって獲得で きていたか。分からないケースは結構あります。初期にちゃんと時間を使えたかというの は結構重要で、最初の頃は立ち上がりが遅かったりするのですけれども、ここでも計画を して素早く動けるかということと同じく、コミュニケーション密度を高くできたか。これ はベンダーさんと毎日のようにコミュニケーションして、最終的なトータルコストを抑え て、品質を向上するためのコミュニケーションを実現できたかというところは非常に大き いと思います。「運用」のことを考えて物をつくれたかというのも大きくて、これはサー ビスの継続性の問題みたいなところになってくるかと思います。
 官公庁のお仕事をさせていただいている中で、ベンダーコントロールというのは非常に 難しい問題だと感じています。多くの失敗システムは丸投げによるものだと断言していい かと思っています。運用も投げざるを得ないのですけれども、これが当たり前になってい るというのはサービスの提供という概念ではおかしいのです。さらに、ベンダーによいも のをつくるインセンティブがないことも問題で、ベンダーは納品すれば終わりですと。我々 はいいベンダーを選べませんし、いいベンダーは割が合わないから入札してくれないとい う悪いスパイラルになっている。もともとサービス開発は民間でもとても難しいもので、 これだけでビジネスになり得るものではありますから非常に難しいのですけれども、そこ でさらにつくりっ放しになりがちだったり、官公庁ではe-Taxのように時期の問題があっ て濃淡も出やすいので非常に難しいところがあると思います。これらを自分たちのシステ ムとして運用問題、運用していけるかというところが課題になると思うのですけれども、完全内製は難しいものの、ベンダーと毎日、サービスと毎日、毎週向き合えるかというと ころが一つ指標になるかと思っています。
 ユーザーエクスペリエンスを、一ユーザーの感性で使いやすさを確認できるかなのです けれども、いわゆる「バックオフィスシステム」というものに今回近いものもかなり多く あると思うのですが、これは省庁だけではなく民間もひどくて、競争原理がない選択肢が ない押しつけのシステムというのは、総じてひどくなると感じております。例えば組織内 の経費・旅費精算システムや法人向けインターネットバンキングなどは本当にひどいと。
 使ってみたかどうかということもよく問われるのですけれども、各委員からもこういう 質問が出ると思うのですが、試したら確かに分かるのですが、実際に省庁からAWS、Amazon Web Servicesですね。そこにアクセスできないみたいなことが起きているわけです。これ でレビューをちゃんとできているかと言われると、そもそもいいサービスかどうかを毎日 見ることすらなかなかできない状況で、これは非常に問題だと思います。
 ということも踏まえて、今、足りないものは何かということだと思うのですけれども、 トップダウンの政策はあると。そうであれば、ボトムアップの支援策が欲しいですね。こ れはレビューや仕様策定を支援したり、相談できる横串の窓口が欲しい。知見の共有、類 型化、ベストプラクティスとバッドプラクティスの共有、これも横串の連携みたいなもの ができるといいなと感じています。もし可能でしたら、これは勝手に思っていることです けれども、本WG主導で何か一つ、できれば一番困っていそうなものを成功事例にできれば よいのではないかと思います。
 特にAPIのデザインチェック・標準化レビューは実施するべきだと思っていて、これは CIO補佐官に相談したところ、依頼があればもちろんやるよと言っていただけているので、 私ももちろん含めてできるのではないかと思っています。
 もう一つ、無謬性を捨てていいかどうかというところが必ず出るのですけれども、先ほ ども落ちていいかいけないかみたいなものがあったのですが、オール・オア・ナッシング という考え方を捨てられるかどうかというのは非常に大きいと思います。問題は起きる前 提で物事を考えられるかということですね。特に金融システムみたいなグレードは必要が ないというところを意識できると、物をつくっていくことに対してすごく抵抗が下がるの ではないかと思っています。
 こちらはデジタル庁さんに担ってもらいたいものなのですけれども、この中、いろいろ ありますが、GitHubの禁止みたいなものも含めて起きないでほしいなということはありま すし、アーキテクチャ・プラットフォーム化への道はきっと彼らにバトンが渡されていく のではないかと思っています。
 こちら、まとめてみたのですけれども、全部は割愛するのですが、1点だけ、端的に言 って総体的に官公庁はベンダーになめられがちです。ですから、きちんとコミュニケーシ ョンすることが重要だと思います。ですから、人的・組織的・横断的な取組はデジタル庁 さんに行くのだろうと思っているのですけれども、システム、データ的な横断的な取組はAPI化・標準化の推進をできればと思いますし、長期的な取組のためにやるべきことという 意味では、課題の収集というものがまず今この瞬間少しずつできているので、これを進め ていければと思います。
 以上です。ありがとうございます。

窓口に事前の相談に来なければならないのは、その手続のシステムそのものがおかしい

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210202/gijiroku0202.pdf#page=13

河野大臣 遅くなりました。申し訳ございません。
 お忙しい中、ワーキング・グループに御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 政府のデジタルトランスフォーメーションの中の重要な一つが、わざわざ役所に行かな くても行政手続を行うことができる行政のデジタル化、オンライン化だと思います。一方 で、国がオンライン化しましたと言っている手続の中で、実際にオンラインで使われまし たという割合は5割ちょっとという調査結果もあります。登記や国税の一部などを除くと 利用率が低い手続もあります。オンライン化すればいいということではなくて、便利に使 っていただくことが大事なのだと思います。
 役所によっては、国民が窓口で相談をしたいからオンラインにしません、みたいな意見がありますが、そもそも窓口に事前の相談などに来なければいけないというのは、その手続のシステムそのものがおかしいと思っていただかなければいけません。今の手続をその ままオンラインに載せれば済むのではなくて、オンライン化するときにはこの手続の在り 方、もっと言えば、この手続は必要なのかというところまで遡ってシステムを組んでいた だかなければ使われるようなものにならないと思いますし、便利なものにならないと思い ます。窓口に事前の相談に来いというのは極めて利用者に大きな負担を強いるもので、こ れを何とかするというのがこのオンライン化の目的の一つでもありますので、対面は当然 だという考え方は抜本的に改めて、利便性を高めるデジタル化を早急にやっていただきた いと思っております。
 利用者、消費者の目線で見て、利便性が高いオンライン手続ができるように、また、個 人の場合にはマイナポータルでしっかりと個人認証ができる、IDやパスワードが数多く必要とされることがないように、消費者目線で使いやすい、利便性の高いオンライン手続が できるようにしていただきたいと思います。
 髙橋座長をはじめ、委員の皆様には、各府省のこれまでのやり方、取組をしっかりと見 直しをしていただいて、新しい時代に即した対応を促していただけるような活発な御議論 をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

事業者団体だけだと上のほうの人しか来ない

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210202/gijiroku0202.pdf#page=31

髙橋座長 標準的な人を対象にしてください。事業者団体だけだと上のほうの人しか来ないので、標準的な人に聞くというのが重要だと思います。そこは事業者団体だけではなくて標準的な事業者にも聞くということを実施してください。

第7回(R3-03-02)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210302/agenda.html

 電子申告と電子納付の料率アップとインセンティブなど。これまでの経緯と今後の方針のまとめ。

登記APIに関しては幾つか課題がある

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210302/gijiroku0302.pdf#page=8

林専門委員 (略)
 もう一つ、これは僕が言うのもちょっと僭越ではあるのですけれども、登記APIに関しては幾つか課題があると伺っていまして、登記事項証明書の必要性が政省令で明記されていないといけないというお話ですとか、そもそもAPIが9時17時で提供されているなどが あって連携が難しいという話を聞いていて、こちらはIT室さんになるのですか、この辺の連携でまだまだ改善の取組ができる余地があるのかなと思っております。
 以上になります。ありがとうございます。
髙橋座長 木村様、コメントございますでしょうか。
○freee株式会社(木村部長) (略)
 登記APIの9時17時というのは、非常に悲しいところではあると思います。やはり、行政の中で効率を上げていくには、基本的にはバックオフィス連携というか裏で情報連携していくことによって、ユーザーから直接情報を取る頻度を減らしていかないことにはどうにもならないということがあって、そこのAPIの提供に色々な規則で制約がかかってしまっているのは、業務効率化の上では課題になっていくと思います。

第8回(R3-03-11)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210311/agenda.html

また法務省か

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210311/gijiroku0311.pdf#page=10

岩下座長代理 私も今の中林さんの意見とかなり近いのですけれども、率直な感想を言 わせていただきますと、今の説明をお聞きして、また法務省かという感じがしました。法 務省さんは、こういう案件が本当に多いですね。どうにかなりませんか。何かしたほうが いいですよ、本当に、それは悪いこと言わないので、これからの時代にデジタル化が必要 なのはどの役所も一緒ですからね。

 実は私、法務省さんの、これは本省さんのほうだと思いますけれども、商業登記の電子 化の作業を、かつて、もうお亡くなりになったのですが、法務省さんの、とある課長さん への御協力ということでサポートしたことがあったのですが、そのときにしきりにおっし ゃっていたのは、内部にITの部隊がいないというのを、今から25年ぐらい前に、お聞きし ました。大変ですねということでお手伝いしたのですけれども、私、今日お聞きしたいの は、その後、ITの部隊はできたのですかと、つまり普通のITを発注する側の企業であれば、 いわゆるSEとか、情報システム部門というのがあるのですよ。それが発注先との間でのや り取りをやったり、あるいは現業の人たちとBPRの議論をしたりということをする人材が 誰かいて、そういう部署があって、そこの人たちが、今回で言えば、出入国在留管理庁さ んと一緒にシステムを作り上げていくというのが普通なのです。

 そのときに、あまり非常識な、システム的にあり得ないような要件は、それは排除する というのが、そういう人たちの役割なのですけれども、お伺いしたいのは、法務省さんの 中で、あるいは出入国在留管理庁さんで持っているのかもしれないけれども、その機能を 担う方というのは、どういう方でどれぐらいの人数がいるのですかという話です。

 それから、もう一つは、先ほどの外国人雇用協議会さんの資料の27ページに、マイナン バーの連携により削減可能添付書類と、添付書類ということで、かれこれ20とおりぐらい の資料が書いてあるのですが、これを紙で今もらっているわけですね。紙をPDFか何かにし て10MBになるということだと思うのですけれども、紙の書類の時代は、まだ理屈は分かる のですよ、現物を保管しなくてはいけないですからね。だけれども、電子書類にした途端 にPDFでしょう。PDFの偽造が簡単ではないのは知っていますけれども、そうは言っても電 子データですから、実は改ざんすることは、やろうと思えば可能なものですね、だから、 多分、そういうことによって、電子データが精細に印字されているかということで、電子 申請のときのセキュリティを確保している、それは逆にまずい話で、何か別の電子的な書 類が出たときに、どうやってそれが、例えば申請者の個人住民税の課税証明書が、本当に ちゃんと当該自治体なりから発行されたということを確認していらっしゃるのですか、ど ちらかいうと、それはそちらと連携しないと、電子的には確認できないことのような気が するのですが、その辺の要件はどうなっているのかと、ちょっと心配になったのですが、 以上の2点を教えてください。どうぞよろしくお願いいたします。

API連携を考えないで作った

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210311/gijiroku0311.pdf#page=12

髙橋座長 どうもありがとうございました。

 私のほうから、今の論点を深掘りさせていただきます。そもそも、最新のシステムを作るときにAPI連携を考えないで作ったという、その発想が、私は信じられないのです。商業 登記申請のときに、あれだけAPIの話を法務省と議論したのに、何でそれが入管の部局に伝 わらなかったのかと、私は、本当に信じられません。これは、法務省全体の推進体制に問題があり過ぎるのではないですか。

 法務省全体の、ITの担当審議官を置いて、全省的に全ての業務について、効率的にIT化 を進めるという体制を構築していただかないと、本当に困ります。河野大臣もおっしゃる と思いますけれども、早急に法務省全省的に検討して、我々に回答してください。とんで もない話だと思います、最新のシステムです。API連携のことが考えつかない、私には信じ られません。そこのところはしっかり御回答いただきたいと思います。

 繰り返しますが、体制について、今、どうなっているのかについて。そして、それを時代の要請に合わせてどう変えるのかということを明確に回答してください。よろしくお願 いします。

 ほかは、いかがでしょうか。

 まず、では、住田専門委員、八剱専門委員、林専門委員、その御三方、お願いしたいと 思います。

第9回(R3-03-30)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/agenda.html

不動産登記電子化の課題点

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=2

株式会社コラビット(浅海代表取締役) 御紹介ありがとうございます。コラビットの 浅海でございます。

 本日「不動産登記電子化の課題点」ということで、7つ要望を挙げさせていただいてお ります。

 まず、簡単に自己紹介をさせていただきたいと思います。私、コラビットの浅海と申し ます。もともとエンジニア出身でございまして、今はAIを活用した不動産の中古流通の活 性化に挑んでいる最中でございます。その一方、一般社団法人不動産テック協会で、不動 産とテクノロジーの関係をよりよくして、不動産業界をよくしていくという取組を進めております。 今日の背景ですけれども、皆さん、釈迦に説法かと存じますが、中古住宅流通は増加の一途を遂げていて、国策としても増やしていくという一方で、労働人口が減少していると いう中で、大幅な効率化が求められているかと思います。具体的には、調査業務に非常に 時間がかかっておりまして、1.3万人ぐらい、付加価値の低い労働に費やされているのでは ないかという試算ができます。

 これは、不動産取引を全部見てみると、電子化は進んではいるものの、面倒な調査業務 が取り残されているという課題がございます。具体的に言うと、例えば宅地内への水道管 の引込み配管図を水道局に出向いて確認するとかという、足を使ったワークがまだ残って いるというのが不動産業界でございます。こういったことを改善していくことによって、 1.3万人の労働力の確保と同じ効果が期待できるというのが、不動産の電子化の全体像です。

 本日の本題になりますけれども、不動産登記のオンライン申請のところについて、7つ 要望を持ってきております。1つ1つ行きたいと思います。

 まず、1つ目、添付書類の完全な廃止を進めてはどうかという要望でございます。現状、 オンライン申請した後に添付書類を郵送するという業務が残っておりますが、ここの郵送 する業務がちょっと無駄ではないかということです。例えば、公的機関の間でデータを共 有することで添付書類自体を完全になくす、もしくは、スキャンデータで代用できるとい う取組がもしできれば、かなり改善すると思っています。

 現状、申請者が1通、封筒に入れる時間、ポストに入れる時間、1分から5分だとして、 それを法務局が受け取って開封して電子申請と突き合わせるという作業をやっていると思 うのですけれども、これに何分かかっているか分からないですけれども、仮に1分から5 分だとすると、年間1208万登記あるので、20万から100万時間、金額にすると40億ぐらいで しょうか、無駄をしているというのが、この添付書類の業務かと思います。ここを抜本的 に改善できるのではないかということです。

 2つ目に行きたいと思います。現在、オンライン申請システム、基本的には稼働が安定 していると思うのですけれども、ごくまれに、年に1回弱でしょうか、システムがダウン する。例えば、去年の1月ぐらいに丸1日止まってしまったことがあったと思うのですけ れども、こういうことがあると、不動産登記は、システムが止まっているから明日でいい やということになりません。権利が絡むので、どうしても即日申請しなければならないと いう業務があるので、結局、司法書士事務所はどうするかというと、いざというときに駆 け込める体制を維持するということで、オンラインのメリットの享受を100%できないと いうのが実態としてあります。

 これを、どんな状態でも、とりあえず何とかオンラインで申請できるという状況をバッ クアップ手段として担保することで、かなり効率化が進められるのではないかと思ってい ます。例えば、障害時に受け付けるだけの簡易なメールサーバを立てて、とりあえず書類だけ受け付けて、とりあえず番号だけ対処して、システムが復旧したときには、その番号 を併せて申請すると順番が担保されるという、これは思いつきの案ですけれども、こうい ったことで代替できれば、それに合わせたスリムな環境が構築できるのではないかと思い ます。

 3つ目は、申請とはちょっと横の話になるのですけれども、オンラインの本人確認のガ イドラインを提示してほしいという声が上がっておりました。現在、コロナの影響で、不 動産売買のときに、今までは売主さんと買主さんが両方立ち会って決済していたのですけ れども、非対面での取引が増えている。こうなると、司法書士の先生はその場で本人の意 思確認をしていたのですけれども、結局、別々に意思確認、本人確認をしなければならな くなって、今どうしているかというと、売主さんに会いに行って、買主さんに会いに行く という二重の手間が発生している。

 何でこうなってしまうかというと、司法書士の立場として、最善の意思確認をしたかと いうことが問われるので、最善ということは対面かなみたいな判断になってしまいがちと いうことです。これを改善するために、民間でeKYCと言われるような本人確認のサービス がございますけれども、これをどこまでやればいいのか、犯収法の「ホ」までやればいい みたいなガイドラインがもしあれば、出してほしい。

 また、オンラインのミーティングツールで、本人の対話を通して意思確認すると思うの ですけれども、そのときにどこまで求められるのか。例えば、ビデオはオンじゃなければ 駄目ですとか、何分以上話しましょうというものがもしあるのであれば、そういったガイ ドラインがあると、より取り組みやすくなるのではないかと思います。

 次に進みたいと思います。登記申請のAPIが公開されたと思うのですけれども、ここにつ いての御提案でございます。

 まず、登記申請のAPIの認知度がちょっと低いのではないかということで、不動産のテッ ク企業という、不動産の業界を新しい取組によって変えていきたいという企業が多数ござ います。そのため、そういった企業は、法改正とか行政のAPIについては非常に関心が高い 状態にあります。なぜなら、大きな変革につながるからです。こういった企業に適切に情 報を届けることで、より開発に着手していただく企業が増えるのではないかと考えております。

 これは、不動産テック協会だけじゃなくて、ほかの協会も是非巻き込んでいただきたい と思うのですけれども、こういう民間の団体を使って広報活動を是非積極的に行っていた だきたいと思います。もしお声がけいただければ、いつでもこういったイベントをアレン ジさせていただきます。

 次に行きたいと思います。こちらは、API仕様書についてのフィードバックでございます。 私自身も開発者なのでAPI仕様書を見てみましたけれども、現在、非常に使いにくい状態に なっております。今、PDF化したものをZipで固めてダウンロードするという方式になって いるのですけれども、これの悪いところを一言で言うと、検索がしにくいです。検索というと2つあるのですけれども、ドキュメントの中を検索すること、あとはGoogleとかで検 索したりという検索ですけれども、どちらもやりづらいので、ぜひ開発者目線で使いやす い形式にして公開してほしいと考えております。

 具体的な例としては、国産のサイボウズというグループウェアのAPI仕様書のスクリー ンショットを持ってきましたけれども、例えばAPI仕様書のサイトの中に検索機能が入っ ていて、そこで検索すれば横断的にドキュメントが検索できるという状況になっています。

 さらに、公開されている情報なので、Google等の一般的なウェブの検索でも探すことが できるという状況です。これは、IT企業としてはごく一般的なAPIの公開方式になっていま して、例えばGoogleとかFacebookとかAmazonとか、LINE社も、APIの仕様書はこういう形で 公開されていますので、ぜひ一般的なIT企業のAPI仕様書をちょっと見ていただいて参考 にしていただきたいなと思っています。

 APIテスト環境とサンプルデータを是非公開してほしいと思っています。この背景にあ る考え方ですけれども、開発を意思決定する前にシステムの事前検証が今、必要になって きています。なぜかというと、よいプロダクトをつくる企業はテクノロジーがすごく武器 になっているので、経営の意思決定にエンジニアが入るのが一般的になっています。なの で、エンジニアの意思決定なしにプロダクトをつくる、つくらないという決定はあり得な いということで、開発申請の前に検証できる状態をぜひ用意していただきたい。理想はテ スト環境ですけれども、これがもし難しいとしても、せめてサンプルデータぐらいは事前 に公開してほしいと思っております。

 7つ目、API利用企業に対するヒアリングです。これは、先ほどとつながるところでもあ るのですけれども、まず公開した後に、開発申請を出した企業、本当に開発すると決まっ た企業に聞くのはもちろんですけれども、テスト段階でやめたという企業にもぜひ聞いて いただきたい。なぜかというと、やめたということは、何か重要な欠点があった可能性が あるからです。例えば、開発難易度が非常に高いというのが1つですけれども、ほかに求 められるユーザー体験をつくるための機能が欠落していて、どうにもならないみたいなこ とも想定し得るかなと思っていますので、進んだ企業と進まない企業、両方にヒアリング を進めてはどうかという御提案でございます。

 以上7点、御要望として挙げさせていただきました。ありがとうございます。

また法務省か

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=8

岩下座長代理 どうもありがとうございます。岩下でございます。

 今の資料2(別添1)「法務省におけるデジタル化の推進体制」について意見を申し上 げさせていただきたいと思います。

 こういった形で体制を整備されるということ自体は、私、毎回、また法務省かという言葉を申し上げてきましたが、そういう事態が改善される方向に向かうものだろうと期待し たいところですけれども、私、この絵を見て改めて思ったのは、現場とのリンクが余りないなという感じがするのですね。私、以前お話ししたことがあったと思いますが、1990年代、後の審議官をやられた原田晃治さんがまだ民事第四課長だったときだと思いますが、 法務省さんのシステム化に結構御協力させていただいたことがありました。

 当時は、原田課長、その下に早貸補佐とか、システムに詳しい人間が法務省にたくさんいたと思います。残念ながら原田さんは2003年に亡くなってしまい、早貸さんもおやめに なってしまったので、法務省には現場でシステムに強い人が本当にいらっしゃらなくなっ てしまったというのが、実際にお付き合いしていたときの実感でございます。

 基本的に日本というのは、よくない風習だと思いますが、理系・文系というのを分けて いますので、法務省さんの中の方々というのは、多くの場合、裁判官であったり、司法試 験で法曹資格を持っている人とか、いわゆる典型的な文系のエリートの方だと思いますが、 そういう方々は割とシステム周りが余り得意でないケースが多いのです。そういう体制で、 現場が実際のシステムの世界からかなり乖離してしまっているというところをどう考える かという問題だと思います。

 昨年1月6日に不動産等の登記のシステムが全面停止したというのは、大変深刻な事件 でありましたし、もし銀行とか証券取引所であれをやったら、新聞の1面トップで大々的 にたたかれるような話ですよ。それが丸1日止まったわけでしょう。その結果、結局プロ間の取引だから、一見すると何もなしで済んでしまっているというのがむしろ問題で、それ自体は国の背骨を支える非常に大事なシステムなので、言葉は悪いですけれども、それ を素人が支えているのは、僕は見ていて大変危うい体制だと思っています。

 その意味では、こういう形で、上の体制としてチェックするというか、四半期に1回と いうのは、システム開発をやっている人間からすると、その単位でチェックして進捗管理 になるのかと僕は不思議に思うのです。上のレベルでやるのは、それは年1回でも何でも いいと思うのですけれども、現場とシステムが本当に分かっている人間との間のコミュニ ケーションがどれぐらい改善されて、その結果、実際に現場にどれぐらいシステム化に対する権限が付与されて、また能力が高まっていくかという、そこが多分問題の本質であると思います。

 実際、私、法務省さんのシステム開発を見てきたので、そういう意見を持っているわけ ですが、その点についての見直しというのは、今回の上の仕組み以外の部分についてはど のような計画になっているのか、ぜひ教えてください。

 私からは以上です。

法務省案件がボトルネックになっている

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=11

○岩下座長代理 お二人の意気込みは分かったのですが、今、菅内閣においてデジタル化 というのが極めて喫緊の課題、かつ目玉政策になっていることを考えると、これから人材 を育成していたのでは間に合わないと思うのですけれども、そこはどうされるのですか。 というのは、登記のシステムは、結構いろいろなところのコアになっていて、他省庁さん のお話をお聞きすると、法務省さん案件がいろいろな形でボトルネックになっていてデジ タル化が進んでいないという形をお聞きすることが非常に多いのですよ。

 それは、まさに政府の中でも、これまでデジタル化に対し、はっきり言って一番後ろ向 きだったからではないでしょうか。それも、過去のここ20年ぐらいの取組の結果、そうな ってしまったということだと思うので、今の担当者の方々にはお気の毒だと思うのですが、 もしそういう状況において、これから体制を整備し、人材を育成し、将来何とか開発でき るように持っていきますということだとすると、それは今の政策のスピード感からすると 間に合わないのではないかと思うのですが、そこについてはどうされるのかなというのが、 体制をそもそも議論すること自体がやや不思議なというか、タイミングとしておかしいの ではないかという感じがするのですが、私は率直に聞いた感覚であります。ぜひきちんと 対応していただきたい。

 あるいは極端な話、河野大臣ではありませんが、システム化の部分を他の部署の方に担 っていただくという形の組み換え方というのも、1つのオプションとして当然あり得るだ ろうと思います。その辺も含めて様々な検討されるべきではないかと思います。

 以上です。

利用者目線を取り入れる

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=11

田中専門委員 御回答いただいた点ですが、どうも個々のシステムを開発する際に、それぞれの担当者が利用者の声を拾うというふうに聞こえました。そうではなく、法務省全 体として担当者を置くなどして、利用者目線を取り入れる仕組みを構築していただけない でしょうか。

髙橋座長 いかがでしょうか。

○法務省(宮田審議官) ありがとうございます。 今度、推進会議の機能を増やして情報共有の場にすると申し上げました。今の点も含めて、そちらのほうで共有してやっていきたいと思います。ありがとうございます。

髙橋座長 すみません、計画書を書き直していただければありがたいのです。基本計画 について、そして、どこかに文章として、今の話を明記していただければありがたいので すが。

○法務省(宮田審議官) 法務省全体では、情報化推進会議におきまして基本方針等々を 規定で定めておりますので、今のような内容のものについても、きちんと文言に起こして いきたいと思います。

髙橋座長 そのようにお願いします。

 ほかはいかがでしょうか。

 どこの組織もそうなのですが、組織を組織としてつくっても、実際に動かなければ意味 がありません。一体どういうふうにチェックするのかも含め、見える化していただけるこ とが重要だと思うのですけれども、そこはいかがでしょうか。

○法務省(宮田審議官) 先ほど申しましたように、推進会議の運営自体にきちんと規定 を盛り込むことといたしますし、もちろん内容については情報共有が大事だと思っており ますので、仮に例えば出席していない局長がいれば、当然それをまた共有していくという ことになりますので、こういった形で見える化を図っていきたいと思います。 ○髙橋座長 そして、そのときに、申し訳ないのですが、個々の申請システムについて、 局長さん方の前でどれだけ使い勝手がいいか、確認する場を設けていただきたいのです。 担当局長が全体の局長のいる前で、私の所管しているシステムについては、これだけ使い 勝手がいいのだ。素人でも専門家の教示なしに、システムの教示だけで最後までたどり着 けますという実践する場をぜひつくっていただければありがたいのですけれども、そこは いかがでしょうか。

○法務省(宮田審議官) ありがとうございます。 いいも悪いも含めて共有することが、まず大事だと思っておりますので、できること、できないことも含めて共有していきたいと思います。

髙橋座長 それはやっていただけるのですね。

○法務省(宮田審議官) 技術的にどのぐらいできるか、私、今すぐお答えできないので すけれども、そういうものも意図してございます。

髙橋座長 では、ぜひその辺、実践していただければありがたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 そういう意味で、今、お願いしたことを含めて、推進会議の規定の中に盛り込んで下さ い。例えば、四半期で集まっているというのは過去の話です。今から変えられるというこ とですけれども、これでは明らかに形式的に集まっているだけだと私は思います。そんな 頻度でチェックができるわけないので、そういう意味では、開催頻度とか会議の内容とか、 推進体制の規定の中に盛り込んで、実質上、動く組織に是非していただければありがたい と思うのですが、そこはいかがでしょうか。

○法務省(宮田審議官) 私自身も意味のある運営にしたいと思っておりますので、形式 に流されないようにしたいと思います。四半期ごとといいますのは、とりあえずスタート ラインでレビューすることをイメージしておりまして、それをまた推進会議に上げるとい う意味で、まずはそういう形のスタートを切りたいということで申し上げました。形式に 流れることなく、場合によっては随時、そういった共有の場も図っていきたいと考えてい ます。

半ライン始まって十数年だね

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=13

河野大臣 すみません、遅くなりました。申し訳ございません。今日の「デジタルガバ メントワーキング・グループ」の御議論、ありがとうございます。

 登記に関して言いますと、私が小泉純一郎内閣の最後のときに法務省の副大臣を拝命し まして、登記のオンラインを担当いたしましたが、当時、全く利用されておりませんで、 俗に半ラインと言っていますけれども、後から添付書類を送る。とりあえず最初の手続だ け電子でやって、添付書類を別送します、という半ラインというやり方を始めて、私の地元の信用金庫あるいは地元の金融機関に無理矢理やってくださいと言って付き合っていた だいてスタートしたというのが、もう今から十数年前でございます。

 登記関係の申請は、商業登記が4000万件ぐらい、不動産は2億件ぐらいあるのでしょう か。これらを簡素化するというのは、社会全体に大きなメリットをもたらすものだと思っ ておりますが、オンラインを始めたときからあまり変わっていないようなところもあるの だろうと思います。デジタル化をきちんと進めることで、申請する側も受ける側も多分利 便性は高まるし、時間、コストの削減にもつながっていくのだと思います。

 法務省は、今年の2月にAPIを公開していただいたと聞いておりますけれども、なかなか うまくいっていない。官民で少し情報交換させてほしいという話もあります。もはや、こ ういうシステムを官だけで決める、つくるという発想は捨てないといけないのかなと。民 間の事業者と連携して効率的なシステムをつくっていくということを考えていかなければ いけない時代に来ているのだと思います。法務省は、現在の個別法令の根拠に基づいて云々 というところで思考停止するのではなくて、世の中のためにどうしたらこのシステムの改善ができるのかということを含めて、情報連携をしっかりやっていただきたいと思います。

 具体的に期限を区切って、スピード感を持って明確にしていただいて取り組んでいただ きたいと思いますので、法務省、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日も活発な御議論をどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

法務省は柔軟に考えるというのがなかなかできない

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=14

河野大臣 この問題について、法務省は柔軟に考えるというのがなかなかできないというのが当時からネックになっておりました。かつて法務省の民事の課長をやってくださっ た方が、全く使われないシステムに金を使っても仕方ないので、半ラインやりましょうと いうことがありましたが、時々、人によって決断されると物事が進むという繰り返しだっ たのではないでしょうか。

 だから、法務省は、組織として物事をしっかり考えて柔軟に決断ができるようでなけれ ばなりません。足を引っ張ることになってしまわないように、ぜひ柔軟に考えて、どうや ったら利便性が高まるのか。もちろんセキュリティも大事ですし、それは大前提ですけれ ども、その中でどうやって利便性を高めていくのかというところをしっかり考えて、官民 連携してどう解決できるかというところを対応していただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

髙橋座長 どうもありがとうございました。

 ちなみに、今後の取組については、新しく就任されたサイバーセキュリティ・情報化審 議官が、これから問題があったら、ここに出ていらっしゃるということでよろしいですね。 法務省。

○法務省(宮田審議官) ありがとうございます。いつでも参加させていただきます。

オンライン申請の資格者への義務化

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=16

林専門委員 かしこまりました。

 まず、2ですけれども、時間を具体的に示すことは困難であると書かれているのですが、 これは非常に納得がいかないことで、やってみたら時間が分かると思うのですね。電子証 明書で申請してみると、非常に時間がかかることがわかると思います。なので、計測は可 能なはずですし、実際に今、これが大変であるということは様々なところで語られている。 電子証明書の取扱いが難しいというところも含めて、時間計測は可能なので、こういった 困難であるがというお話ではなくて、きちんと計って、使いやすい内容に変えていただき たいなと思います。

 以上です。

髙橋座長 関連して、回答1及び2について何か御発言頂戴できますでしょうか。

 では、私から回答1について2つお話をお聞かせいただければと思います。回答1-2 ですが、弁護士については取り組んでいますということ、そして、それは意識しています という御回答ですけれども、司法書士の方のオンライン化の現状と弁護士の方のオンライ ン化の現状が違います。職種の違い、事務の違いもあります。そういう意味では、司法手 続に先んじてオンラインの義務化をするのが筋なのではないか。そういう意味で、先んじ て取り組むということで言うと、例えば司法書士の方のオンライン化については、努力義 務化を早急に法律化するという検討が必要なのではないかと思います。この点について御 回答いただければありがたいと思います。

 それから、オンライン利用率の引上げの難しい理由として、マイナンバー電子署名の普 及状況が挙がっているのです。しかし、e-Taxは90%を達成されています。だから、マイナ ンバー利用率は理由にならないと思うのですが、この辺についてはいかがでしょうか。こ の私の質問についても御回答いただければありがたいと思います。

○法務省(松井課長) 法務省民事局でございます。

 まず、オンラインによる時間や負担の軽減の程度の点につきましては、行政手続部会の ほうでも御審議いただきながら、我々もある程度計測しているところでございます。御指 摘も踏まえて考えてまいりたいと思います。

 2点目に、オンライン申請の資格者への義務化についてでございますけれども、法制審議会における民事訴訟の代理人となる弁護士についての議論ではございますが、弁護士は 法律に関する専門家ではあるが、ITについてのリテラシーは十分でないという意見もあっ たということで、3つぐらいの案の併記という状況で中間試案のパブリックコメントがさ れている状況でございます。おっしゃるとおり、司法書士は職種が違うという点もござい ますが、士業者に対するオンライン申請の義務化ないし努力義務化については、この議論 が非常に参考になると思っておりますので、このことも踏まえて検討させていただきます。

 3点目に、e-Taxは9割ぐらいオンライン利用しているのに登記で同程度とならないの はおかしいのではないかという点ですが、申し訳ございません、私どもが把握しているデ ータですと、国税庁が令和元年8月に公表したデータでオンライン利用率というものがあ って、マイナンバーカードの普及割合に左右される国税申告2手続(所得税申告、消費税 申告(個人))については、58.5%になっていたかと思っております。最近はさらに上が っているのかもしれませんが、我々としてはマイナンバーカードの普及率も一つではござ いますが、できる限りユーザーインタフェース、ユーザーエクスペリエンスの向上を図っ てまいりたいと考えているところでございます。

 以上です。

髙橋座長 秘書課はよろしいですか。はい。

 林専門委員の御指摘については、早急に御検討して御回答ください。全体をまとめて、ある時期に早急に御回答いただければありがたいと思います。 それから、すみません、司法書士の方々は、オンライン化に積極的にお取り組みいただいているのではないかと私、認識しています。状況が弁護士さんと大分違うのではないか と思うのですが、その辺はいかがでしょうか。民事局、いかがですか。

○法務省(松井課長) 民事局でございますけれども、確かに司法書士の方々、取組を随 分やっていただいているところでございます。一方では、なかなかオンラインをやってい ただけない方、何度もこちらが手取り足取りお伝えして、使い方までお教えしてもやって いただけない方もいらっしゃるというのが現状ではございます。この辺りの現状、もしよ ろしかったら、今日、日本司法書士会連合会のほうからいらっしゃっていますので、その 辺りの方々の御意見、聞いていただければと存じます。

 以上です。

稲本専務理事の発言

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=18

○日本司法書士会連合会(稲本専務理事) 日本司法書士会連合会で専務理事をしており ます稲本と申します。どうぞよろしくお願いします。

 我々司法書士は、今まで御議論があったとおり、登記のオンライン化については、連合 会としても積極的な推進を進めているところでございまして、また、新人の新しく司法書 士になる者についての研修についても、オンライン登記を前提とした研修という形で、ほとんどの新人さんはオンライン登記で入っていただいていると感じているところでござい ます。

 一方で、我々司法書士であることに年齢制限がないところでございまして、若い人は20歳からですが、90を超えた大先輩もいらっしゃいます。また、私、熊本から来ている者でございまして、山間部、皆さんも御存じの人吉とか、大雨で大変だったところ、いろいろ な地方・地域がございまして、いろいろな先輩たちがいらっしゃる中で、そもそもオンラ インというものに慣れていない人たちもいるということでございまして、オンライン、IT に関するリテラシー問題というのは専門家にもあるというところもございます。

 司法書士会としては、このような方々についても積極的に個別に回ってオンラインの促 進をさせていただいているところでございますが、今後、さらなる促進については、法務 省とも十分様々検討しながら進めたいと考えているところでございます。

 よろしくお願いします。

髙橋座長 積極的に取組をしていただいて、共通システムとか立ち上げていただいてい るという話もお聞きしております。非常に積極的にお取り組みいただきまして、ありがと うございます。

 その上で、私ども、法令上の義務化という話は、今のお話からして、現段階でお願いす る話ではないのですが、例えば努力義務という形で、全体として底上げを図っていって雰 囲気を盛り上げる方向もあると思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

○日本司法書士会連合会(稲本専務理事) 当会に対する質問という理解でよろしいでし ょうか。連合会のほうからでよろしいですか。

髙橋座長 どうぞ。

○日本司法書士会連合会(稲本専務理事) そのような義務化という部分については、法制審における裁判IT化の議論は当然承知しているところでございまして、裁判という特殊性もあって、IT化に関する義務化と、我々、登記の専門家としての努力義務というのは、また性質が違うものではないかと見ながら、議論を見ているところでございます。

 一方で、政府におけるオンラインの推進促進と、それから平成17年から河野先生にも大変いろいろとお世話になっております不動産登記の問題についても、我々はなるたけ促進したいと考えてございますので、このお話については、これからまた会内でも議論してい きたいと考えております。

 以上でございます。

プロの人がITが苦手だからできませんは許されないですよ

岩下座長代理 よろしいでしょうか。

 今の議論に関連してですけれども、国税庁がおやりになっていらっしゃるのは、これは 国民一般に対する電子納税のキャンペーンであります。実際にお使いになるのは、もちろ ん税理士さんを経由するケースもありますし、各地で開催する確定申告の税務職員が出て のサポートのときに電子的にやるというケースももちろんありますが、自宅でマイナンバ ーカードを使って、電子署名を付与しながら電子申告するということをやっていらっしゃ る一般国民の方も多数いらっしゃいます。

 これに対して、今、議論になっている不動産登記その他の司法書士さんがおやりになる業務については、実は登記所に行けば一般国民でも通常の登記申請は出せる仕組みになっ ています。実際、私、登記所で登記申請を個人でやったことがありますけれども、ボラン ティアの司法書士の方が懇切丁寧に教えてくださったので、紙でその場で出すこともでき ました。できましたが、多くの国民は、不動産取引のような特殊な業務においてはプロを 使うわけです。司法書士さんというのは、そういう形で一般の最終消費者から雇われてい るプロでしょう。プロの人が、ITが苦手だからできませんということを言うことは、今の 時代に許されないですよ。

 実際に、例えば証券会社が個人から証券を預かるみたいな仕組みは、もう完全にオンラ イン化されています。銀行の取引が全銀ネットでつながるのは、当然全部のシステムがつながっているからで、うちの銀行はITに弱いから、そういうものに参加しませんというと ころが1か所でもあったら、システムは成り立たないでしょう。だから、司法書士さんと いうのは、一見すると、先ほどから法務省さんのお客さんのように見えているのですけれ ども、お客さんは最終的に司法書士さんに対して業務を委託する個人あるいは法人の権利 の移転を求める人たちですね。そういう人たちに対してサポートをするわけです。

 その人たちから費用、実際に実費を徴求しているので、オンラインであろうが、紙であ ろうが、実質的な負担というのは全部転嫁されるわけで、エンドユーザーは一生に1回、 司法書士を使うか使わないかぐらいですから、その高い安いは分からないですけれども、 トータルで見た司法書士産業、それから様々な登記に係る仕組みというものの全体の効率 化というものを考えれば、当然それはオンライン化するのは当たり前のことだと私は思います。

 その上で、さらに例えばリトアニアとかエストニアという話になるのだとすると、今度は、そもそも司法書士なんか経由しないで、個人がインターネットで直接登記するという 時代にいずれ移行するのでしょう。その場合に、もちろん権利の確認であるとか、別の問題が発生する可能性はありますが、手続的には、今でもそれは十分可能です。そのような ネットワークは、今のところ法務省は一般には公開していないと私は認識していますが、 そういうことも含めて進めていくのが、今、進められているデジタルガバメントの方向なので、それの一番入り口のところで、いや、不得意な人もいますからというのは、業界と しては言わないほうがいいのではないでしょうか。そこは完璧にできますから、全部お任 せくださいと言わないと存在意義が問われると思います。

 以上です。

髙橋座長 法務省、いかがでしょう。

○法務省(松井課長) 法務省でございます。

 岩下先生おっしゃったとおり、プロという視点、こういうところから、先ほどの弁護士の議論で言えば、士業者に電子申請を義務づけるという案がございます。中間試案には3つ案がございますが、資格者に義務づける案が乙案。甲案は、より一般の方も含めて原則 義務づける。そういう考え方が合理的だと思われる方がいらっしゃるということで、甲乙案が出ております。ただ、これに対しては、先ほど申し上げたような懸念があるというこ とで、丙案という別の考え方もあるということでございまして、この点は国民の意識を考 える必要があろうかと思っているところでございます。

髙橋座長 岩下先生、今の御回答、いかがでしょう。

岩下座長代理 審議の過程でいろいろな案が出るのは当然だと思いますけれども、今の世の中の変化の流れとか政府の方針というものをしっかりくんで、法務省さんとしてもそ ういう方向に動いていくように働きかけを行っていただくというのが、ぜひ必要だと思い ます。もちろん、相手のある話ですから、こうしろと言ってということではないと思いま すけれども、はっきり言って、デジタル化が嫌ですと言っている人たちは、申し訳ないけ れども、いずれ絶対に負ける人たちですよ。

 デジタル化が進むこと自体は、もう間違いのないことなので、私、20年ぐらい前からず っとこういうことを言っているので、それでデジタル化されなかったものはほとんどない のです。それは、ある意味で勝負が決まっているところで、負け戦をわざわざ戦うことも ないでしょうから、早々に新しい時代に頭を切り換えるようにということを慫慂するとい うのも、行政官庁の対業界団体という視点からも非常に大事なことではないかと思います。

 以上です。

本日の意見も踏 まえまして、基本計画については抜本的に見直し

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210330/gijiroku0330.pdf#page=30

髙橋座長 どうもありがとうございました。総括的なお話、大変ありがとうございました。

 それでは、今回、いろいろとお願いしましたので、全部くみ取っていただいて、ある時期、事務局を通じて御回答いただければと思います。法務省におかれましては、デジタル社会の基盤整備という重責を担っているということを御理解いただいて、これまでの取組や考え方を抜本的に改めて、法務省全体として、今、お話しいただきましたように、外部の専門家を活用しつつ抜本的に取組を強化していただきたいと思います。本日の意見も踏まえまして、基本計画については抜本的に見直し、取組を進めてください。

 事務局においてもフォローアップをお願いしたいと思います。

 株式会社コラビット及び法務省の皆様、本日はお忙しい中、大変ありがとうございまし た。どうもありがとうございます。

 予定していた議題を終了いたしましたので、ここまでとさせていただきます。

 本日の議題は以上でございます。今後の日程等につきましては、追って事務局から御案 内させていただきます。

 それでは、これにて会議を終了いたします。退室ボタンにより御退席していただければ ありがたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

第10回(R3-04-20)

第11回(R3-04-27)

手数料支払の利便性向上について

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210427/gijiroku0427.pdf#page=2

○内閣府(阿南参事官) よろしくお願いします。河野大臣直轄チームの参事官、阿南です。

 資料に基づいて御説明しますが、まず、大臣直轄チームについて説明させていただきま す。大臣直轄チームは、規制改革のホットラインとか自治体から寄せられた要望、意見に ついて、大臣から優先的に取り組むべきものの指示を受けまして、取り組んでございます。

 本日御説明する手数料等の支払方法の利便性向上につきましても、規制改革のホットラ インにも要望が寄せられておりまして、これまでも大臣から省庁に個別に検討をお願いし て取り組んでまいりましたけれども、大臣から御指示により、今後は方針を定めて全体的 に進めていくこととしたいので、本日御説明させていただきたいと思います。

 それでは、資料に沿って御説明させていただきます。画面に出ていると思いますが、最 初は現状のところでございます。

 現在、各省の手数料等は、印紙払いのみが可能となっているものが多くありまして、利 用者にしてみれば郵便局等で印紙を購入して、申請書等に貼りつけた上で、窓口に出すということで、余計な手間がかかっているという状況であります。いわゆるデジタル手続法 によって、オンライン申請を行った場合は、多くの手続でネットバンキングが可能になっ ているほかは、税・社会保障、特許手数料など、一部でクレジットカード払いが可能とな っています。

 一方で、各省の窓口で支払う場合は、印紙払い、また、金融機関の納付書を持参する必 要があるものが多くあり、クレジットカード払いが可能なものはほとんどないような状況 です。

 次に、下の方ですけれども、それを踏まえた見直しの方針です。

 大臣からこういう形で進めていけということで指示を頂いていますので、それを書いて ございます。

 まず、第1に、オンライン納付を推進することとしております。支払件数が多い手続に ついては、自宅にいながら支払いが行えるよう、クレジットカード、ネットバンキング等 によるオンライン納付が行われる方法を最低でも1つは導入することとしております。

 次に、窓口の利便性ですけれども、下の1、2に書いてございますが、何らかの理由で オンライン納付に対応しない場合や、オンライン納付に対応しても、引き続き窓口で多く 支払いが行われるだろうというものにつきましては、現金払い、またはキャッシュレス払 いができる方法を最低でも1つ導入するべきということにしてございます。

 カード端末の設置などのコストもかかりますので、すべからく全部ということにはして おりませんで、件数の多い手続を対象にしてございます。

 それから、次のページですけれども、最も多いグループで、年間100万件を超える5つの 手続の検討状況をまとめたものです。これらにつきましては、昨年以来、河野大臣から各 省に対して個別に検討依頼をしていたものでありまして、各省から検討状況を聞いて、ま とめてございます。

 左側が現在の納付方法、右側が各省が追加しようと検討している納付方法を赤字で記載 してございます。

 上から順に御説明します。まず「自動車登録」です。車検の類いですけれども、昨年、 河野大臣が運輸支局の現場を視察されまして、その際に印紙払いの現場も見たのですけれ ども、支払方法以前に紙を前提とした運輸支局の業務処理全体の見直しが必要ではないか という御指摘がありまして、まずはそこから検討してもらうのだろうということになって ございます。印紙をはじめとした支払方法につきましても、その中で見直しを検討してい ただくことにしております。

 それから「登記」ですけれども、現状、オンラインの場合はネットバンキング、ATMが利 用可能でありまして、窓口は収入印紙、金融機関、納付書、郵送の場合も印紙が中心にな ってございますが、検討としては、オンラインの場合はクレジットカードを使えるように しよう、窓口においてもクレジットカードを使えるようにしようという方向で検討すると 回答を頂いております。

 続きまして「交通反則金」でありますけれども、これは平日昼間に納付書を持って金融 機関に支払に行かなくてはいけないのが現状であります。ただ、件数が多いため、金融機 関側の負担も大きくなっており、見直しが必要ではないかということで、これにつきまし ても、昨年来、河野大臣から警察庁に対応をお願いしてきました。

 先週の金曜日に、河野大臣から記者会見で発表したばかりなのですけれども、警察庁の 方で検討いただいたのは、交通反則金は申請行為がありませんが、ネットバンキング、ATM、 クレジットカード、それから、窓口で払う場合としては、今までと同じ金融機関に加えて、 コンビニでも払えるようにしていきたいと聞いてございます。

 このうち、まず、ネットバンキング、ATMにつきましては、6月28日から、最初、秋田県 と島根県の2県で試行的に導入しまして、実施状況を検証の上で順次拡大していく方向と 聞いてございます。そのほか、クレジットカード払い、コンビニ払いについては、少し時 間をかけて、実現に向けて検討していくと聞いてございます。

 それから、次の「旅券」、パスポートですけれども、これにつきましては、今、収入印 紙で都道府県の窓口で払うことになっておりますが、今後につきましては、オンライン申 請を可能にして、クレジットカード、ネットバンキングでできるようにすると。窓口でも クレジットカード払いができるように検討していくと聞いてございます。

 最後に「特許等」ですけれども、特許は、現状でもいろいろな支払い方法が利用可能に なってございますが、特許庁の窓口、それから、郵送の場合の支払いは印紙が中心になっ てございます。

 今般、3月、特許法の改正をもう既に提出しておりますが、それによってクレジットカ ード払いを窓口でできるようにしようとしてございます。

 それから、下の方に赤い字でいっぱい書いてありますけれども、特許庁の支払方法とし て、あらかじめ特許庁にまとまったお金を納付しておいて、特許申請をするたびに、そこ から必要額を支払ったことにするということで、取り崩すような形にする予納制度という のがあります。従来から、この予納制度が広く使われ、金額的に一番多い支払方法だった のですけれども、これにつきまして、今まで印紙でしか払えなくて、これも大臣が特許の 窓口に視察に行ったのですけれども、物すごく高額の、数億円の印紙を貼りつけて提出さ れているというような状況でありまして、これにつきまして、印紙でなくても払えるとい うような改正も併せて法律ですることとしてございます。

 以上、100万件以上の手続の見直しの状況でございますけれども、今後、これら100万件 以上の手続について、さらに検討を進めるとともに、それ以外、それより少ない手続につ いても取組を進めていきたいと思っております。

 先ほど御説明した方針で、件数の多いものについて取り組むとしておりまして、現時点 で何件以上、どれぐらい多いものを対象にするとはっきり決めているわけではございませ んが、当方で調べたところ、10万件以上のものが約100手続、1万件以上のものが10万件以 上のものも含めて250ぐらいあるということでして、資料として後の方に一覧表もつけてございますけれども、こういったものを検討の対象にしていきたいと思います。 ただ、この数字の中には、既にクレジット払いができるもの、方針に対応しているものも相当程度含まれておりますので、これが全部見直しの対象というわけではありませんが、 機械的に10万件以上のもの、1万件から10万件のもののリストをつけさせていただいてお ります。

 今後につきましては、どれぐらいの規模、件数のものについて取り組むかを決めて、そ のうち、それらの現状ですね。支払い、対応しているかと。クレジットカード払い等に既 に対応していれば、新たに対応する必要はないわけですけれども、現状を調べて、やるべ きものについては、対応の可否を検討して、法令改正、システム改修など必要なものはや っていく流れになってくるかと思ってございます。

 当方からの御説明は以上でございます。今後、こういった方針で進めていきたいと思い ますので、是非、進め方について御意見ありましたら、頂きたいと思います。よろしくお 願いいたします。

押印廃止しておきながら印紙を使うの?

 印紙って紙に貼り付けるのが前提のシステムなのに、押印廃止しながら残すの?印紙税自体を見直してはどう?

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210427/gijiroku0427.pdf#page=5

岩下座長代理 岩下でございます。

 今回の見直しは、方向性としては大変正しいものだと思います。これまで、印紙による 支払いという、およそ旧態依然のものがこれだけの期間維持されてきたこと自体がむしろ 驚きであります。

 押印義務が河野大臣の号令以下、約1万5000の手続でほぼ廃止になったということで、 電子化が進む機運が高まっている一方で、印紙というのは、紙に対して貼りつけるという ことで、明らかに紙を前提としたシステムですので、印紙を使っている限りは電子化でき ないという形になってしまいます。その意味では、私自身は、そもそも印紙などという仕 組み自体、これは維持していくこと自体の政府のコストも馬鹿にならないものです。

 方々、極めて巨額の印紙税が印紙によって納付され、それが時々、それを剥がして使っ てどうのということで、内部不正などにつながったり、方々偽造の問題とかいろいろと発 生し得るわけでありまして、日本のような進んだ金融決済のシステムを持っている国で、 この印紙という昔ながらのスタイルが維持されていること自体が、なぜこんなことになっ ているのか、ある意味で不思議に思うわけです。

 印紙税という税金の場合は、そもそも課税文書が担税力があるという理屈で税金を持っ ているわけですが、一方で、電子化をすると、同じ取引であるにもかかわらず、例えば手 形も電子手形にすれば、印紙は不要になるということです。電子手形は担税力を持ってい ないのか、そこもよく分からないのですけれども、いろいろなところで電子化をすれば印 紙税が要らなくなるみたいな変な理屈と、印紙での納付というのが共存しているという不 思議な世界になっています。

 例えば消費税のようなものによって、様々な経済取引において、きちんと税金の網がか かるようになったわけですから、印紙という仕組み自体を見直して、担税力のあるものに 対して印紙をどうするとか、その延長として印紙によって手数料を納付するという一連の 行為自体をやめられないだろうかと私は常々考えておりますが、実際、そこまで行くこと は、個々の取引としては難しいにしても、できる限り印紙の利用範囲を制限していくのは 非常に大事なことだと思います。

 その代わりが、クレジットカードやATM、インターネットバンキングで本当に良いのかと いうのは、これは各々の取引の事象によります。例えば交通反則金の場合はどうなるかと か、その辺の議論について、支払ったことの検証とか、支払済みであることの確認をどう やるかという問題は多分あるのだと思いますけれども、そういったことは、各々の部署で きちんと対応していただいて、とにかく、判子に並んで旧態依然たるもの、電子化を阻む ものである印紙というものをできるだけ使わないようにしていくのは、本当に重要だと思 います。

 以上です。

印紙税もターゲットにされる

印紙税のあり方は今回の検討の射程にないとかわしたけれど、極めて重要だからテイクノートしておいてくださいと追撃されてしまいました。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210427/gijiroku0427.pdf#page=7

○内閣府(阿南参事官) 印紙税のお話がありましたけれども、今回、我々、手数料の支 払いの手段としての印紙の話をしておりまして、そもそも印紙税の在り方というところは、 今回の我々の検討の射程に入っていませんで、むしろ印紙税の議論は別にあるのだろうな と思ってございます。

髙橋座長 分かりました どこが背負うかということ、岩下代理の問題提起は極めて重要だと思いますので、事務局はテイクノートしておいていただければありがたいと思います。 それでは、濱西専門委員、いかがでしょうか。

登記事項証明書の窓口での支払いもクレジットカード可能に

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210427/gijiroku0427.pdf#page=8

○法務省(中野渡調整官) 法務省でございます。

 具体的な導入時期でございますが、当局としては、現在、登記所で登記事項証明書等の 交付等の事務を民間事業者に委託しておりますけれども、その事業者の切換えが令和6年 10月になっていますので、令和6年10月からは窓口でクレジットカード払い等ができるよ うにしていきたいと考えております。

神エクセルはやめてね

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210427/gijiroku0427.pdf#page=15

○髙橋座長 それに関連して私からもお願いです。河野大臣から神エクセルは困るという お話を頂きました。要するに1マス1マスに文字を打ち込むような標準様式だと電子デー タにはならない。これは絶対やめてほしいというお願いを常々していたのですが、なぜか 標準書式について神エクセルになっているのです。これは早急に改めていただきたいと思 うのですけれども、その辺についての御回答を併せていただければありがたいと思います。

 それでは、八剱専門委員、お願いします。

デジタル・ガバメントワーキングに出すような資料でない

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210427/gijiroku0427.pdf#page=15

岩下座長代理 既に2人の専門委員の方に述べていただいて、私も同じようなイメージ ですが、この総務省の資料は、とてもデジタルガバメントワーキングに出すような資料で はないような感じがするのです。確かにこういう書式に改めましたという形で、いろいろ と皆さんのお声を聞くことは大事だと思うのですけれども、やはり最終的に標準書式を定 めるのではなく、もちろん、標準書式なるものが行きがかり上必要だし、電子化率も100% ではないからということで、紙の部分も残さなければいけないのでしょうけれども、基本的にはもう既に、別の資料だと、電子申請の比率自体は共通のウェブのシステムによって かなり上がってきています。6割とかそういう数字が載っていましたよね。むしろそうい う形で、こういうものを原則としてシステムに入力してもらうというのは、今の御時世で は当たり前のことのような気がするのです。

 だから、紙を統一するという発想自体をもうやめて、そもそもシステムの方で統一する という形にならないでしょうか。氏名の上に片仮名半角で書いて、こちょこちょとやると いうこと自体が、そもそも今のインターネットでは半角仮名というのは御法度ということ にもなっていますし、何となく1980年代ぐらいのメインフレームでのシステム開発を彷彿 とさせる書き方なのですけれども、さすがに、今、そんなことやっていないでしょう。これは現場のシステムに対応する人たちが本当にやりたいことを聞いてつくったのですか。

 逆に言うと、もし現場の人がこういうのをつくりたいと言うのでしたら、それはデジタ ル化に向かないので、もっとデジタル化に向いた方向に、そういう方々に意識を変えてい ただくようにしていただかないと、デジタル政府の失敗とかデジタル敗戦と言われる状態 からいつまでたっても抜け出せないと思うのですけれども、その辺の改善の見通しを是非 教えてください。

 以上です。

第12回(R3-05-13)

押印廃止の概略

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210513/gijiroku0513.pdf#page=2

○大野参事官 事務局でございます。

 行政手続の書面・対面の見直しを進めるため、各府省に対して、書面を求める全ての行 政手続について、オンライン化の方針を示すよう、求めておりました。

 この回答につきましては、現在、最終確認中ですが、本日の議論に先立ち、概況を御説 明いたします。

 まず、民間から行政への手続で、書面による申請等を求める行政手続が約2万2000種類 ございます。

 このうち、昨年3月の時点で、オンライン化未実施の手続は、約1万9000種類ございましたが、大半の手続は、令和7年までに、5年間にオンライン化される予定となってござ います。

 他方、性質上オンライン化が適当でないという回答があった手続も、いまだ数百程度あ るという状況です。

 各府省に対して再検討を求めたため、昨年12月時点での643種類より相当程度減少して おります。

 件数が少ないものを中心に、費用対効果等も勘案すると、現時点ではやむを得ないと思 われるものも多いという印象を受けておりますが、他方で、件数が多いものについては、 本当にオンライン化できないか、さらに検討を進める必要があるのではないかと考えてい るところでございます。

 その第一弾として、本日ご議論いただきます、失業認定の手続は、年間約600万件と、性 質上オンライン化できないという中で、最も件数が多いものでございまして、離職票の提 出なども含め、書面・対面が必要とされております。

 各省の回答につきましては、最終的な確認を終え次第、速やかに公表する段取りでござ いますので、今後とも会議の指導を賜りつつ、書面・対面の見直し方針についての取組を 進めていきたいと考えているところでございます。

 事務局からは、以上でございます。

慣れていることが円滑ということではない

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210513/gijiroku0513.pdf#page=13

○林専門委員 林です。コメントが2つ、質問が1つございます。

 コメントは、まず、円滑な手続というお話があると思うのですけれども、慣れているこ とが円滑だという認識をされているのは大きな間違いで、そこに気をつけていただきたい なとすごく思っております。

 訂正等が書面であるというお話、全くそのとおりだと思うのです。ですが、電子化でミ スが減らせますという観点というのが抜け落ちているように思うのです。

 確かに書面が郵送で来るのは困ると思いますし、PDFをダウンロードしてくるというの も、ミスを減らすということにはつながりませんが、オンライン化する、きちんと電子化 するということができるのであれば、それはミスを減らして、効率化ができるようになる ということで、月当たり70万件を効率化する、自動化するということを真剣に考えられる と思っております。

 さらに、前日までの状態の申告というお話ですけれども、これこそオンラインの方が逆 に価値があるはずで、即座にできるということに意義があるはずです。当然24時間受け付 けられるということも価値があることだと思います。

 コメントの2点目なのですけれども、先ほど出頭可能なことみたいなお話、かなり強調 をいただいていて、分からなくもないです。

 特に出勤してきてほしいみたいなお話、昔は当然あったと思うのですけれども、安中先 生のお話もありましたが、今正に我々、Zoomで、こうやって会議をして、本人だというこ とを多分確認できているという認識で、意思も表明して会議に参加させていただいている と思うのですよ。これができないというお話は、現時点で、この文脈では全く腑に落ちな いと思っております。

 ただ、当然、デジタル・デバイドとかがあると思うので、窓口を否定するものではなく て、先ほど分室等があると伺っていましたけれども、デジタル分室のようなものを作って いただければ、むしろ電子化により十分効率化できると思うのです。

 ただし、これは、バックエンドが電子化されているという一番最初の仮定とセットにな っているので、全面的にデジタルを推進していただきたいということにはなると思ってお ります。

 実際、デジタル庁なども同じように、少なくとも官でも、もうできることになっている わけですから、そういった観点で物を見ていただければと思います。

 質問で、必ずこういうことのお話で言うと、セキュリティとおっしゃる方がすごく多い のですけれども、一応専門なので、強固なセキュリティとは、非常に安直におっしゃられ ているように感じられます。民間でできていることができませんというようなお話にしか、 やはり聞こえないのです。しかも、先ほどありましたけれども、窓口に行くことは、プラ イバシーインパクトが当然あり得る。追跡もできます、ストーキングもできますという話 は、既に何度も話題になっている項目ですので、セキュリティが守れませんというお話は 多分ないと思っていて、そこに何か課題があるのであれば、是非伺いたいと思います。

 以上です。

軽々にセキュリティという言葉を使わないでいただきたい

  • 要するに電子化したくないのでしょう。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210513/gijiroku0513.pdf#page=13

岩下座長代理 岩下でございます。

 厚生労働省さん、ちょっとセキュリティという発言を安易に使われましたね。少なくと もここには林専門委員もそうですし、私もそうなのですが、電子政府のセキュリティにつ いて、長年、20年ばかし専門としてやってきた人間がおりますので、軽々にセキュリティ という言葉は使わないでいただければと思います。いつでもお相手いたしますので。

 その上でなのですが、今のお話は私の耳には、要するに電子化したくないです、これま でのまま対面でやりたいですとしか聞こえません。それを変えることが求められています。

 では、例えば、海外はどうでしょう。米国、山のように今回、コロナで失業申請があっ たことが報じられましたね。数百万件単位のものが出てきて大変だったと。あれは全部イ ンターネットでやっています。別に一々対面でなければ給付されないということはないで すよ。

 ちなみに、厚生労働省さんが10年ほど前に実施した、欧米における失業時の生活保障制度及び就労促進に関わる助成制度等に関する報告書というのがインターネットで読めます ので、是非こちらを読んでみてください。厚生労働省さんのホームページに載っておりま すので。

 その意味で、既にもうインターネットを使うということは、様々な手続で、正に学生の 就活の面談であるとか、あるいは求職活動に対する民間の案内であるとか、当たり前にな ってきていることであります。

 逆に言うと、その当たり前のことにハローワークさんは対応できているのですか。これ は時代の変化ですよ。それに対応できていないことをあたかも、これがすばらしいことで、 これが必要なことなのだという話のようにおっしゃるというのは、何か間違っていると思 います。対応できていないこと自体を、私は、責めはしません。これまでの政府の対応が そういうものだったのでしょう。これから対応してくださいよ。オンライン化を推進して いるのは、厚生労働省さん御自身ではないですか。少なくとも、7割リモートワークとか とおっしゃっている御時世に、でも、全ての人に対面でのハローワークへの来訪を認める というのは、これは大変ナンセンスです。

 あと、先ほど分室、分所を作っているからオーケーだという話だったのですが、一方、 安中先生の資料には、甑島から4時間かけて船で来るという話がありましたね。甑島には 分室はないのですか。あるいは伊豆七島はどうでしょうか。日本には様々な足の悪い地域 があります。どこでも失業者が発生する可能性ありますね。全てのところに分室を作れな いでしょう。だけれども、オンラインにすれば、オンラインでアクセスすることは、どの 離島からもできます。どっちが行政上効率的ですか。もし、オンラインは一切嫌だという のだったら、甑島にも三宅島にも八丈島にも全部作ってください。それよりもオンライン にしたほうが、ずっと行政効率がいいではないですか。何か対面でなければいけないとい うことのこだわりにしか聞こえないので、それをオンラインでも可能だと頭を切り換えれ ば、いいことがいっぱいあります。全てをオンラインにしろとは言っていません。従来の ものが残ることは全然構わないのですが、オンラインも認めて全然問題ない話だと思うの で、もうちょっと、こちらが納得できるような説明をお願いします。

 以上です。

ネットでやって第三者に聞かれたらどうすんだよ

  • 厚労省の反撃

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20210513/gijiroku0513.pdf#page=16

○厚生労働省(志村審議官) 厚生労働省から、今、御三方から御質問のありましたこと について、少しコメントをさせていただきたいと思います。

 林先生、岩下先生からありました、セキュリティについて厚生労働省はどう認識してい るのだということについて、少し説明させていただきます。

 具体的に、ここで、強固なセキュリティと書いた説明ですけれども、具体的には、ハロ ーワーク職員と、当該受給者の会話が第三者に傍受されないこと、あるいは、ディープフ ェイクなどによるなりすましが防止できること。ハッキングやサイバー攻撃により、サー バーがダウンして、一時的にでも失業認定ができなくなるおそれがないことなどが、100% 確保されるセキュリティであることと考えております。

 また、認定を受ける受給者側においても、安全な接続環境に加えて、当該受給者の周囲 で、ハローワーク職員との会話内容が第三者に聞かれないような環境にあることが担保さ れる必要があると考えております。

 オンラインでは、第三者に聞かれない環境が、必ずしも確保されるかは確定的ではなく、 失業認定の際には、本人が意図しない機微な情報を織り交ぜながらコミュニケーションを 図るため、毎回、本人の同意を得てコミュニケーションをとる必要性が生じるということ になると、また、円滑な失業認定が阻害されるおそれというものがあると考えております。

 なお、行政側としても、ハローワーク職員がどのように失業認定や不正受給でないかの 確認を行っているかというノウハウが、外部に漏れるということで、適切な行政活動が阻 害されるおそれがあるということを考えております。ここは、セキュリティの内容でござ います。

 あと、岩下先生から、欧米、いわゆるアメリカではということがありましたけれども、 私どもも、いずれにしても、こういった認定だけの話ではありませんけれども、いわゆる 労働政策というか、正に、ここのハローワークの役割といったようなことをいろいろ整理 して、雇用対策を説明させていただきましたけれども、いずれにしても、海外制度の状況 は、適宜把握して、行政の執務に生かしているということはやっております。

 あと、システムの関係につきましても、ハローワークにおいては、システムは当然、お およそ5年ごとにシステム更新とかをやっておりますし、それをハローワークのメインのシステムとか、雇用保険のシステムとか、サブのシステムとか、どういったものを実装し て、このようにやってきているかということについては、厚生労働省だけの、一人よがり に考えるということではなく、いわゆるCIO制度等もあり、いろいろ説明をさせていただい て、妥当なシステム整備を行っているということを、一応、御認識とは思いますけれども、 述べさせていただきたいと思います。

 あと、安中先生から回答があるかもしれませんけれども、いわゆる分室だけではなくて、 そのほかにも、離島とかは多いのですけれども、大島町とか、新島とか、神津島とか、そ ういったような市町村には、失業の認定と、取り次ぎを委託しているということでござい ます。

 とりあえずの回答は、以上でございます。

写真と見合わせるより多重要素の認証したほうが精度が高い

八剱専門委員 八剱です。どうも御説明ありがとうございました。 私の方から1点だけ、それが本人であるかどうか、私が八剱洋一郎であるのかどうか、

 これを確認するという作業に関してなのですけれども、デジタル上で確認をする場合には、 当然IDパスワードとか二重認証、三重認証で、いろいろな要素を組み合わせていきますと、 実際に物理的に本人が現れて、写真と見合わせるよりも、確度が高いということがだんだ ん分かってきています。

 一方で、物理的に人が現れた場合、それが本当にこの人なのかという認証をどうやって 行っているのか、写真を穴が開くほどきっちり見ているということだったとしても、人間 は太ったり、痩せたりしますし、病気だったり、けがをしたりいろいろしますので、顔つきが変わるということもあります。 その中で、どうしても物理的に現れると本人であると思うバイアスがかかってしまうと

 いうことは、むしろ危険だとも思います。 先ほどの濱西専門委員のお話にもありましたけれども、本人であるかどうかを認証するということ1つとっても、もしかするとデジタル的な要素を入れたほうが確実になる。そ れと大きな要素としてデジタル的な要素で認証した場合、もし、万が一何かのトラブルが あった場合でも、その検証をすることができます。ただ本人が現れて、アナログでこれが 本人であると認定した場合、それが、もし本人ではなかったとしても誰も検証はできませ ん。

 ということからも、むしろきちんとしたプロセスをデザインするのであれば、デジタル 化したほうがいいという要素もあるということを御理解いただきたいと思います。

 以上です。

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