LINEが個人情報に業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態にしていた問題
- 政府の個人情報保護委員会 LINEに法律に基づき報告求める
- 大阪市がLINE活用の事業を停止
- 個人情報保護委がLINEに対し法的措置を検討、政府は行政サービスでの利用を一時停止するなど調査に乗り出す模様
- 【締め上げ】総務省と個人情報保護委、法律に基づいてLINEに報告求める方針!「必要なら法的措置も検討」
- LINE株式会社に対する報告徴収
- LINEの情報管理めぐり「穴だらけ」自民党から苦言
「LINE」の情報管理を巡って苦言が飛び交いました。
自民党・下村政調会長:「国民の大多数がLINEを利用し多くの自治体も活用するなかで、セキュリティーの問題、看過できない問題が発生したと」 自民党は無料通信アプリ「LINE」の個人情報管理を巡る問題で、親会社の「Zホールディングス」などに説明を求めました。
LINE側は「何かを抜かれたことはない」としていますが、出席者からは「穴だらけでしっかり調査すべきだ」など厳しい意見が相次ぎました。
無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報が中国で閲覧可能な状態になっていた問題を受け、与野党が警戒を強めている。機密情報に触れる機会がある政府や与野党関係者の利用者も少なくないためで、使用を控える動きが広がりつつある。
無料通信アプリのLINE(ライン)は19日、ソフトバンクと22日に共同開催する予定だった法人向けのオンラインイベントを延期すると発表した。
中国の関連会社でLINE利用者の個人情報が閲覧可能だった問題を受け、LINEは「最優先で対応しているため」と延期理由を説明している。
イベントではLINEの出沢剛社長とソフトバンクの宮内謙社長らが基調講演をする予定だった。Zホールディングスとの経営統合でソフトバンク傘下となったLINEの法人向けの事業戦略に注目が集まっていた。
厚生労働省は、海外から日本に入国した人の二週間待機中の健康状態をLINEやメールによって確認している。LINEを使用するユーザーの個人情報が中国企業に入手されたをうけ、厚生労働省はLINEの利用を停止すると決定した。 厚生労働省は、「発熱がないかは引き続きメールを使って確認できるので、水際対策への影響はない」とコメントした。
19日、日本の総務省は、特に政府機関向けにアプリ「LINE」の利用を停止する決定を発表した。これは、同アプリを使用するユーザーの個人情報が中国企業に入手されたことが判明したためだ。
国立研究大学「モスクワ電子技術研究所」通信システム学科助教授で、情報セキュリティーの専門家であるアレクサンドル・シャラモク氏は通信社「スプートニク」に、中国企業が利用した日本のユーザー情報へのアクセス方法について解説した。 シャラモク氏は、「Lineプログラムのサーバーが日本にあることを考えた場合、おそらく、アプリのサービスを行なう中国企業のスタッフらはこのサーバーに遠隔でアクセスしたと考えられる。サーバーを使って彼らはアクセスを行い、必要な情報を入手した可能性がある。必要以上の権限を彼らに与えたことは組織的なミスだった可能性があると考えられる。あるいは、たとえば、これらの権限を適時に無効にするのを忘れたのだろう」との考えを示した。 同氏は、「おそらく、サービスの過程で特定の特権が中国企業に与えられた際に、彼らはなんらかのソフトを設定したか、または、当時所有していた権利を利用して、なんらかの形でそれらを拡充したと考えることもできる。また、彼らは技術的アタックによって自分たちの権利を強め、日本のユーザーの個人情報にアクセスしたと見ることもできる」と補足した。
2018年に中国企業がアプリのサービスを行なった後、同企業は氏名や電話番号、メールアドレス、また、ユーザー間の画像交換のような利用者データへのアクセスが可能となった。
厚生労働省は、新型コロナウイルスの水際対策として行っている入国後の健康状態の確認について、通信アプリ「LINE」の利用を当分の間、停止することを決めました。
厚生労働省は、海外から日本に入国した人に自宅などで14日間待機するよう求めたうえで、LINEやメールを使って発熱やせきなどの症状がないかを確認しています。 今回、LINEの利用者の個人情報などを業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態になっていたことを受け、20日からLINEの利用を当分の間、停止するということです。
厚生労働省は「発熱がないかは引き続きメールを使って確認できるので、水際対策への影響はない」としています。
立憲民主党の安住淳国対委員長は18日午後の党会合で、LINE(ライン)利用者の個人情報が中国の関連会社の技術者から閲覧可能な状態になっていた問題を受け、同党の国会対策委員会(国対)内でのラインの通信アプリの使用を当面禁止すると明らかにした。
国対は国会運営の司令塔で、各委員会や本会議の日々の動きについて幹部間で情報共有を図る際、通信アプリを使うことも多い。安住氏は「(情報には)機微に触れる部分が非常にある。もし第三国に流れていれば、ある意味で国会の機密(の流出)にあたる」と懸念を示した。また、ラインは自社の情報セキュリティーについて説明すべきだと主張した。
国内のラインの通信アプリの利用者数は8000万人以上。政府や与野党内でも連絡手段として使われるケースは少なくない。
無料通信アプリLINEで、中国企業による個人情報閲覧問題を受け、大阪市はLINEを使ったサービスを停止することを決めました。
「センシティブな情報がそこ(LINE)に入ってますから、外へ出るようなことになれば人権侵害の問題になります」 大阪市はLINEを使った情報発信や、生徒・児童を対象にしたいじめの相談窓口など、60あまりの事業を順次、停止することを決めました。 また、決済サービス「LINEPay」を使った公共料金の支払いも停止する方向で検討しているほか、大阪府も相談業務など10のアカウントで停止に向け調整しているということです。
大阪市は、管理の安全が確認できるまで当面中止するとしています。
政府の個人情報保護委員会が、LINEに法律に基づく報告を求めた。
大手通信アプリ「LINE」の利用者の個人情報が、中国から閲覧できる状態だったことを受け、政府の個人情報保護委員会は、LINEと親会社のZホールディングスに対し、個人情報保護法に基づく「報告徴収」を実施し、事実関係がわかる資料を3月23日までに提出するよう要求した。 資料を基に調査を進め、法的措置が必要か否かを判断する。 また、総務省も19日、LINEに対し、電気通信事業法に基づき、「個人情報や通信の秘密の保護に支障がなかったかどうか」、「体制に不備はなかったか」、「事前に利用者に十分な説明がされていたか」などの報告を求めた。 4月19日までが期限とされており、総務省では、内容に応じて行政指導などの対応を考えることにしている。
この問題を受け、大阪市がLINEを使った情報発信や相談窓口などのサービスを停止することを決めたほか、大阪府も停止に向け調整しているという。
無料通信アプリ「LINE」の中国企業による個人情報閲覧問題を受け、大阪府は個人情報を扱うLINEのサービスを停止することを決めました。
【大阪府 吉村洋文知事】 「(LINEを使った)いじめの相談などは非常にセンシティブな情報を扱う。どういう状況かわからないことが明らかになっている以上、一旦中断を」 LINEをめぐっては、システム開発を委託している中国の企業で、利用者の個人情報を閲覧できる状態だったことが判明しています。 この問題を受け、大阪府はLINEを使った12の事業のうち、いじめの相談や施設予約など個人情報を扱うサービスを停止することを決めました。国の指針が示されるまでは停止を続ける方針です。
大阪府では、4月からLINEを使った医療従事者への新型コロナワクチンの接種予約を始める予定で、対応を検討しています。
通信アプリのLINEが、利用者の個人情報を業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態にしていた問題で、個人情報が適切に管理されているかを監督する政府の個人情報保護委員会は、法律に基づき会社側に対し報告を求めました。委員会では、利用者が多いことなどから社会的な影響があるとして公表したとしています。
LINEをめぐっては、システムの管理を委託している中国の会社が、日本国内のサーバーに保管された利用者の名前や電話番号、メールアドレスといった個人情報にアクセスできる状態にしていたことが明らかになっています。 これを受けて、個人情報が適切に管理されているかを監督する政府の個人情報保護委員会は、事務局の担当者が19日夜7時に急きょ会見し、個人情報保護法に基づいて、LINEと親会社のZホールディングスに対し、報告を求めたことを明らかにしました。 この中で担当者は「従来は『こういう処分をしました』ということで、処分の事実や理由、内容を説明してきた。今回社会的に関心が大きくて、利用している人も多く、社会的な影響があるということで公表している」と述べました。 そのうえで、外国の事業者に業務を委託していた場合、その業務内容の詳細や個人情報の取り扱いを把握するための対応のほか、委託先が日本の個人情報にアクセスする場合の権限や範囲などについて、事実関係の報告を求めたと説明しました。 そして、法律に基づいて、会社側に対し今月23日までに関連資料の提出を求め、委員会として検証したうえで、必要であれば法的な措置を行うことを検討する方針を示しました。 一方、総務省はLINEに対し、電気通信事業法に基づいて報告を求める「報告徴収」と呼ばれる措置をとる方針を決めました。
個人情報のデータをどのように取り扱っていたかやセキュリティー対策の内容、利用者に対しどのように説明していたかなど詳しい事実関係について来月19日を期限に報告を求める方針です。
個人情報保護委、LINEに法的措置検討 総務省も報告求める―省庁の利用調査急ぐ
無料通信アプリLINEの利用者情報が中国の関連企業で閲覧可能となっていた問題を受け、政府の個人情報保護委員会は19日、LINEと親会社のZホールディングスに対し、個人情報保護法に基づく報告を求めたと発表した。同委は必要なら法的措置を検討すると明らかにした。
報告を求めるのは、海外の委託先も含めた業務内容の詳細、海外の事業者が日本にある個人情報にアクセスできるデータの範囲、ログデータなど。提出期限は23日。虚偽報告には50万円以下の罰金を科すほか、違反が認められた場合、必要な措置を取るよう勧告や命令を行う。 総務省も19日、LINEに対し電気通信事業法に基づき、4月19日までに事実関係や個人情報がどのように取り扱われていたかなどを報告するよう求めた。報告内容を精査し、行政処分や指導が必要かどうか判断する。 個人情報保護法は、外国への個人情報移転が必要な場合、利用者の同意を得るよう規定。LINEは規約で「個人データ保護法制を持たない第三国に(個人情報を)移転することがある」などとしているが、国名を明記していなかった。
一方、政府は各省庁の利用状況の調査に乗り出した。行政サービスなどに活用する例が多く、全容解明まで一時停止するなど、情報セキュリティー確保に努める考え。菅義偉首相は19日の参院予算委員会で「(政府内で)現在、LINEの利用状況を改めて確認している」と述べた。
無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報が中国で閲覧可能な状態になっていた問題を受け、与野党が警戒を強めている。機密情報に触れる機会がある政府や与野党関係者の利用者も少なくないためで、使用を控える動きが広がりつつある。
自民党は19日、総務部会と情報通信戦略調査会の合同会議を開き、LINEの運営会社や親会社などから事情を聴いた。下村博文政調会長は、党として対策を講じる考えを表明。調査会長を務める山口俊一元IT担当相は「(動画や画像を保存する)サーバーが韓国に置いてあるなどいろんな問題を惹起(じゃっき)した」と述べた。 出席者からは情報漏れや安全保障への影響を懸念する意見も相次いだ。党内には国会議員や秘書による利用を一部制限すべきだとの声もある。 危機感は野党も共有しており、立憲民主党は国会対策委員会での使用を当面禁止すると発表した。 同党の後藤祐一衆院議員は19日の衆院内閣委員会で、中国の国家情報法が国家情報活動に対する国民や組織の協力を規定していると言及し、「中国政府、中国共産党は日本の個人情報について入手することは可能なのか」と質問した。平井卓也デジタル改革担当相は国家情報法について「われわれとは全く違うデジタル社会の考え方から出てきている法律だと思うので、個人としては大変脅威に思う」と答えた。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は19日の記者会見で、国会議員や党職員の間でLINEを使った連絡を停止したと明らかにした。同党はLINEを通じた党員の新規募集も停止。榛葉氏は「特定の国が個人を含めた情報にアクセスできる蓋然性が高いとの報道もあった。特にわれわれは気をつけなければならない」と語った。(沢田大典、原川貴郎)
国内の月間利用者が8600万人に上る無料通信アプリを運営する「LINE(ライン)」(本社・東京都)が利用者の画像データなどを韓国のサーバーで保管していた問題に絡み、子会社が運営するスマホ決済「LINE Pay(ペイ)」利用者の取引情報のほか、加盟店の企業情報や銀行口座番号も韓国内のサーバーに保管されていたことがわかった。
LINEをめぐっては、利用者がメッセージをやりとりする「トーク」で使われた画像や動画データが韓国内のサーバーで保管されていることが表面化。LINEは17日の発表文で、韓国内のサーバーには画像や動画データのほか、「LINE Pay」利用者の取引情報も保管されていることに言及していた。
同社は朝日新聞の取材に対し、この取引情報には利用者の出入金や決済、送金データが含まれていると説明。さらに、「LINE Pay」加盟店の銀行口座番号や企業情報が保管されていることも明らかにした。
「国家情報法」を用いれば、日本の個人情報を中国がすべて持つことに~LINE個人情報閲覧問題
LINE個人情報閲覧問題~政府が報告を要求
LINEの利用者の個人情報が中国から閲覧できるようになっていた問題で、政府の個人情報保護委員会は個人情報保護法に基づき、LINEと親会社のZホールディングスに対して、強制的に委託先の中国企業による日本のデータへのアクセス状況などがわかる資料を提出するよう求める「報告徴収」を行っている。提出期限は3月23日。 飯田)朝日新聞のスクープから始まったというところでしたが、他にも情報のサーバーを韓国に置いていたというような話もあり、大問題ですよね。 岩田)これは日本にとって非常に危ういことです。私は昔からLINEは怪しいなと思って使っていなかったのですけれども、大学の学生たちはほとんどLINEでやり取りしています。「先生、LINEをやっていないのですか」と驚かれます。他のゼミでは、ゼミの状況をLINEで報告するということもやっているようですが、私は一切使っていません。 飯田)日本国内で使っている方ももう9000万人近くに及ぶと。地方の自治体なども住民票を出すのに使ったりしていましたよね。 中国が「国家情報法」を用いれば、日本の個人情報を中国がすべて持つことに 岩田)政府もそれをやっていました。デジタル庁をつくってやるのはいいのだけれど、きちんとしたセキュリティを日本がやった上でやらないと、恐ろしいことになると思うのです。今回の情報漏洩で、韓国にサーバーを置いてあるのも怖いのですが、中国には「国家情報法」というものがあるのです。この国家情報法には、「いかなる組織も公民も、国の情報活動に協力しなければならない」と言っているのです。要するに、中国政府が必要であるとなれば、情報を差し出さなければならないのです。そうすると、いま巨大な力となっている中国が日本の個人情報をすべて持つという、恐ろしい事態になるのです。対策をやると言っていますが、遅きに失しているだろうという感じがします。 飯田)もしかしたら、もう取られているかも知れないし、どうアクセスしたのかわからないということになっています。
岩田)わからないということが怖いですよね。何が行われていたか見えないわけですから。
国内の月間利用者が8600万人に上る無料通信アプリを運営する「LINE(ライン)」(本社・東京都)が利用者の画像データなどを韓国のサーバーで保管していた問題に絡み、子会社が運営するスマホ決済「LINE Pay(ペイ)」利用者の取引情報のほか、加盟店の企業情報や銀行口座番号も韓国内のサーバーに保管されていたことがわかった。
LINEをめぐっては、利用者がメッセージをやりとりする「トーク」で使われた画像や動画データが韓国内のサーバーで保管されていることが表面化。LINEは17日の発表文で、韓国内のサーバーには画像や動画データのほか、「LINE Pay」利用者の取引情報も保管されていることに言及していた。
同社は朝日新聞の取材に対し、この取引情報には利用者の出入金や決済、送金データが含まれていると説明。さらに、「LINE Pay」加盟店の銀行口座番号や企業情報が保管されていることも明らかにした。
金融庁 LINE側に管理態勢の詳しい報告求める アクセス問題で
通信アプリ大手の「LINE」が、利用者の個人情報などを業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態にしていた問題で、金融庁は、LINE側に対して法律に基づく「報告徴求命令」を出し、金融部門を中心に個人情報などの管理態勢を詳しく報告するよう求めました。
LINEをめぐっては、日本国内のサーバーに保管された利用者の名前や電話番号などの個人情報に、システムの管理を委託している中国の会社がアクセスできる状態にしていたことが明らかになっています。 LINEは、スマホ決済の「LINE Pay」など、さまざまな金融サービスを手がけていることから、金融庁は、LINEのほか金融関連の複数の子会社に対して資金決済法などに基づく報告徴求命令を出し、内部の情報管理態勢を詳しく報告するよう求めました。 関係者によりますと、今月29日を期限としているということで、金融庁は、問題の影響の広がりを把握するためにも、LINE側から詳しい報告を受ける必要があると判断したとみられます。
この問題では、すでに政府の個人情報保護委員会と総務省も、法律に基づいて詳しい事実関係の報告を求めています。
通信アプリ「LINE」の個人情報が中国の関連会社で閲覧できるようになっていた問題で、田村厚生労働相は、海外からの入国者への健康観察など、個人情報が含まれるサービスについて、LINEでの使用を一時停止する考えを明らかにした。 田村厚労相は、「基本的には、個人情報を取り扱っており、かつ代替、つまりLINEが停止されても代替措置により業務上支障を生じないシステム、こういうものに関しては、LINEの使用停止をさせていただきたい」と述べ、海外からの入国時に新型コロナウイルスの感染防止対策として使用している、健康観察など個人情報を扱うサービスで、別の方法で代替できるものについては、LINEの使用を一時停止する考えを示した。
通信アプリ大手のLINEは、十分な説明のないまま、利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態にしていたり、韓国で管理していたりした問題について、中国からの個人情報へのアクセスを完全に遮断したことを明らかにしました。
また、韓国で保存していたデータを国内に移転する方針を改めて示しました。 LINEをめぐっては、日本国内のサーバーに保管された利用者の名前や電話番号といった個人情報などに業務を委託していた中国の会社からアクセスできる状態だったことが明らかになっています。 これについて、親会社のZホールディングスは利用者への説明が不十分だったため対応策を検討するとして23日、有識者による委員会の初会合を開きました。 会合の冒頭でLINEの出澤剛 社長は「皆様に多大なるご心配ご迷惑をおかけしており大変申し訳ございません」と陳謝しました。 そのうえで、対応策として中国のすべての拠点からの個人情報へのアクセスを22日をもって完全に遮断したことを明らかにしました。 また、中国の会社に委託していた一部の業務を23日で終了したということです。 このほか、韓国のデータセンターで保存していた画像や動画のデータについては、今後すべて国内に移転する方針を改めて示しました。 さらにLINEが開発した新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができるシステムについては、利用者のデータを国内で管理する形で自治体に提供していると説明しました。 内閣府 防災公式アカウントの利用停止 通信アプリ大手のLINEが、利用者の個人情報などを業務委託先の中国の会社がアクセスできる状態にしていた問題を受けて、内閣府は、防災に関する公式アカウントの利用を停止しました。 この公式アカウントでは、台風や大雨を想定して、とるべき避難行動を確認できる「避難行動判定フロー」などが提供されていましたが、個人情報は取り扱われていなかったということです。 LINE 行政サービスの提供停止が相次ぐ 通信アプリ大手のLINEをめぐっては、政府や自治体の間でLINEを通じた行政サービスの提供を停止する動きが相次いでいます。 このうち総務省は、LINEを通じて提供している意見募集や問い合わせなどの運用を停止するほか、LINEを活用しているすべての自治体に対して今月26日までに利用状況を報告するよう依頼しています。 厚生労働省は、新型コロナウイルスの水際対策として行っている入国後の健康状態の確認について、LINEの利用を今月20日から停止しています。 また、LINEではアプリを通じて新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができるシステムを開発し多くの自治体が導入していますが、河野規制改革担当大臣は23日の閣議のあとの記者会見で、このシステムについて個人情報が漏えいしないかどうかを確認する考えを示しています。 このほか大阪府や愛知県、千葉県など多くの自治体がLINEを通じた行政サービスの提供を停止すると発表しています。 有識者委員会 座長「高い期待と信頼を傷つけた」 有識者による委員会の初会合の後、座長を務める東京大学大学院の宍戸常寿教授は「非常に多くの人が利用し、事実上、社会インフラとなりつつあるアプリであり、通信の秘密の順守を含めて安全でプライバシーに配慮していると言われてきたアプリであればこそ、高い期待と信頼を傷つけた。事実関係を解明し、そして可能な限かぎり早く、できるところは順次、公表していきたい」と述べました。 LINE問題とは LINEをめぐっては利用者の個人情報、それにアプリを通じてやりとりされた動画や画像などについて、外国で管理したり日本にあるデータに外国からアクセスできたりしたことについて、説明が十分でなく、個人情報などの流出や悪用がなかったかどうかが問題となっています。 具体的には、システムの管理を委託している中国の会社の技術者4人が日本国内のサーバーに保管されている利用者の名前や電話番号などの個人情報にアクセスできる状態になっていました。 また、利用者の間でやりとりされたメッセージや写真などのうち、不適切だとして通報が寄せられた内容などにもアクセスできる状態になっていました。 2018年8月から、ことし2月下旬までの期間で中国の技術者4人から日本のサーバーへ、少なくとも32回のアクセスが確認されているということです。 LINEや親会社のZホールディングスは、これまでのところ情報が悪用されたという報告はないとしています。 また、画像や動画、アルバムやタイムライン、スマホ決済の「LINE Pay」の取引状況などを、以前の親会社がある韓国のデータセンターで管理していることも明らかにしました。 会社では、韓国で管理しているデータは、おととしから段階的に日本国内への移転を進めていて、このうち「トーク」でやりとりされている画像や動画については、ことし6月までに国内に移転するとしています。 一方「トーク」の文章やID、電話番号、メールアドレス、それに友だちのリストなどプライバシー性の高い個人情報は日本のサーバーで管理しているとしています。 個人情報保護法では、外国への個人情報の移転が必要な場合には、一部の例外を除いて利用者の同意を得るよう定めていて、来年、施行される改正法では国名を記載することが必要になります。 LINEが現在、利用者に示している個人情報に関する指針では、利用者の同意を得た場合や法律で認められる場合に個人情報を第三国に移転することがあるなどと記載していますが、具体的な国名までは示されていません。
このため会社では、説明が不十分だったとして記載を見直すとともに、日本国外での管理の在り方について検討を急ぐことにしています。
LINEの出沢社長は、今後データを完全に国内へ移転すると説明した。韓国にあるサーバーで、LINEの通信アプリに投稿された画像や動画ファイルを保管しているケースがあった。
LINEのデータ、国内に完全移転へ--中国からのアクセスを完全遮断、運用業務も終了
Zホールディングス(ZHD)は3月23日、「LINE社におけるグローバルなデータガバナンス」を検証・評価する特別委員会を開催した。そのなかで、ZHD傘下のLINEが冒頭、今後のデータガバナンスについて発表。中国からのアクセスを完全に遮断したほか、サーバーをすべて国内化するという。
ZHD代表取締役Co-CEOの出澤剛氏が委員会の冒頭で謝罪 これは、LINEがシステム管理を委託していた中国企業の技術者が、ユーザーの名前やメールアドレスといった個人情報に加え、トークや写真も閲覧できる状態と報じられた一連の問題で、LINE側は一部機能の開発やモニタリング業務を中国拠点に委託していたことを公表した。すでに、中国拠点からのアクセス権は削除。個人情報やトークは国内のサーバーに、写真や動画は韓国のサーバーを利用していたことも明かしている。 なお、トーク自体はLetter Sealingと呼ばれる暗号化技術が施されており、LINE側でも復号できない。このため、トーク内容に関しては、オープンチャットやタイムラインといった公開投稿や、スパムを通報したユーザーがアップしたトークテキストなど、モニタリング業務に関連したものだったとしている。 元LINE代表取締役CEOで、現ZHD代表取締役Co-CEOの出澤剛氏は、委員会の冒頭で「ユーザーのみなさまに多大なるご心配、ご迷惑をおかけしており大変申し訳ございません」と謝罪。 その後、現状の課題を(1)海外からLINEの情報にアクセスできる状況にあった、(2)トーク上の画像・動画などが国外で保管される状況だった、(3)LINEのセキュリティポリシーで国名を明示せず、非常に不親切だった、という3点に整理。これを解決するためのプランとして、中国からのアクセスの完全遮断と、データの完全国内化を発表した。 現状の課題 LINEのトーク、公式アカウント、行政アカウント、コロナワクチン予約システム、LINE Payすべてのサーバーを国内に移転する すでに、同社では中国から日本ユーザーの個人情報へのアクセスを遮断しているが、今回、LINEのコミュニケーションに関連する機能・サービスについて、中国での機能開発・保守業務、運用業務を3月23日をもって終了する。トークは、テキストのみ日本で保管(Letter Sealingで暗号化済み)されており、トーク内の画像・動画・ファイルデータは韓国のデータセンターに保管されているが、こちらも2021年6月までに国内移転を完了させる。 LINE公式アカウントも、トークテキストは日本、画像や動画などは韓国で保管されているが、こちらも2021年8月までに国内への移転を予定している。なお、タイムラインについては、LINE公式アカウントの画像・動画ファイル2022年6月に、LINEユーザーは段階的に国内へ移転する。 さらに、政府自治体向け公式アカウントのデータ保管、データアクセスを完全国内化。データ保管場所を2021年8月までに国内に移転する。自治体向けコロナワクチン予約システムも、国内のデータセンターのみに保管し、国内からのみアクセス可能にするという。 そのほか、ユーザープライバシーポリシーの改訂、データ・セキュリティのガバナンス体制と情報保護の強化も実施。LINE Payの決済情報についても一部韓国で保管されていたが、こちらも2021年9月での国内移転を予定している。
ZHD代表取締役Co-CEOの川邊健太郎氏は、「まずは、ユーザーの皆様、関係者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した後、「中国からのアクセスの完全遮断と国内へのデータの完全移転は、統合後の新生ZHDがLINEの親会社として、きちんと履行を監督管理する」と述べたほか、「外部のシステム監査を入れることも検討し、信頼回復に努めたい。進め方、過去の経緯についても、特別委員会で可能な限りつまびらかにしたい」と、委員会への意気込みを示した。
LINE 出澤社長が会見で陳謝 中国からの個人情報アクセスを遮断
通信アプリ大手、LINEの出澤剛社長は十分な説明のないまま、利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態にしていたり韓国で管理していたりした問題について、23日夜、記者会見を開き「非常に多くのユーザーからの信頼を裏切ることとなったことを重く受け止めている」と陳謝しました。そのうえで、中国からの個人情報へのアクセスを完全に遮断し、政府や自治体向けの公式アカウントなどについてデータの保管やアクセスを国内だけに制限する方針を示しました。
このなかでLINEの出澤社長は今回の問題について「皆様にご迷惑とご心配をおかけしており心からおわびを申し上げます。非常の多くのユーザーの皆様からの信頼を裏切ることとなったことを非常に重く受け止めています」と陳謝しました。 そのうえで、中国のすべての拠点からの個人情報へのアクセスを完全に遮断したことや、韓国のデータセンターに保管されている画像や動画を国内に移す方針を明らかにしました。 政府と自治体向けの公式アカウントについて、データの保管とアクセスは国内だけに制限する方針を示しました。 このうち、データの保管場所についてはことし8月までに国内に移転する予定だとしています。 自治体向けの新型コロナウイルスのワクチン接種の予約システムについては、データの保管を国内に限り、国内からのアクセスのみを認めるなど国内で管理する形で提供できる状態になっていると説明しました。 また、現在は韓国のデータセンターで管理しているスマホ決済の「LINE Pay」の取り引きの情報については、ことし9月までに国内のデータセンターに移す方針を示しました。 さらに、LINEは利用者に示す個人情報の保護についての指針、プライバシーポリシーを来週、改訂する方針を示しました。 これまでは、個人情報を第三国に移転することがあるなどと記載しつつも具体的な国名までは示していませんでしたが、改訂に伴ってデータを移転する可能性のある「国名」や「目的」を明記するとしています。 一方、中国や韓国で利用者の個人情報などの流出や悪用はなかったのかという質問に対して、出澤社長は「情報の漏えいについては、現時点では確認されていない」と述べました。
そのうえで、問題が起きた背景について「LINEはグローバルで成長してきたので、グローバル協調で開発を一緒にやる体制でやってきた。ユーザーの感覚で見てちょっとおかしい、気持ち悪い、そういったことに対して、配慮を怠っていた。そこが一番の問題だと思う」と述べました。
LINEが中国からのアクセス完全遮断を発表 ユーザーの個人情報が閲覧可能だった問題
無料チャットアプリ「LINE」で、ユーザーの本名や電話番号などが中国の技術者から閲覧可能だったことなどがわかった問題で、親会社のZホールディングスは3月23日、有識者による特別委員会を開いた。
冒頭でLINEの出澤剛社長は、今後、中国での開発業務などを終了し、中国からのアクセスを完全遮断するとした。 ■委託業務を終了へ LINEを巡っては、ユーザーの電話番号や本名といった個人情報が、業務委託先の中国・大連の拠点にいる中国人技術者から閲覧可能だったことが分かっている。 「トーク」と呼ばれるチャット記録もアクセス可能だったが、こちらは暗号化されていたという。情報が保管されていたサーバーにはこれまで32回のアクセスがあったが、LINE側は不適切な事案はなかったとしている。 また、投稿された画像や動画は韓国国内のサーバーに送られていた。LINEはユーザーに対しデータを「第三国に移転することがある」とは説明していたが、具体的な国名は示されていなかった。 23日はLINEの個人情報の取り扱いをセキュリティやガバナンスの観点から検証するための特別委員会が開かれた。冒頭、出澤社長があいさつに立ち、「ユーザーの皆様にご迷惑をおかけして申し訳ございません」と陳謝した。 そして、中国からの個人情報へのアクセスはすでに遮断したとし、さらに今後、中国へ委託していた開発業務や保守業務などを終了させ、アクセスを完全に遮断するとした。 また今年6月までに韓国のデータセンターに保管されているトーク内の画像や動画ファイルを日本国内に移管させることも発表した。
委員会は今後複数回実施され、検証結果が公表される予定。
無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能な状態になっていた問題で、LINEの親会社のZホールディングス(HD)は23日、データの取り扱いを検証する第三者委員会の初会合を開いた。
安全保障や企業統治の観点から情報管理の不備を点検する。LINEの出沢剛(いでざわたけし)社長は会合の冒頭、「信頼を失ったことを痛感している」と陳謝。中国からのアクセスを完全に遮断し、LINEのメッセージデータを完全に国内に移転することを明らかにした。 第三者委の座長を務める宍戸常寿(じょうじ)東大大学院教授は、「LINEはデジタル社会のインフラとなりつつある。社会的信頼性を得るための不断の実践が求められる」と述べ、検証結果を利用者から見て分かりやすい形で公表していく考えを強調した。 23日は政府の個人情報保護委員会がLINEや同社の子会社などに対し個人情報保護法に基づき強制的に情報提供を求める報告徴収の期日にも当たる。出沢氏は同日夜に記者会見し、政府への報告内容や今後の方針について説明する。 第三者委は宍戸氏のほか、弁護士ら計7人の委員で構成。LINEの海外拠点における日本国内のデータのアクセスに関する管理状況を検討し、ZHDグループ全体の統治体制についても提言する。また、外部委員3人による技術検証部会も別に設け、データの取り扱いの実態把握やサイバーセキュリティーに関する技術的な監査を行う。 個人情報は利用者の同意なく第三者に提供したり、海外に持ち出したりすることが禁じられているが、LINEが利用者に開示している運用指針では、データを第三国に移転することがあるとしながらも具体的な国名の記載はなかった。 個人情報の海外流出の懸念から内閣府は公式アカウントによる防災の情報提供を停止。国土交通省も職員採用日程のLINEによる情報提供を中止するなど、各省庁で使用を取りやめる動きが広がっているほか、LINEを使った行政サービスを休止させる自治体も全国で相次いでいる。
また、金融庁はLINEとLINEペイなどの金融関連会社に対し、資金決済法などに基づき経緯の報告や資料を提出するよう22日付で報告徴求命令を出し、利用者情報の管理状況を報告するよう求めた。
LINE(ライン)の利用者の個人情報が委託先の中国企業から閲覧可能となっていた問題で、出沢剛社長は23日、親会社の第三者委員会に出席し、中国から日本国内のサーバーにある個人情報へのアクセスを完全に遮断したと明らかにした。
「LINEの通信内容を韓国政府が傍受」報道にLINE森川社長が反論 「そのような事実ない」
「韓国の国家情報院がLINEの通信を傍受している」――6月18日付けの「FACTA」電子版が伝えたこの報道に、LINEの森川亮社長が「そのような事実はない」と、ブログで真っ向から反論した。
記事には、「韓国の国家情報院が、LINEの通信を通信回線とサーバーの間で傍受し、収集したデータを欧州で保管、分析している。LINEの日本人のデータは中国Tencentにもれた恐れもある」と書かれていた。 森田社長は、「普段なら一記事についてコメントを出すことはないが、今回は看過できない」とし、18日夜にブログを更新。「韓国政府機関がLINEの通信内容を傍受している」という内容について、「そのような事実はない」と真っ向から否定した。 また、「LINEはシステム内でもシステム外の通信ネットワーク上でも安全。国際基準を満たした最高レベルの暗号技術を使って通信されているので、記事に書かれている傍受は実行上不可能」と説明。「LINEのデータが他社に漏れた」という報道についても、「全くの事実無根」としている。
森川社長は、「根拠なくユーザーを不安にさせる一部の心ないメディアに抗議する」と表明。ユーザーには「引き続き安心してご利用いただきたい」と呼び掛けている
LINEの出沢社長は、親会社の第三者委員会の初会合で「ユーザーに多大なる心配、迷惑を掛け、大変申し訳ない」と謝罪した。
LINE(ライン)の出沢剛社長は23日夜の記者会見で、通信アプリの利用者の個人情報が業務委託先の中国の関連会社から閲覧可能になっていた問題に関して、「LINEはグローバルで成長してきたが、世の中の状況の変化で見落としてきたことが多かった。反省している」と述べた。 出沢氏は「信頼回復が第一だ。ユーザーへの配慮が足りなかったことでこういう事態になったことを重く受け止めている。信頼回復にはなるべく早く対応する必要がある」と語った。
LINE(ライン)の出沢剛社長は23日夜の記者会見で、通信アプリの利用者の個人情報が業務委託先の中国の関連会社から閲覧可能になっていた問題を受けたユーザー数の動向に関し「大きな変化はなく、使っていただいている。本当に感謝している」と述べた。 今回の問題が同社の成長戦略に与える影響について問われると、出沢氏は「海外での協業した開発はわれわれの強み。手続きを踏んだ形でやる」と話した。
LINE(ライン)の出沢剛社長は23日夜の記者会見で、利用者に開示している運用指針でデータ移転先の可能性のある国名や目的をこれまで明記していなかったことについて、「やるタイミングは社内で議論していたが、先んじてやるところまで至らなかったのは反省している」と述べた。 また、今回の問題に関しては「皆さんの信頼を失う事態になっている。情報収集に対する感度や手だてが不足していた」と話した。
無料通信アプリ「LINE(ライン)」の個人情報が利用者への具体的な説明が不十分なまま、中国の関連企業からアクセスできる状態にあった問題で、運営するLINEの出沢剛社長らが23日夜、会見を開いた。出沢社長との主なやりとりは次の通り。
――中国からのアクセス遮断と、韓国から国内へのデータ移管の決断に至った理由は。 「信頼回復が第一と思っている。我々のユーザーへの配慮が足りずにこうした事態になったことを重く受け止めている。信頼回復にはなるべく早く、明確な対応をする必要があると思い、遮断やデータ移管を決断した」 ――情報の漏洩(ろうえい)や流出は本当にないのか。 「漏洩は現時点で確認していない」 ――問題にどう向き合うのか。 「法的にどうこうではなく、ユーザーのわかりやすさ、感覚として『気持ち悪い』という点への配慮が欠けていた。そこに気をまわすことができなかったのが、一番の問題。今日の発表は第一歩。外部からの監査など、もろもろを通じて信頼回復していきたい」 ――問題を受けて、ユーザー数や企業などのアカウント数に変化はあったか。 「アカウントやユーザー数は、ありがたいことに大きな変化はなく使って頂いている。本当に感謝している。アカウントについては、自治体や政府関係機関での停止という話は認識している。企業に関しては現状、大きな動きはないと認識している」 ――今回の対策を受けて、開発のスピードが遅くなるのでは。 「海外との協業は我々の強み。手続きを踏んで継続する」 ――今日のZホールディングス(HD)の特別委員会でどんな指摘を受けたか。 「データの管理状況や消費者保護などさまざまな観点から課題点の指摘を頂いている」 ――中国で、企業に情報提供を義務づける法律のリスクを考慮したのか。 「中国での開発は長い間、続けていた。潮目の変化であるとか、我々として見落としていたというのが偽らざるところ。言い換えると、ユーザーへの配慮が足りなかった」
――中国から日本に業務を移管…
道がLINE使ったサービス全て"一時停止" 個人情報の海外流出可能性受けて
通信アプリ大手LINEで個人情報が中国の関連会社から閲覧できる状態になっていた問題を受け、道はLINEを使ったサービスをすべて一時停止させる方針です。
通信アプリ大手LINEで個人情報が閲覧可能になっていた問題を受け、道は3月19日から実態調査を進めていましたが、17の事業でラインを使用していたことから、すべての事業で使用を一時停止する方針です。 このうち8つの事業では新型コロナウイルスに関する相談や子どものいじめ相談などで個人情報を扱う機会がありました。
道では、既に一部サービスを停止させていて、国の情報保護委員会の調査結果次第で、その後の対応を判断したいとしています。
LINE 個人情報保護指針の改定やデータ管理体制強化 改善急ぐ
通信アプリのLINEは、利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態にしていた問題で、説明が不十分だったとして改善を急ぐことになりました。中国からのアクセスを完全に遮断したうえで、利用者に示す個人情報保護についての指針を改め、データを移転する可能性のある国名や目的を明記することにしています。
LINEの出澤剛社長は利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態にしていたり韓国で管理していたりした問題をめぐり、23日夜、記者会見を行いました。 このなかで出澤社長は、利用者に示す個人情報保護についての指針で、第三国に移転する可能性があると記載しているものの、国名などを明らかにしていなかったことについて「大きな課題だ。ずっとそのような表現をしてきたので変更すべきだったのに、先んじてできなかった」と述べました。 そして、日本の利用者の個人情報などへの中国からのアクセスを完全に遮断する措置をとったうえで、個人情報保護についての指針を来週にも改訂し、データを移転する可能性がある国名や目的を明記することにしています。
さらにLINEは日本国内でデータを管理する体制を強化するなど改善を急ぐ方針ですが、今回の問題をめぐっては政府の個人情報保護委員会に加え総務省や金融庁にも報告を求められているほか、親会社のZホールディングスも有識者による委員会で詳しい調査を始めています。
LINE 中国からのアクセス完全遮断 データは国内に完全移行
通信アプリ・LINEの個人情報が中国の関連会社で閲覧できる状態だった問題で、社長自ら陳謝し、利用者の個人情報に対する中国からのアクセスを遮断したと説明した。
LINE・出澤社長「ユーザーの皆さまにご迷惑とご心配をおかけして、心からおわび申し上げます」 23日午後7時半ごろ、LINEの出澤社長が会見を開き、陳謝した。 LINEをめぐっては、日本国内のサーバーに保管された個人情報などが、業務を委託していた中国の会社からアクセスできる状態になっていた。 出澤社長「漏えい等に関しては、現時点では確認されていない」 一連の問題を受け、出澤社長は、利用者の個人情報に対する中国からのアクセスをすでに遮断したと説明。 コミュニケーションサービスに関する開発や運用業務については、23日、中国での業務を終了したことを明らかにした。 また、韓国のデータセンターに保管されているトークの画像や動画などのデータを2021年6月までに国内に移転するほか、そのほかのサービスについても、2021年中に国内に移転するとしている。 出澤社長「LINEの開発体制が、グローバルで成長してきたので、その間にグローバル協調で開発を一緒にやる体制でやってきた。何が問題だったのかというと、われわれとして、ユーザーのわかりやすさ、そういったものに対する配慮が欠けていた。ユーザーの感覚で見て、“おかしい”、“気持ち悪い”、そういうことに対して、センスや配慮が怠っていた」
LINEは来週、データの取り扱いなどを定めたプライバシーポリシーを変更し、国や目的を明記すると明言したうえで、今後、ほかの海外拠点についても状況を説明するとしている。
今のLINEは「止血した状態」--ZHDが特別委員会を開催、データガバナンスを検証へ
Zホールディングス(ZHD)は3月23日、同社傘下のLINEにおけるデータガバナンスを検証・評価する特別委員会を開催した。座長は、宍戸常寿氏(東京大学大学院法学政治学研究科 教授)。同日に第1回目を開催し、今後複数回に分けて開く予定という。
委員会の冒頭で宍戸氏は、「LINEのデータが第三国に移転していたり、第三国からデータへのアクセスがあったことが明らかになった。LINEは日本社会で多くのユーザー数を抱えており、民間企業や公的機関も利用するなど、デジタル社会のインフラになりつつある」とした上で、「当委員会が公正な第三者の立場として、徹底的に、総合的に明らかにする。部会を設け、技術的観点やガバナンスの観点から検証し、評価結果も適宜にわかりやすく公開したい」という。 また、「日本発のプラットフォームを目指すZHDが、競争の激しいグローバルのデジタル社会において、これらの要請を満たしながらイノベーションを実現し、どのようにガバナンスを整理して利用者や社会への責任を果たしていくかは、一企業グループを超えた重要な公共的課題がある」と説明。委員会は、消費者の代表者、デジタル経済、セキュリティ、法律、経済安全保障の第一人者で構成されており、プライバシーとセキュリティ保護のあり方、これらを実現するガバナンスのあり方を提言するようだ。 LINEの国内データの完全移転を発表、今は”止血”した状態 委員会の様子はメディアには公開されなかったが、委員会終了後に宍戸氏と、ZHD常務執行役員GCTSOの中谷昇氏への質疑応答の場が設けられた。LINEは委員会の冒頭で、データの国内への完全移転を発表。こうした対策について両社の説明を受けた宍戸氏は、「今日の説明は、今現在利用者に対する安心・安全を確保するためにやらないといけないもの。手術だと止血した状態。病巣の発見と手術はこれから」と説明。 また、「一般的なアプリならともかく、LINEは非常に多くの方が利用している。中国の委託先からアクセスできるとか、海外のサーバーにデータがあることとか、今の高い期待や信頼があるがゆえに傷が付いた」としたほか、「同時並行でLINE、ZHDともに個人情報保護委員会、総務省や他の省庁とも次々と調査が進んでいる。大変だが、できるだけすみやかに事実を解明して、可能な限り順次公表していきたい」と述べた。 今回の問題は、プライバシーポリシーの不備、中国からのアクセス、データの海外保管など複数の問題が重なっている。問題の所在について宍戸氏は、個人の考えと前置きしつつ、「どこでどういうデータが取り扱われていたのか、必要な説明を利用者に説明しないといけない。求められてるデータガバナンスの体制がしっかり構築されていたのか、それに不備があったのではないかが問題の本丸」という。プライバシーポリシーの不備は、あくまでも派生的な問題と指摘する。 さらに、ZHD常務執行役員GTCSOの中谷昇氏は、「今回の件については、1月の終わりに外部からの指摘で判明。2月にZHDの調査部で調べた結果、中国において、Naver China(LINE China)の求人情報がたくさんあった。それをきっかけとしてわかった」という。「2月中にZHDからLINEに質問を投げかけていたが、遮断については(経営統合後の)3月になり、あとから報告を受けている。2月にどういう作業をしていたかについては、委員会で技術的に検証していく」としている。 なお、宍戸氏はICT教育の普及を目指す独立組織「LINEみらい財団」の理事に就任していたが、座長への就任にあたり、利益相反の観点から3月19日付で辞職している。財団への参加は、「理念に共感して理事を仰せつかった」としており、無報酬だったという。 特別委員会のメンバー(敬称略) 座長 宍戸 常寿(東京大学大学院法学政治学研究科 教授) 委員 大橋 弘(東京大学公共政策大学院 院長) 委員 國分 俊史(多摩大学ルール形成戦略研究所 所長) 委員 森 亮二(英知法律事務所 弁護士) 委員 河合 優子(西村あさひ法律事務所 パートナー 弁護士) 委員 川口 洋(株式会社川口設計 代表取締役) 委員 長田 三紀(情報通信消費者ネットワーク) 技術検証部会のメンバー(敬称略) 座長 川口 洋(株式会社川口設計 代表取締役) 委員 北條 孝佳(西村あさひ法律事務所 カウンセル(弁護士))
委員 上野 宣(株式会社トライコーダ 代表取締役)
無料通信アプリ「LINE(ライン)」の個人情報が中国の現地法人からアクセスできる状態になっていた問題で、ライン社の出沢剛社長は23日、東京都内で記者会見し、「ユーザーにご心配をおかけし心から申し訳ない。信頼を裏切ることになり、非常に重く受け止めている」と陳謝した。
出沢社長は「『ラインメッセンジャー』のトークはテキスト、動画ともにファイルは韓国から日本に移管する。ラインアカウント、ワクチン予約システムも(データの)保管場所は日本に持ってくる。完了時期は、多くのものは2021年度中に行う」と明らかにした。 また、「ラインの開発拠点は世界7カ国にある。報道にあるように中国にも開発会社がある。世界7カ国で連携して開発してきた。インフラは世界5カ国でデータセンターを使っている」と述べた。ラインメッセンジャーのトークのデータについて「画像については韓国のデータセンターにクラウドを作って保管している。認証管理は日本だが、2021年6月までに日本国内のデータセンターに移管する」と明らかにした。
さらに「公式アカウントのテキスト部分は日本に保管、ファイル部分は韓国に保管している。韓国から2021年8月までに日本に移管する。ラインペイの取引情報や一部の利用者情報は韓国に保管しているものもある。これは21年9月までに国内に移管する」と述べた。
LINE問題受け島根県にも説明 個人情報の取り扱いなど調査続ける
一方島根県では・・・
竹下 慧記者: 「島根県庁では非公開ではあるんですが、今こちらの部屋でLINEによる自治体向けの説明会が行われているといういことです」 島根県も県民向けに公式ラインを使った情報発信をしている。このため県は、今月19日から県の業務におけるLINEの使用状況や個人情報の取り扱いについて調査を行っている。また午後からLINEによるオンライン説明会に参加し、情報の管理などについて状況を確認した。 島根県の担当者: 「情報の事故が起こるような扱い方はしていないし、現時点ではそういう情報漏えいがあったということは聞いていない」 県は、今月26日までに調査結果を総務省に報告し、安全性を確認できれば今後も継続して活用するとしている。 島根県の担当者: 「LINEに限らずソーシャルメディアは必要だと思っているので、職場で必要なものを選びながら情報を適切に皆様にお届けしたい」
LINE問題で鳥取県が10の行政サービス停止 県内自治体も運用停止を検討
無料通信アプリ・LINE利用者の個人情報が中国の関連企業から閲覧可能になっていた問題で、鳥取県はラインを通じた10の行政サービスの停止を決めた。また県内の各自治体でも運用停止を検討するなど影響が広がっている。
日本国内の利用者が8600万人と、今や社会インフラにまでなっている通信アプリのLINE。中国にある関連企業から利用者の個人情報が閲覧可能になっていたことが分かり、会社側は安全確保のため中国からの接続を遮断し、韓国のサーバーに保管している全てのデータを国内に移転する方針を明らかにした。しかし問題はまだ終わっていなかった。 鳥取県情報政策課・下田 耕作室長: 「安全性に懸念ががあるということなので、一旦、利用を停止することにした」 今回のライン問題を受け、総務省は全国の自治体に利用状況などの調査を通知。これを受け鳥取県は県庁各部署が県民向けなどに活用しているラインについて、国の調査による安全性が確認されるまで一時停止することを決めた。停止されたのは、新型コロナの発生状況などを情報発信したり、安心な観光や飲食エリアについての情報を発信するなどの10の公式アカウントで、県は他にも利用しているものが無いかどうかを調べている。県民への情報提供にも支障が・・・。どう対応していくのか? 鳥取県情報政策課・下田 耕作室長: 「メールや電話などを代替策として考えている。今後の対応は国の判断とか調査結果をみながら適切に判断したい」 鳥取県内のこの他の自治体でも影響が広がりつつある。そのひとつが琴浦町だ。 新型コロナの集団接種を少しでもスムーズに行うため、新たに約90万円かけLINEで接種の予約ができる仕組みを今月中に導入する予定だった。 琴浦町すこやか健康課・難波浩幸課長補佐: 「希望の日や月を選択していく、通知がLINE上にくるわかるというもの」
しかし今回の問題を受け琴浦町は「現段階では導入の中止を決めたわけではないが、国の調査など今後の動向を見極めた上で導入するかどうかの最終な結論を出したい」としている。
企業のライン活用、見直しの動き鈍く 日本郵便は「停止も検討」
無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能な状態になっていた問題をめぐり、ラインを情報提供などのサービスに活用している企業が対応を迫られている。
ただラインを活用したサービスの利便性の高さから、各社は難しい判断を迫られそうだ。 「情報漏えいなどは現時点で確認していない」。ラインの出沢剛社長は23日の会見で個人情報の流出について否定した。ただ情報管理をめぐるリスクを最小限にしようと、政府や自治体からは相次ぎ活用を見合わせる動きが出ている。 一方、企業によるサービスは見直しの動きは鈍い。ヤマト運輸は荷物を受け取る利用者がラインを使って配達状況確認や再配達の依頼ができるサービスを提供するが、サービスの利用停止措置などは「現時点では考えてない」という。 LINEと共同出資して新銀行「LINE銀行(仮称)」を令和4年度中にも立ち上げるみずほフィナンシャルグループは、設立計画について見直す予定はないとしている。みずほ銀行で提供しているLINEで口座残高を照会できるサービスについても継続する方針だ。 ライン利用者に情報提供などができる「公式アカウント」を維持する企業も多い。公式アカウントで最新のガス・電気料金や自社ポイント残高を閲覧できる東京ガスも現時点の対応は考えていないとする。出沢氏は「多くの変化はない状況で感謝している」と話す。 ただ行政での利用停止が広がる中、情勢を見定めようとの動きもある。
ゆうパックの不在通知などをLINEに送るサービスを展開する日本郵便の関係者は「登録者数が800万人がいるサービスで利便性も高い。現時点ではサービスを止める話にはなっていないが、今後の情勢をみつつ、必要ならば止めることも検討する」と判断の難しさを語った。
北海道「LINE」17事業"一時停止"…個人情報問題受け HP活用し情報発信対応へ
無料通信アプリLINEで国内の個人情報が中国で閲覧できるようになっていた問題を受け、北海道の鈴木知事は3月24日、道庁で扱っているLINEを使用した17事業全てを一時停止させたことを明らかにしました。
北海道が扱うLINEの17事業のうち8事業は個人情報を扱っていて、「新型コロナ」に関連した個別相談で体温などを打ち込んだリ、子どもが悩みを打ち明けたりする相談窓口業務を担っていたということです。 一方、個人情報を扱わない9つの事業では、地域の情報発信などのサービスを提供するために利用されていました。 サービスの停止に伴い17事業の担当課では、電話やメールによる利用者の状況確認などを行うほか、ホームページを活用し新たな連絡手段や情報発信の対応などを予定しています。 北海道では、総務省からの通知を受け19日から庁内での実態調査を行っていて、21日の週を前にすでに一部でサービスを停止させていました。 鈴木知事は会見で「総務省、または個人情報保護委員会で実態調査を行っていて、調査結果はまだ明らかになっていないが、安全性が確認されるまでは利用を停止している。LINEだけではなく、システム上の取り扱いについては、行政上さまざまな取り扱いがあるので、しっかり情報管理の徹底を全庁でしていきたい」と話し危機管理に万全を期す姿勢を示しました。
札幌市も「LINE」3つの相談サービス休止へ…北海道は17事業停止 波紋広がる
無料通信アプリLINEで個人情報が中国からアクセスできる状態になっていた問題を受け、札幌市は3月26日からLINEを使った市民からの相談サービスの休止を決めました。 LINEで個人情報が中国から閲覧可能になっていた問題。 これを受け札幌市は、いずれもLINEを使った子どもたちから悩みなどの相談を受け付けるサービスや、若者向けの進路、就職相談ができるサービスなど3つを3月26日から休止するとしました。 いずれも個人情報を含んでいることから、安全性が確認されるまでLINEの活用は休止され、電話やメール・面談でこれまで通り相談を受け付けるとしています。 またLINEのスマホ決済「LINE Pay」を使った水道料金の支払いやLINEによる情報の発信については継続されます。 北海道もLINEを活用していた17の事業すべてを3月25日までに休止させています。
LINE(ライン)の出沢剛社長は23日夜の記者会見で、通信アプリの利用者の個人情報が業務委託先の中国の関連会社から閲覧可能になっていた問題を受けたユーザー数の動向に関し「大きな変化はなく、使っていただいている。本当に感謝している」と述べた。
会見の冒頭、頭を下げるLINEの出沢剛社長=23日午後、東京都港区(川口良介撮影) 会見の冒頭、頭を下げるLINEの出沢剛社長=23日午後、東京都港区(川口良介撮影) 今回の問題が同社の成長戦略に与える影響について問われると、出沢氏は「海外での協業した開発はわれわれの強み。手続きを踏んだ形でやる」と話した。
3月17日の報道以降、LINEの個人情報取り扱いについて懸念の声が上がっている。23日夜には同社が会見を開き、LINEに関するデータ保存を国内に全て移管することを軸とした対策を発表した。
LINE 個人情報保護指針を改定 データ移転の国・地域を明記
通信アプリの「LINE」は、利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態にしていた問題で、利用者への説明が不十分だったとして、個人情報の保護についての指針を見直し、データを移転する可能性のある国や地域の名前を明記する形に改めました。
LINEは、利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態にしていたことや画像や動画などのデータを韓国で管理していたことについて利用者への説明が不十分だったとして、31日、利用者に事前に同意を求める個人情報の保護についての指針「プライバシーポリシー」を改定しました。
これまでは、利用者の個人情報について「第三国に移転することがある」などと説明していましたが、新たな指針では、アプリの開発や運用に関する業務のため、韓国とベトナムのグループ会社や、委託先の会社の従業員がアクセスすることがあるとしています。
合わせて、日本語以外での問い合わせに対応するため、タイ・台湾・インドネシア・韓国・フィリピンのグループ会社や委託先の会社からアクセスすることがあるとしています。
一方、中国の委託先の会社からのアクセスは、すでに遮断しているため、記載されていません。
また、利用者の個人情報を管理する場所については、「日本および韓国のデータセンターで保管している」と明記しています。
この問題で、LINEは、政府の個人情報保護委員会などに事実関係や改善策などについて改めて報告することにしています。
通信アプリ「LINE」の個人情報の管理に不備があった問題を受け、政府は、行政機関で機密情報を取り扱う場合はLINEの利用を一時停止すると発表しました。
加藤官房長官:「情報セキュリティー対策等のポリシーを遵守する観点から政府機関において機密性を要する情報を取り扱うライン社のサービスの利用については、いったんこれを停止したうえでガイドラインを早期に示したい」
加藤官房長官は一方で、行政からの情報発信など個人情報や機密情報を取り扱わないサービスについては、政府機関がLINEを利用することを許容すると述べました。
また、LINE社が自治体向けに開発しているワクチン接種の予約システムについては、「データの取り扱いを確認しつつ、開発を継続することに問題はない」と述べました。
「LINEの通信を韓国が傍受」への反論記事をLINE前社長が削除 理由は「差し控える」
「韓国の情報機関がLINEの通信を傍受している」とした2014年の報道に対し、当時LINE社の社長だった森川亮氏が反論していた記事が、21年3月30日までに削除されていたことが分かった。森川氏は削除した理由などについて「回答を控える」としている。
「FACTA」電子版は14年6月に「韓国国情院がLINE傍受」という記事を公開し、「韓国の国家情報院が、LINEの通信を通信回線とサーバの間で傍受し、収集したデータを欧州で保管、分析している。LINEの日本人のデータは中国Tencentに漏れた恐れもある」と報道した。
これに対し、森川社長(当時)は自身の公式ブログで「そのような事実はない」と反論。「LINEはシステム内でもシステム外の通信ネットワーク上でも安全。国際基準を満たした最高レベルの暗号技術を使って通信しているので、記事に書かれている傍受は不可能」と説明していた。
photo 森川氏が削除した記事 反論記事は現在閲覧できなくなっているものの、Webページ保存サービス「INTERNET ARCHIVE」上には3月17日時点のスナップショットが残されている。Twitterで該当記事のURLで検索すると、25日ごろに削除されていると指摘する投稿が見つかった。
photo 現在は閲覧できなくなっている photo 17日にスナップショットを取られた形跡がある 記事を削除した理由や時期などについて、森川氏が現在社長を務めるC Channelに書面で回答を求めたが、森川氏は広報を通じて「いただいたご質問に関してですが、今回は回答を控えさせていただきます」とコメントした。
森川氏は2003年にハンゲームジャパン(現LINE)に入社し、07年から15年まで同社の代表取締役社長を務めた。
LINEを巡っては、中国拠点の子会社であるLINE Digital Technology (Shanghai)の中国人技術者4人に、開発上必要なものとして日本国内のユーザー情報へアクセスできる権限が付与されていたことが問題視されている。技術者らはユーザー情報へ少なくとも計32回アクセスしていたという。トークデータのうち画像や動画については韓国のデータセンターに保管していたことも明らかに。LINEは「ユーザーとのコミュニケーションが足りなかった」と謝罪し、開発拠点やデータ保管場所を日本へ完全に移行する方針を打ち出している。
追記 2021年3月30日午後5時50分
30日午後5時50分ごろ、削除されていた同記事が再度公開されたことを確認した。
防衛省が、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の利用者の個人情報が中国で閲覧できた問題を受けて、業務上でのLINEの使用について懸念が払拭されるまでの間は停止する通知を3月24日付で出していたことがわかった。
防衛省は職員の採用募集やイベント開催の告知などでLINEを使用していたが、業務に関するLINEの使用は現在、停止している。
岸信夫防衛相は3月19日の記者会見で、「防衛省・自衛隊では、私用のパソコンやスマートフォンで業務上の不開示情報を取り扱うことを禁止している」と述べた上で、LINE利用の実態調査を実施していると説明していた。
対話アプリ「LINE」の個人情報が業務委託先の中国企業からアクセスできる状態になっていた問題をきっかけに、情報管理をめぐる「中国リスク」に注目が集まっている。中国には、国民や企業に諜報(ちょうほう)活動への協力を義務づける「国家情報法」があるが、運用の実態は見えない。日本企業にとって、どこにどんなリスクがあるのかも分からず、対応に苦慮するケースが増えそうだ。
「中国での開発を長い間続けてきたが、潮目の変化などを見落としていたのが偽らざるところ。ユーザーへの配慮が足りなかった」。この問題で3月下旬に会見したLINEの出沢剛社長は国家情報法のリスクについて認識の甘さを認めた。
2017年に施行された国家情報法は中国の諜報活動を取り決めた法律だ。中国語の「情報」は日本語とは異なり、「諜報」の意味合いが強い。同法は「いかなる組織及び国民も、国家の諜報活動を支持し、これに協力し、知り得た国家諜報活動の秘密を守らなければならない」と定める。
■「日本企業の意識の低さ露呈」
経済安全保障に詳しい井形彬・多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授は、同法の仕組みをこう解説する。「たとえば、中国製のサービスを使用して中国に不利益な活動をする人物を中国当局がテロリストと認定すれば、サービス運営者はこの人物の情報を提出するよう求められる。運営者はおそらく中国企業として拒否できない」。LINEの姿勢については「日本企業の経済安保に対する意識の低さが露呈したケース」と指摘する。
この法律はすでに米中間で激しい対立の火種となってきた。米国のトランプ前政権は、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品が同法に基づき中国のスパイ活動に使われる恐れがあると主張。具体的な証拠を米側は示していないが、19年以降、華為に対する輸出制限措置などを繰り返しとってきた。
これに対し、中国側は反発している。中国外務省の華春瑩報道局長は19年末の記者会見で、「外国に保管されているデータを収集するために、現地の法律に違反してバックドア(管理者が気づかない情報の抜け穴)を設置するよう企業や個人に求めたことはなく、また求めることもない」と述べた。
国家情報法について、中国の治安当局者は朝日新聞の電話取材に対し、「国家情報活動への協力を組織や個人に求めることは、米国など多くの国がすでにやっている」と正当性を強調。中国政府が日本企業の情報を収集する可能性については、「すでにわが国の技術の方が日本企業よりも優れている分野が多く、その必要はない」と否定した。